越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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Q3-①.質問


 次に、3項目めとして、包括外部監査についてお伺いします。ここでは、1点、包括外部監査報告書の今後の取り扱いについてお伺いします。こちらがその包括外部監査の報告書でございますけれども、この包括外部監査は都道府県、政令指定都市、中核市に義務づけられているものですが、越谷市も昨年4月に中核市移行となったことから、新たに始められたものです。私は、この包括外部監査制度の導入は、中核市移行の一つの肝だと思っています。お金の出入り、市のお金の出入りとは税金、つまり市民のお金の出入りということになります。もちろんお金の出入りや手元のお金の保全に関しては、従来から監査委員監査で適切になされているかのチェックが行われています。その意味では、昨年12月議会で内部統制の取り組みについて市長の見解をただしましたが、内部統制の一つである公金の管理、保全についてのチェックは行われています。しかし、それは定められた内容に対して適正であるかどうかであって、定めている内容が適正であるかどうかではないというふうに考えています。
 今回初めて取り組まれた包括外部監査のテーマは、指定管理者制度に係る財務の執行についてということですが、定められた内容が本当にそれでよいのかどうかという意見がさまざまに示されています。例えば利用料金が受益者負担の原則から見て適正であるかどうかであるだとか、施設の運営、維持管理の費用の積算が適正であるかどうか。さらには、税金をより有効に使う観点から、ほかの施設にも指定管理者制度が導入できないかどうかといった指摘が示されています。つまり事業実施に当たって、ほかに改善策がないのか。それを改善することによって、より効果的な税金の使い方ができないかという投げかけがなされているのが、この包括外部監査です。
 昨今、第三者という言葉がしきりと世の中に出回っていますが、お金の使われ方については第三者の厳しいチェックも必要であろうと考えています。このお金の使われ方ということについて、民間企業では予算や事業計画がどうであるかも重要視されますが、実際の決算、収益がどうなったかがより問われます。しかし、行政では予算の案に重きが置かれ、決算には市民も含めて関心がなかなか向いていないのが実情ではないかというふうに思っています。どう使うかも重要ですが、限られた財源を有効に使うためには、どう使われたかに意識が向かないと、よりよい効果を生み出していこうという空気にはなりません。もちろん現状の現金主義に基づく公会計では、企業会計のように効率性や長期的な視点での財政運営といったことの判断が難しいのは確かで、その意味では現在進行中の公会計改革に期待をするところです。
 さて、企業会計と公会計の違いがある中で、企業会計になれた方からすると、公会計は戸惑うことが多々あるというふうにも聞いています。だからこそ、民間の第三者の目から見た予算の使われ方への指摘は重要だと考えます。改めて平成27年度については、指定管理者制度に係る財務の執行についてというテーマで、現状の分析とそこから見えてきた課題、改善に向けた指摘、そういったことが約300ページにわたって記述されています。指定管理者制度や個別の公の施設の運営についての指摘が、今後どのように改善されていくのか、非常に重要だと考えていますが、具体的な部分については別の機会に改めて見解を問うことにして、ここではこの報告書、こちらですけれども、この報告書を今後どのように取り扱っていくのかについてお伺いします。
 個別の改善策は、それぞれの所管課の中で検討し、実行していくと考えていますが、その総体として改善に向けた全体の進行管理、さらにはその結果の公表等をどのように考えているのかについてお伺いします。


Q4-①.質問


 4項目めに、子供・若者のシティズンシップ意識向上のための取り組みについて、これは市長と教育長にお伺いします。ことしの夏の参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げとなります。これに向けて、少し前から地権者教育とか政治リテラシーとかが盛んに言われています。もちろん新しく選挙権を有することになる若者に対して意識の啓発を行うことは重要です。しかし、知る限りにおいては、従来の20歳になった新成人に対する選挙に行きましょうという呼びかけの取り組みからは、余り違いが見られないような感じもしております。一般的に言って、若者の政治への関心は低い傾向にあります。なぜ低いのでしょうか。考えられる理由として、政治と自分の生活とがどういう関係にあるのか、どのように結びついているのか、そういったことが認識されていないということが挙げられるかと思います。朝起きてから夜寝るまで、あるいは寝ている間も政治と我々の生活とは密接な関係があります。さまざまな法律や条例で一つ一つの物事が規定されています。このことは、議場にいる我々はよく承知していますが、一般の市民はというと、大人でもなかなか理解されていません。もちろん子供、若者ですとなおのことです。
 シティズンシップとは、簡単に言えば、市民社会でいかに振る舞うかという考えですが、それは一見すると関係がないように思える政治と自分の生活とが、実は関係があるのだということを学び、意識し、そして行動することだというふうに思っています。子供あるいは若者が、何歳から何歳までを指すのかは一旦横に置きますが、一人一人の子供も、子供と思っているうちに成長して、すぐ大人になり、社会を担う立場になっていきます。その意味で、子供のうちにシティズンシップを身につけさせることによって、社会をしっかりと担える存在になり得るのだというふうに思っています。そういった観点から、必要と思われる取り組みについて、順次市長、教育長にお伺いします。
 1点目に、子ども憲章の活用について、教育長にお伺いします。平成10年11月に制定された越谷市子ども憲章は、全国でも指折りの早さで制定された先進的な取り組みです。その後、全国に広まっていきましたが、先進地越谷の子ども憲章には、自立、責任、健康、感謝、環境の5つのキーワードが定められています。この子ども憲章について、越谷市のホームページに次のように説明がされています。市制40周年を記念し、21世紀を担う子供たちの健全な成長を願うとともに、子供たち自身がみずから考え行動できる指針として、その目標や理念を定め、子供は自立に向け努力をし、大人は子供の自立を支える糧となるよう、平成10年11月3日に制定しましたとあります。制定に当たっては、当時中学生も参加していたと聞いておりますが、その中学生たちも今では30代となり、社会を担う存在になっているかと思います。
 子ども憲章の5つのキーワードと目標は、単に子供たちだけが守る、あるいは子供である間だけ守るというものではなく、大人になってからも守る、さらに大人も守るという立派な内容であると考えています。この子ども憲章を学んだ子供たち一人一人がこのことをしっかりと意識していれば、成長して大人になってからも、いわゆるシティズンシップの考え方が身についているであろうと考えます。つまりこの子ども憲章が、子供たちの意識に根づくように取り組みを行っていれば、昨今の主権者教育等を特別に行わなくても、越谷の子供、若者には理解されているのではないかというふうに考えます。
 そこで、現状の取り組み、特にこの子ども憲章について、私は平成21年6月議会で以前取り上げておりますけれども、それ以降も含めてどのような取り組みが行われているのか、その点についてお伺いします。


Q4-②.質問


 2点目に、総合振興計画の周知及び活用について、これは市長と教育長にお伺いします。こちらに総合振興計画の後期基本計画、私も特別委員会のメンバーになりまして、素案の段階からいろいろとその内容を見る中で、いろいろと政策の提言もさせていただいておりますけれども、先ほど若者の政治への関心が低い傾向にある理由に、政治と自分の生活の関係性、結びつきがよく理解されていないからではないかということを述べました。政治と一口に言っても、外交や経済や社会保障やそれ以外にも内容はたくさんありますが、一人一人の生活により密接な関係があるのは、やはり自治体、市町村の取り組みだろうと考えます。そして、それぞれのまちには、法的な縛りはなくなりましたが、総合計画があります。この総合計画、越谷市では総合振興計画ですが、これによって一人一人の市民がよりよい生活が送れるように取り組みが進められています。
 そこで、市長にお伺いします。自分たちの日常生活の多くの部分に関係している総合振興計画、まちづくりの根幹であるこの計画の内容を子供たち、若者たちにもしっかりと周知し、理解してもらうことが必要であろうと考えます。このことが、協働のまちづくりを進める上において、子供、若者にも自分たち市民が主役であり、また自分たちも何かをするべきということの意識づけにもつながっていくと考えますが、市長の見解をお伺いします。
 次に、教育長にお伺いします。学校教育の場において、社会の仕組みについて社会科の中で学年に応じて子供たちに教えています。選挙ということで言えば、小学校6年生、中学校3年生で教えているわけですが、高校では選挙権年齢の引き下げによって主権者教育や政治リテラシーをどう生徒に教えるか、非常に悩んでいると聞いております。実際に高校3年生ですと、クラスのうちの2割からあるいは3割ぐらいは、この夏の参議院選挙の有権者になります。そういう現実の前にどう教えればよいのかの悩みや、教えてきた蓄積がなく、手探り状態の中で準備が整わずに本番の選挙になるというのが実態のようです。高校が生徒にどう教えるかは高校それぞれに任せたいと思いますが、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを契機に、子供たち、越谷の小中学生に、まちづくりの根幹である総合振興計画を授業の中で取り入れることによって、一つ一つの物事が他人事ではなく、自分事になるという意識を子供たちに持ってもらえる効果を生むと考えます。それによって、いわゆるシティズンシップの意識を学び得ると考えますが、総合振興計画を授業の中で取り入れることについて、教育長の見解をお伺いします。


Q4-③.質問


 3点目に、越谷版「子ども会議」の実施について、これも市長、教育長にお伺いします。京都府八幡市では、以前からシティズンシップ教育について積極的に進めています。このことは、平成23年夏に八幡市を調査し、平成23年9月議会で取り上げていますが、昨年秋に改めて会派で八幡市の取り組みを調査しました。その際の行政調査報告の中で、八幡市子ども会議についても議場で報告しておりますが、昨年12月に小中高校生が子ども会議の取り組みの成果として、八幡市の市長、教育長の前で政策提言する姿をこの目で実際に見てきました。八幡市子ども会議は、昨年11年目を迎えましたが、毎年市内小中学生各学校2名ずつの24名と、高校生8名の32名が4班に分かれて市内を調査し、課題を発掘し、その課題解決のための政策を将来を見据えながら練り上げ、その成果を市長に提言しています。本来テーマは子供たち自身で見つけますが、この間の子ども会議では八幡市にある子供動物園のてこ入れのために、市長が子供たちの意見を聞きたいと言って、テーマの一つに入れてもらったそうです。このように子供たちが自分で自分のまちの課題を見つけ、その解決策を練るというのは、政治そのものだというふうに思っています。こういった取り組みを重ねることで、政治に対する興味関心が高まるのはもちろんのこと、まちに対する愛着心も育まれるかと考えます。この取り組みをぜひ越谷でも実施するべきと考えますが、市長、教育長の見解をお伺いします。

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