越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●令和4年9月定例議会


委員長報告


 議長のご指名によりまして、当委員会に付託されました第65号議案及び第66号議案の2件につきまして、その審査経過並びに結果をご報告申し上げます。
 当委員会は、去る9月14日、第1委員会室を会場に、委員全員出席し、説明員として担当部課長の出席を求め開会いたしました。
 まず、第65号議案について申し上げます。執行部より説明を聴取の後、質疑に入りましたところ、まずPFI事業者選定審査会委員の人数の考え方はに対し、PFI事業者選定審査会設置条例では、審査会は委員5人以内で組織するとあり、今回の小中一貫校の整備PFI事業においては、建設、教育施設設計、財務の3つの視点から評価が必要と考え、学校教育施設の建築に造詣が深く、本市のPFI事業者選定審査会委員の経験がある大学教授の方、PFI事業についての経験が多く、他自治体で学校のPFI事業の審査に携わった経験のある大学教授の方、SPCの財務状況等の確認ができる公認会計士の方の3人を委員に選任したとのことでありました。
 次に、性能評価点800点、価格評価点200点の配点とした理由は。また、他市の状況を参考にしたかに対し、当初市としては、性能評価点700点、価格評価点300点の配点としていたが、委員から、中身で選ぶという市の姿勢を強く出すということであれば、加点審査項目の割合を上げたほうがいいのではないかと意見があった。そのため、コンサルを含めた関係部課所でしっかりと協議をし、配点割合の変更を含め、再度審査会で提案したところ、異議はなかった。また、委員からの提案を基に内部で十分精査し、配点割合を変更したものであるため、改めて他市の状況を精査したものではないとのことでありました。
 次に、審査委員が専門外の分野を評価することの考え方は。また、協議により評価を変えたのは適正な判断であると考えた理由はに対し、全てを熟知している委員を選ぶのは困難であるため、それぞれの専門性で選ばせていただいた。評価については、自分の専門分野だけを担当して評価をする担当分担評価方式と全てについて評価をする全項目評価方式のうち、委員自ら全項目評価方式を選択した。委員それぞれが専門外の分野であっても、自分の目線で評価をしていくという選択をしたと考えている。また、ばらつきの出た評価については、審査委員間できちんと協議をし、自分の評価を変えるのかは委員が納得した上で判断しているため、協議には意味があるものと考えているとのことでありました。
 次に、性能評価のうち、高く評価された点は。また、小中一貫校の平面図にあるワークスペースの使い方はに対し、性能評価は細かい点数が積み重なっているところであるが、ワークスペースを多連引き戸により構成した点、避難所開設等を念頭に置いた点、1階に家庭科室を置くことにより、炊き出し機能を持たせた点などが評価されている。また、ワークスペースの使い方については、総合的な学習の時間など、学級の枠を超えて、児童の興味関心を持ったテーマで追求をする学習や、2学年が集まって学習活動を行うなどの場合に使用し、教室とワークスペースを一体として使うことにより、特徴的な教育活動の展開が可能となるとのことでありました。
 次に、従来の契約方法とPFI事業により契約した場合の差額は。また、PFI事業において学校施設の運営維持管理を行う上での考え方はに対し、市が直接契約する従来方式で学校施設を整備した場合における事業費は、およそ163億円であるため、今回のPFI事業と比較すると、およそ20億円高くなる。また、運営維持管理については、民間の活力を取り入れながら、校務主事等とのすみ分けをしつつ、業務が遂行されているかのモニタリングを行うことにより、教育委員会としても確認していく予定であるとのことでありました。
 以上で質疑を終結し、続いて討論に入りましたところ、反対討論として、まず3学園構想に係る小中一貫校整備については賛成の立場であるが、本事業は越谷初の事業であり、また150億円規模の学校施設整備は全国的に見ても有数の大規模事業である。そのため、事業者選定や意思決定に当たっては、慎重かつ丁寧な議論が行われるべきであり、また市民が納得する説明責任を果たすとともに、透明性、公平性の確保の観点が重要であると認識している。しかし、本件においては、決定プロセスに疑問を抱かざるを得ない点があると感じている。約2億4,000万円の価格差がありながら、結果が逆転するほど技術的な内容に差があったのかについて、選定審査会の記録からは読み取れない。また、委員の選定プロセスや人数の根拠においても納得がいく説明を得られず、市民の理解を得るには根拠が乏しいと考えている。そのほか、加点項目と価格評価の割合の変更に係るプロセスや各審査項目の評価についても、事業者選定に際し、恣意的な判断が働いたのではないかとの疑念を払拭することができない。仮に恣意的判断がなかったとしても、わずかな積み重ねで2億4,000万円が逆転した事実を市民に理解していただくことができるかは疑問である。市民が納得する透明性と公平性を担保した慎重な議論が尽くされることを要望して、反対する。
 次に、子供たちの教育拠点、また地域の防災拠点ともなる学校施設について、特にレイクタウン地域の人口増加に起因した周辺地域の学校について、早急に整備していくことについては反対ではない。しかし、予算規模が150億円の大型PFI事業であるにもかかわらず、市側から提案事業者に対して学校施設という単一の用途のみでの水準で要求をしていること。構造体や設備に特殊な要因を想定しておらず、他の公共施設との複合化の検討や民間のノウハウの活用などについて、官民連携の大型PFI事業として熟慮の上の要求水準とは言い難いこと。業者選定過程においては、選定審査会の人数を条例の範囲内最大数の審査委員数としておらず、審査には事業分野に関する専門性や、財務や法務に関する専門性など幅広い知見が求められるため、専門家の審査員が選定されているが、専門外の分野についても評価に関与しており、適正な評価となっていない可能性があること。以上の理由により反対する。
 次に、計画策定に当たり、保護者や子供、現場の教員の意見の聴取、反映が不足していることが大変多く聞き取れる。そのような課題に対しても、これから考えるというような話も多数ある。こういうことから、教育委員会の都合による施設建設先にありきで、既存の敷地に子供を詰め込むことだけが目的になっていると指摘せざるを得ない。子供のための計画とは言えないことが改めて浮き彫りになっていると考え、反対するとの発言がありました。
 以上で討論を終結し、採決の結果、第65号議案については、賛成少数をもって否決されました。
 次に、第66号議案について申し上げます。執行部より説明を聴取の後、質疑、討論、採決を行いましたところ、質疑はなく、討論の発言もなく、採決の結果、第66号議案については、全員一致をもって原案のとおり可決と決しました。
 以上で報告を終わります。


 
 
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