越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●平成30年9月定例議会


Q1-①.質問


 議長の許可をいただきましたので、さきに通告しております5項目十数点について、順次市長、教育長にお伺いします。
 まず、1項目めに、税金をより効果的に使うための財政施策について市長にお伺いします。越谷市は、ことし市制施行60周年を迎えます。これまで市民からの税金を原資として、さまざまな施設、インフラの整備を進めてきました。また、そのようなハード面だけではなく、ソフト面も含めてサービスを展開してきました。今後も引き続き、市民に愛着を持ってこの越谷に住み続けてもらえるような、また他の地域から移り住んでもらえるような、そのようなまちとなることを願っています。そこで、税金、市民からの貴重なお金、この入りと出ということについて考えていきたいと思います。
 まず、1点目として、財務諸表から見る財政分析についてお伺いします。公会計制度改革により、平成28年度決算分から、全国一律の基準、統一的な基準によって、財務書類、財務四表が作成されることになりました。これにより、自治体間の財政状況、資産状況などが比較可能になりました。越谷市は従来、総務省基準モデルを採用して財務書類を作成してきていますが、他の自治体の多くは、その後に示された総務省改定モデルを用いています。例えば東の越谷に対する西の川越、人口規模も同程度の所沢、越谷市に隣接する春日部、草加、これらの市は、いずれも越谷市とは異なり、総務省改定モデルで作成されていました。ですので、これらの自治体同士では比較ができますが、越谷市はこれらの自治体とは比較ができないという状況にありました。それが、平成28年度決算分から、統一的な基準に基づいて各自治体とも作成し、公表を順次行っているため、比較分析することが可能となりました。私自身、今申し上げた自治体のほか、東京近郊のベッドタウンである東京都府中市や神奈川県厚木市などの財務書類をインターネットから検索し、比較分析を試みています。それらの数字を見ているといろいろと感じることがあります。
 さて、越谷市がことし2月に公表した、統一的な基準に基づき作成された平成28年度の財務書類を見ますと、それ以前のものと数字が大きく異なっている部分があります。そこで、従来のものとはどのような点が大きく異なっているのかについてお伺いします。また、この財務書類の数字から、どのような分析を行っているのかについてもあわせてお伺いします。


Q1-②.質問


 2点目に、税金の使い方のさらなる透明化についてお伺いします。昨年町田市に公会計制度改革について調査に行き、詳細にご指導いただいたことをもって議会で一般質問していますが、その町田市では、財務書類の数値を用いて、主要な事業について財政分析、コスト分析を行い、市民に公開し、少しでも市民の財政的な面への興味関心を高める取り組みを行っています。調査の際にいただいた「平成27年度町田市課別事業別行政評価シートダイジェスト」という冊子があります。手元にあります。A5版のコンパクトなものですが、次のような市長のメッセージも掲載されています。「課別事業別行政評価シートには、事業の成果と事業のために使用した費用が掲載されています。これにより事業の成果は上がっているか、税金が効果的に使われているかなどが明らかにされています。それぞれの事業を紹介したページは、事業の値札と言うこともできます」と、そのようにあります。
 この冊子では、市民が身近に感じる事業のうち13事業を抽出して掲載していますが、事業の紹介、事業の成果、さらにこれからの課題が掲載されているほか、行政コスト計算書、貸借対照表の数値、さらに事業に応じた1人当たりや1件当たりのコストなども掲載されています。事業にかかるコストは、単にその事業を行うためにかかる費用や、その施設を維持するためにかかる費用だけではなく、事業に携わる職員の人件費や事務的な費用なども含まれています。他方、その事業の実施に当たり、受益者に負担を求めるケースもあります。受益者の負担額も財源として捉えると、違った物の見方が生まれてきます。
 越谷市でも、財政を少しでも市民に理解してもらおうという努力を重ねていますが、改めて町田市のように、財務書類の数値を盛り込む形での事業の予算決算、かかった費用や市民が負担した金額を公開してはどうかと考えますが、市長の見解をお伺いします。


Q1-③.質問


 3点目に、越谷市資金運用方針についてお伺いします。資金を運用するということについて、平成28年6月議会で取り上げておりますが、先日杉並区で調査しましたので、そのことを踏まえて改めてお伺いします。杉並区は、約500億円の基金を有しています。23区の中でも中程度だということでしたが、このうち半分は預金により運用し、半分は債券により運用しています。運用に当たって非常勤の基金管理監というポストを設け、日銀OBの方を採用し、適宜アドバイスを受けているとのことでした。しかし、依然として運用という面では厳しい状況が続いています。運用利回りの実績もいただきましたが、年々利回りが少しずつ低くなってきています。特に定期預金の利率が低く、現状では定期預金といえども普通預金と同じ利率しか金融機関から示されていないとのことでした。
 さて、以前議会で資金の運用について質問した際に、私は利率の点から債券での運用を提案しましたが、とはいえ越谷市資金運用方針を見ると、リスクを管理するという面からは不十分な点があると感じていました。実際の答弁では、資金運用方針は手直しをするということでしたが、この運用方針の手直しはどうなっているのかについてお伺いします。


Q2-①.質問


 それでは、午前中に引き続きまして質問を続けさせていただきます。
 次に、2項目めとして、市北部における子育て支援策の充実についてお伺いします。人口減少、都市縮小の時代に突入した結果、行政サービスの拡充による住民のとり合い、都市間競争が激化しています。私個人としては、将来を見通して、縮小する中でも充実させる縮充という考え方を持っていますが、持続可能なまちづくりを進めていくためには、生産年齢人口の減少に対応した施策を進めていくことが必要ですし、その中には年少人口にとって好ましい環境を整備することも必要になります。そこで、市北部、ここでは主にせんげん台駅、大袋駅を利用する地域を想定していますが、次の施策についてお伺いします。
 まず、1点目に、保育ステーションについてお伺いします。保育ステーションは現在、市内3カ所に設置されています。従来からある北越谷と南越谷の2カ所は、一時保育と送迎保育を実施し、新設されたレイクタウンでは一時保育を実施しています。人口が急増しているレイクタウンにおいては、次の質問の病児保育室を含めて、子育て支援策が充実しつつあると感じています。
 他方、市北部地域でも、せんげん台駅に特急スカイツリーライナー、アーバンパークライナーが夕方から夜間にかけて1日5本停車し、通勤の利便性が高まっており、今後も住宅開発が進むと予想されますし、大袋駅周辺でも同様に開発がまだまだ進められています。そこで、保育ステーションの市北部地域への新設について市長の見解をお伺いします。


Q2-②.質問


 2点目に、病児保育室についてお伺いします。従来越谷駅西口で病後児保育の事業を実施していましたが、病後だけでなく、病気中の子供の面倒を見る施設の要望が高いことから、レイクタウンに病児保育室が新設されています。共働き世帯がふえる中、今後も病後はもちろん、病気中の子供の保育のニーズは高まっていくものと想定されます。そこで、病児保育室の市北部地域への新設について市長の見解をお伺いします。


Q3-①.質問


 3項目めに、災害時の避難所運営について、市長、教育長にお伺いします。午前中にも、岡野議員、江原議員から、防災の質問がありましたが、私も自然災害に備えるという観点から、防災・減災についてはたびたび議会でも取り上げてきております。日本は、地震大国、水害大国、火山大国、津波大国であり、一年を通じて日本全体が自然の猛威にさらされています。直近でも、ことし6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、先日の関西圏を中心に台風21号が猛威を振るい、さらに先週北海道を最大震度7の地震が襲いました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々へ心からお見舞いを申し上げます。また、西日本豪雨では、越谷市からも中核市市長会からの要請のもと職員の派遣も行っていますが、被災された各地の一日も早い復旧、復興をご祈念いたします。
 さて、今回は、昨年9月議会でも草加市で調査した事例をもとに質問した続きとして、その後11月に草加市で実施された、市内32の小中学校を会場にした全市一斉での避難所運営市民防災訓練の視察や4月に毎年お邪魔をしております、東京都調布市での防災教育の日の取り組みの事例、さらに8月には千葉県君津市にも調査に伺ったことを踏まえて市長、教育長にお伺いします。
 1点目に、避難所開設のプロセスについてお伺いします。地域防災計画では、災害時に想定されている避難者数は約2万6,000人となっています。どこに避難所を開設するかということについては、地震の規模や被害状況、その他によって異なると思いますので、まずは平日の昼間という条件を設定しますが、巨大地震が発生した際、発生から市内各所に避難所を開設するのにはどのような手順によって行われるのか、また避難所開設までに要する時間はどのくらいを想定しているのかについてお伺いします。


Q3-②.質問


 2点目に、市民との意識や情報の共有についてお伺いします。市長が常々言われるように、まずは自助、次いで共助、その上で公助だというふうに私も同様のことを考えております。実際に日常生活の中で、市からの情報発信やテレビ等からの情報発信もあって、必要なものを個人で備蓄する心がけをしている方々もふえてきております。それでも災害が発生した際に、行政は何をしてくれるのかということが最初に来る傾向にまだまだあると思っております。日ごろから災害に備えるという意識を今以上に市民に持ってもらうことが必要ですし、地域の自主防災組織に多くのことを担ってもらう可能性が高いことから、一層の訓練も必要となってきます。
 そこで、市民に対して、災害時に設置される避難所というものについて、開設のプロセスや運営といったことなどについて、どのような情報発信を行っているのか、実際に市民や自主防災組織には何を担ってもらうのか、そのような情報発信、意識啓発はどのように行っているのかについてお伺いします。


Q3-③.質問


 3点目に、避難所運営訓練について、これは市長、教育長にお伺いします。まず、市長にお伺いします。
 大規模な災害が発生すると、必要に応じて避難所の設置を決めるわけですが、避難所が開設された後、あるいは開設するという作業も含めて、地域の市民がさまざまな点を担っていくことになると考えています。このため草加市では、昨年11月に、市内32の小中学校を会場にして、地域住民が一斉に避難所を開設し、運営するという訓練を実施しました。草加市では、以前から地域住民が避難所運営訓練を実施している地域もありましたが、昨年度は初めて市内一斉に行ったのが特徴と言えます。この訓練に当たっては、事前に市の担当課が、地域の避難所運営に中心的に携わる人たちに対して勉強会を実施して、当日は地域住民の方々が主体的に訓練を実施しています。災害時の対応は、日ごろから実施していなければ、いざというときにはできません。そこで、地域住民による避難所運営訓練が必要と考えますが、市長の見解をお伺いします。
 次に、教育長にお伺いします。繰り返しになりますが、災害はいつ起こるかわかりません。休日や夜間であれば、多くの家庭で家族が一緒にいると考えられますが、東日本大震災のように平日の昼間に災害が発生した場合、子供は学校、親は職場で仕事中という事態もあり得ます。そうした中、子供たちを無事に保護者の方へ引き渡すマニュアルも整備され、昨年度からは45校一斉に実施する学校防災の日の取り組みもスタートしています。ことしは、あいにく台風の関係で中止となっておりますけれども、昨年は私も地域の小学校にお邪魔をして、取り組みの様子も見学させていただきました。
 さて、学校現場としては、子供たちを保護者の方に無事に引き渡すことが使命であることは承知しております。しかし、過去に何度もお話ししているとおり、平日の昼間地域にいるのは子供と女性と高齢者ばかり。子供の保護者の大半は職場。例えば都内などの離れたところにいるなど、自助はともかく共助という点では難しい部分も多くあるのではないかと感じています。その際に、地域で大きな力を発揮するのが、以前から申し上げているとおり、中学生です。体力もある、お互いの名前も顔もわかり、組織的な行動にもなれている。そういった中学生に、ぜひ避難所の開設、運営にも一役買ってもらいたいと考えています。そのためには、中学生に対する日ごろからの意識啓発や訓練が必要です。
 4月に実施される調布市の防災教育の日に毎年私はお邪魔しておりますけれども、ことしは避難所開設訓練を実施するということで、調布市立第四中学校というところに足を運んできました。午前中は通常の防災訓練。マニュアルに基づいて、それぞれ時間割り、タイムスケジュールで行われますけれども、この中学校では午後に、追加して、3年生を対象に救命講習とマンホールトイレの設置訓練を行っていました。その中学校は、体育館の外にマンホールトイレが設置できるように工事が行われている学校でしたが、生徒たちが箱から出して組み立てる訓練を実施していました。やはり訓練という体験の有無は、災害時の対応に大きな違いが出てくると思います。そこで、中学生に対する避難所に関連する訓練を実施することについて、教育長の見解をお伺いします。


 
 
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