越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●令和4年6月定例議会


○討論


 議長の許可をいただきましたので、議員提出第4号議案「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないよう求める意見書について」、賛成の立場から討論いたします。
 私は、十数年来ある先生に支持して、政治や経済について学んできました。残念ながら先頃、先生の訃報に接し心を痛めております。国を思う気持ちが人一倍強かった先生に対しては、元首相をはじめ、多数の保守派の政治家から追悼の言葉が寄せられました。その先生のご両親はというと、お父様は戦後最初の参議院議員のお一人、お母様は沖縄県名護市のご出身の方でした。このため、様々な話題の中で、沖縄のことや平和の礎のことも、先生と時折話をしたことを記憶しております。平和の礎について先生は、敵だったアメリカ軍やイギリス軍の将兵の名前も刻まれています。こういったものはほかにはありません。そこに大きな意義がありますと言われたことを覚えています。今年も、新たに氏名が判明された犠牲者の刻銘が作成されているさなかだと、先日ニュースで報じられもしました。
 また、先生のお兄様は、シベリアに抑留された後ウクライナに移されて、かの地で病死されています。このことから、先生は現在のウクライナ戦争に触れて、ウクライナの問題は、現代社会における戦国時代に戻る現象を提示している。戦争における争奪をやめて、相互の人間、人類、地球を静かに見詰めねば死の旅となると、ご自身が関わる雑誌に寄稿されました。それが、言わば先生の最後の言葉になりました。
 さて、沖縄戦について、改めて最近「失敗の本質」という本から、その経過への理解を深めました。沖縄戦の経過はここでは省略しますが、その結果、沖縄を防衛するための陸海軍の将兵が犠牲になったばかりではなく、難を逃れるために南へ南へと避難した住民もまた想像を絶する苦労の末、犠牲になりました。
 私は、小泉政権下でアメリカと合意がなされた普天間基地返還に向けての辺野古移設を支持しています。新基地建設に向けて、陸上部分で対応ができなかったのかという思いはありますが、埋立てを進めるためには、より丁寧な対応が必要であると考えます。その意味で、戦場で倒れた兵士、戦火に巻き込まれた住民の遺骨が含まれる可能性がある土をそのまま埋立てに使うというのは、意見書にあるとおり人道的見地から認められるものではありません。
 よって、本意見書に賛成をいたします。議員各位のご理解とご賛同をお願い申し上げ、賛成討論を終わります。


 
 
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