越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

<< 前ページへ

●平成30年6月定例議会


教育長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 まず、増林中妻遺跡についてのお尋ねでございますが。本遺跡は平成29年12月に教育委員会が実施した調査により、増林地内の水田で新たに発見された古墳時代前期の遺跡でございます。調査の結果、本遺跡は古墳時代前期の遺跡としては、発見例の少ない自然堤防上に立地している遺跡であること、また竪穴住居跡や、すすのついたかめが見つかり、その場に住居を構え、煮炊きをして生活をしていたことが明らかになりました。これまで市内最古の遺跡はレイクタウン地内に所在する古墳時代後期の見田方遺跡であり、増林中妻遺跡は市の歴史を塗りかえる発見となりました。出土品等につきましては、平成30年2月開催の越谷市生涯学習フェスティバルにて展示を行い、多くの方々にごらんいただくとともに、本年7月には増林中妻遺跡の調査結果を踏まえた文化財講演会を開催する予定でございます。引き続き遺跡を紹介する展示やホームページ等を活用した広報活動を実施し、周知してまいります。
 今後の発掘調査でございますが、遺跡は遺構と遺物が土地と一体的に存在していることに大きな意味や価値があることから、現状のまま保存することが最も望ましいとされております。本遺跡は、市街化調整区域にあり、引き続き水田として利用されるものと見込まれるため、あえて追加の調査を実施する予定はございません。
 次に、越ヶ谷御殿跡についてのお尋ねでございますが。文献によると越ヶ谷御殿は、徳川家康が御殿町地内に設置したもので、現在越ヶ谷御殿跡という名称で御殿町の一部を埋蔵文化財包蔵地としております。平成27年1月から2月にかけて集合住宅建設工事に伴う記録保存のための発掘調査を実施したところ、鎌倉時代から江戸時代の出土品や溝、井戸等が発見されました。残念ながらこの調査では、越ヶ谷御殿や徳川家に関係する成果は得られておりません。今後の越ヶ谷御殿跡の取り扱いにつきましては、遺跡を現状のまま保存してまいりますが、開発等が計画され、現状のまま保存できない場合には、記録保存のための発掘調査を実施するなど調整を図ってまいります。
 次に、鉄道橋についてのお尋ねでございますが。この鉄道橋は浅間川橋梁と呼ばれ、せんげん台駅北側の春日部市との市境に存在し、明治時代に製造されたとするれんがが使用されている橋梁でございます。現在は新方川の河川改修に伴う橋梁のかけかえ工事が行われており、れんがを含めて既存の橋梁が解体されると伺っております。教育委員会といたしましては、郷土の近代化をあらわす貴重なものになり得ると考えており、れんがを含め解体時に得られる資料を提供いただけるよう引き続き関係機関と調整を図ってまいります。いずれにいたしましても、今後も貴重な市民共有の財産である文化財を適切に保護するとともに、郷土愛の醸成を図り、多くの方々が文化財に触れ、楽しんでいただけるよう取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


<< 前ページへ
 
 
copyright (c) 2009. kikuchi-takamitsu. All Right Reserved.