越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●平成29年9月定例議会


Q1-①.質問


 議長の許可をいただきましたので、さきに通告してあります6項目、十数点について、市長、教育長にお伺いします。
 まず1項目めとして、巨大地震への備えについて市長にお伺いします。防災については、過去何度となく取り上げておりますが、6月の終わりに県内の他の自治体の議員と一緒に、草加市における地震と水害への対策について調査しましたので、そのことを踏まえてお伺いします。草加市では、地震被害想定を一昨年に見直しました。地震はその規模や発生源によって、それぞれの地域に与える影響が大きく変わってきます。そこで、草加市に一番大きく被害を及ぼすであろう地震はどのようなものか、それを大学と一緒に研究し、それをもとにした地震被害想定を策定しました。次いで、昨年は地域防災計画を見直し、さらにことしは防災業務計画の策定に着手したほか、11月19日には市内32の小中学校の指定避難所で一斉に行う避難所運営市民防災訓練を計画しています。避難所の運営ということについての参考にしていただければと思います。
 さて、草加市の考えでは、大災害が発生した場合に一体どのくらいの被害が発生するのかを市民に発信し、その内容をしっかりと認識してもらうことが重要だとしています。さらに、大災害時には行政も防災機関も被災することから、大災害時に行政は当てにできないということも市民に意識させて、地域住民が協力することの必要性も発信しています。もちろん行政が何もしないということではありません。そのとき求められることを最大限行うという意識を当然持っていますが、草加市では、すべきこととできることを区別して取り組もうという、ほかの自治体にはない発想のもと、いずれ起こるであろう巨大地震に備えようとしています。調査を通じて学び得たことを中心に、以下お伺いします。
 1点目に、地震被害想定についてお伺いします。越谷市地域防災計画における地震被害想定は、その時々の埼玉県地震被害想定調査に基づいて、越谷市ではどの程度の被害が生じるかという想定をされています。平成27年3月に策定した越谷市地域防災計画では、埼玉県が平成24・25年度に実施した地震被害想定調査がベースになっています。直近の被害想定調査は5回目であるそうですが、そこで想定される地震は、常に複数のパターンが示されていますが、越谷市における地震の被害想定はいつもまちまちです。
 例えば、私は10年前、平成19年9月議会で質問した際の被害想定は、平成10年3月に埼玉県地震被害想定調査報告書で想定されたものですが、当時の市長答弁を引用しますと、「平成10年3月に埼玉県地震被害想定調査報告書で想定される地震のうち、本市の被害が最も大きいとされる綾瀬川断層による地震は、マグニチュード7.4の地震を想定しており、この地震によって想定される越谷市域の震度は6強と予想されております。本市の地盤特質である沖積層から成る軟弱地盤と液状化が発生する危険性が大きい地質から、その被害は死者497人、木造の全壊家屋5,095棟、焼失数9,578棟とされており、避難者数は6万3,479人と想定されております」となっています。これに対して、平成19年度の調査での想定は、一番の被害想定が東京湾北部地震で震度6弱、死者38人、全壊家屋1,059棟、半壊家屋5,256棟、避難者数は4万8,192人となっています。さらに、直近の平成24年、25年度の調査の想定は、一番の被害想定は茨城県南部地震で震度6強、死者57人、全壊家屋1,956棟、半壊家屋6,878棟、避難者数は2万6,868人です。避難者の想定を見ると、回を追うごとに減っていますが、その中でさまざまに想定されているもの自体は被害は減ったりふえたりと上下をしています。
 草加市では、そのように被害想定が毎回上下するのでは困るので、考え方を変えて、草加市に一番被害が生じるおそれがある地震はどのようなものか、その際の被害はどの程度発生するかを大学と共同して取りまとめました。県の調査結果に基づく想定は重要ですし、そのベースにした地域防災計画を取り組んでいますから、そこはもちろん重要だと考えますが、しかしそのときの想定の一番の被害ではなく、過去も含めた一番の被害、それを想定して、それをベースにして対応策を考えることがより重要だと考えますが、市長の見解をお伺いします。


Q1-②.質問


 2点目に、防災業務計画の策定についてお伺いします。草加市では、昨年、2016年に地域防災計画を見直しています。その主な骨子は、まず草加市役所の防災計画から草加市地域全体の防災計画へと考え方を変えたことにあります。また、実効性を伴った防災計画とするために、すべきこととできることを区別し、さらに地震被害想定を見直した上で、地震被害想定の被害レベルに応じた具体的な目標を設定するといった取り組みを行いました。それまでの地域防災計画には、次のような課題があるというふうに草加市では考えております。そのまま越谷でも課題として認識されているものも含まれていると思いますが、まず災害対応全体の骨格、体系がわかりにくいということがありました。具体的には、他の業務との関係がわかりづらい。時系列の中での位置づけがわかりにくい。目標、方針、業務などが混在していたなどといった課題です。また、すべきこととできることの区別がされていない。随時の見直しがしにくいといった課題もありました。そこで、地域防災計画を見直し、基本目標、方針、業務の構造を明示したほか、自助、共助、公助が達成するべき目標と業務の骨格を時系列に整理し、他の業務との関係、時系列での位置づけを明確にしました。この点については、越谷市が今後地域防災計画を見直す際に参考にしていただきたいと思います。
 ところで、草加市では、防災会議に諮った上で見直しを行う地域防災計画とは別に、防災業務計画の策定を行っています。これは、先ほど申し上げた今までの地域防災計画の課題の中に、随時の見直しがしにくいという点がありました。地域防災計画の見直しには、防災会議に諮る必要があるからです。そこで、随時各部署で自主的に改善することができるといった利点を備えた上で、地域防災計画に定めた達成目標、業務を実現する具体的な手順、手段、事前準備を取りまとめるほか、すべきこととできることを整理し、できないことについては、できるようにするための対策をまとめるなどしたのが防災業務計画です。越谷市でも同様の取り組みを進めることが必要であると考えますが、市長の見解をお伺いします。


Q1-③.質問


 3点目に、非常用自家発電設備の点検についてお伺いします。消防法では、非常用自家発電設備の定期総合点検が義務化されています。その中には、消火活動に必要なスプリンクラーや消火栓ポンプを動かすための最低30%以上の出力確認点検というものがあると聞いております。電気事業法では、月次点検を法制化していますが、この月次点検等の際に行っている負荷をかけない運転点検、空ぶかしではエンジン内にカーボンが堆積されると言われています。このため、堆積されたカーボンを燃焼排出させておかないと、非常時に発電機が正常に動かず、消火活動ができなくなるおそれがあるそうです。実際、東日本大震災の際に、整備不良により非常用自家発電設備の機能が十分に発揮できなかった事例が複数あったことが報告されています。越谷市も自家発電設備を設置している施設が数多くあります。施設によっての設置の目的、用途はさまざまありますので、その中で日常的に多くの市民が訪れる市役所庁舎を取り上げてお伺いします。
 市役所庁舎、本庁舎、第二庁舎、第三庁舎、それぞれに自家発電設備がありますが、これらの市役所庁舎における30%出力確認点検の状況についてお伺いします。


Q2-①.質問


 次に、2項目めとして、せんげん台駅周辺の治水対策についてお伺いします。このテーマについては、各議員から常に問題が提起されています。市としても、都度対策を講じておりますが、対策を講じてもそれを上回るさまざまな、台風ですとか、あるいは集中豪雨ですとか、そういった降雨がしばしばあって、対応が後追いとなっています。先ほどの地震同様、水害もまた日本全国を見渡せば、毎年どこかで必ず大きな被害が発生しています。その中で越谷は、被害の規模を別にすれば、いつも水に悩まされているのが現状です。一昨年の9月議会のさなかに襲来した台風18号では、せんげん台駅構内の線路が冠水し、駅前が水没してしまうなどの大きな被害が生じました。私も当日の朝6時過ぎに、せんげん台駅周辺のところを見渡しましたが、非常に大きな混乱になっていたことは多くの皆様方、ご記憶にあるかと思います。
 ところで、先ごろ、県による新方川の堤防のかさ上げが完成し、住民にとってまずは一安心となっていますが、内水対策はこの後も引き続いて実施していく必要があります。そこで、以下の点について順次お伺いします。
 まず1点目に、春日部市との協力についてお伺いします。新方川は、国道4号線戸井橋の脇で会之堀川が合流してからは越谷市内を流れていきますが、その上流側では春日部市との市境を形成しています。そもそも上流は春日部市の水田地帯を源にしています。左岸、右岸とも越谷の場所では内水対策は当然越谷市で行っていきますが、市境を形成している部分では、相互の連携協力が必要ではないかと感じています。さらに、一部に東武鉄道の西側には、春日部市千間という地区も右岸、越谷市側にありますし、せんげん台駅の利用者には春日部市民もかなりおります。その意味で、新方川の内水対策を進めるには、春日部市との協力がさまざまな点で必要であると考えますが、現状、春日部市との間ではどのような話し合いなどが行われているのかについてお伺いします。


Q2-②.質問


 2点目に、東武鉄道の橋梁かけかえ工事の現状についてお伺いします。数年前から東武鉄道の橋梁のかけかえ工事が行われています。これは新方川の河川改修工事の一環として、東武鉄道の線路を今よりも少し上げるように橋梁をかけかえるというものですが、平成26年6月議会で質問したところ、答弁は以下のようなものでした。平成24年度に埼玉県と越谷市で設置した河川・下水道事業調整協議会において、河川及び下水道の整備を一体的で効果的に実施するための事業間調整を進める取り組みとして、県が新方川の改修に伴い、東武鉄道橋のかけかえを進める。このための基本協定を平成26年2月に東武鉄道と締結し、平成26年度から6カ年の予定で工事に着手する。本市においては、効果的な当該地域の治水対策を行うため、平成25年度に調査検討を実施し、県の河川改修事業に合わせて樋管などの整備を進めていく予定というものでした。橋梁のかけかえ工事については、春日部市側の踏切の通行を停止するなどして現在進められていますが、工事の進捗がおくれているとも聞いております。橋梁かけかえ工事の現状の進捗はどのようになっているのか、市が把握している内容についてお伺いします。


Q2-③.質問


3点目に、せんげん台駅周辺の雨水管整備についてお伺いします。今ほど平成26年6月議会での答弁内容に触れましたが、繰り返しになりますが、効果的な当該地域の治水対策、ここで言う当該地域とは、せんげん台駅周辺のことですが、効果的な当該地域の治水対策を行うため、平成25年度に調査検討を実施し、県の河川改修事業に合わせて樋管などの整備を進めていく予定となっております。越谷市の管路整備事業による公共下水道雨水幹線の整備率は、現状66.5%となっていますが、100%に向けた整備を行っていく中には、せんげん台駅周辺部分が含まれていると理解しています。県の河川改修事業、鉄道部分はかなり大がかりな工事が現在行われていますが、せんげん台駅周辺の今後の雨水管整備の見通しについてお伺いします。


Q2-④.質問


4点目に、雨水のはけ口についてお伺いします。せんげん台駅東口駅前周辺部分の雨水は、東武鉄道の橋梁脇に水門があり、そこから新方川へ落とされていました。そこには常設型のポンプはなく、台風シーズンには非常用発電機を設置して、従来は対応を図ってきました。もちろん常設にせよ、非常時の仮設にせよ、能力以上に内水があればポンプアップは間に合いませんが、地域は以前から水門に常設のポンプ設備設置を要望してきました。こういった中、平成29年6月議会での清田議員の質問の答弁にあるように、東武鉄道の橋梁部分で行われている河川改修工事により、従来の水門を壊し、ことしの5月から県が大型の応急ポンプ2台を常設し、運用しています。せんげん台駅東口駅前が冠水、さらには水没する危機から免れるには、西口もそうですけれども、ひとえにこの部分の排水能力にかかっているかと思っています。いずれ河川改修工事が終われば、それに合わせてでしょうが、しかるべき対応が図られるものと考えますが、新方川へのはけ口について、今後どのようにしていくのか、現在の計画についてお伺いします。


 
 
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