越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●平成28年6月定例議会


Q1-①.質問


 おはようございます。議長の許可をいただきましたので、さきに通告しております5項目十数点について、順次市長、教育長にお伺いいたします。
 まず、1項目めに、資金運用によって歳入増加を図ることについてお伺いします。この質問に当たって、大分県国東市を初め神奈川県海老名市、東京都八王子市、岐阜県各務原市で調査を行いました。それらを踏まえて順次質問をします。本来資金運用については、公金管理として保管、調達、そして運用とをあわせて考えるべきものであると考えております。さらに、それらは昨年12月議会で質問した内部統制、リスクマネジメントを意識して行うべきものであることをあらかじめ申し上げておきます。なお、各務原市では、資金調達についても調査しましたので、このテーマは改めて別の機会で取り上げたいと思います。
 さて、市長は今定例議会におきまして、本庁舎整備ということについて予定どおり行うと、自治みらい、白川議員の質問に対しまして答弁をされました。その英断に歓迎をするとともに、公共施設等整備基金を初め、その資金をどのように調達するのか、そういった手だてについて私なりに考えた上で、1点目に基金の運用についてお伺いします。
 越谷市の基金については、この越谷市の財政状況、年間2回発行されておりますけれども、こちらに基金の状況あるいは財政全般についてが示されているところでございますけれども、調査いたしました大分県国東市では基金が18あります。18ある基金を一括で運用する中で、効果的な運用結果、運用実績を上げています。基金にはもともとそれぞれ目的があり、資金の出し入れもそれぞれ条件が異なりますが、それらを加味した上で資金需要を見ると、流動性の高い状態にしておくべき金額と長期的な運用に回せる金額とが出てきます。そういった中で、国東市では基金は合計で約130億円ありますが、そのうち約30億円は流動性の高い状態、つまり銀行預金とし、約100億円は債券で運用を行っております。この債券での運用によって、毎年2%近い運用益を上げています。先ほど一括運用と申し上げましたけれども、運用益については年度末に各基金の残高に応じて運用益を分配し、各基金の残高に積み上げています。なお、平成23年度以降、基金全体の運用実績については、国東市のホームページにて公表していますので、この運用実績は誰もが見ることができるようになっています。参考までに平成27年度の実績では約131億円の基金残高で、預金利子も合わせた運用益は約2億5,000万円、運用利回りは1.922%となっています。
 国東市は人口約3万人、財政規模は一般会計、特別会計、企業会計合わせて約370億円の規模です。こういった中で、自主財源確保策として効果的な資金運用を図るべく債券運用を始めた結果、平成25年度以降、毎年2億円前後の高い運用実績を上げています。マイナス金利導入によって、今後パフォーマンスは低下すると思われますが、国東市のように金利条件のよい銘柄を保有している場合、償還されるまでの利子はよい状態のままですし、債券価格自体が上昇していますので、売却すれば売却益も出ます。ただし、売却後、新たに購入する債券については、これまでのような高いパフォーマンスは期待できないのは自明のことですが、マイナス金利導入後もしばらくは一定以上のパフォーマンスは維持されるものと思います。岐阜県各務原市でも細かい数字の紹介は省きますが、同様に債券での運用を行い、高いパフォーマンスを上げています。マイナス金利下で新たに債券を購入するには金利が低過ぎる感もありますが、他方で銀行預金の金利はさらに低下をしています。自主財源確保に向けていろいろな議員が提案していますが、この国東市の例に倣えば、それなりの成果も出せると考えます。
 そこで、越谷市における基金について、以下の点をお伺いします。まず、直近数年間の運用方法とその運用実績について、また効果的な運用として基金を一括で運用するということの考えについて、さらに債券で運用を行うということの考えについてお伺いいたします。


Q1-②.質問


 次に、2点目に歳計現金の運用についてお伺いします。国東市では、基金の効果的な運用を始めた後、歳計現金の効果的な運用を検討し、基金同様に債券での運用を始めました。この運用実績についても、基金同様市のホームページで公表されていますので、誰もが見ることができるようになっています。歳計現金は、年間を通した場合、月々の、また日々の残高の変動が激しいですが、国東市の場合、平均残高約26億円、このうち約13億円を運用しています。平成27年度の実績では、運用益は約4,500万円、運用利回りは1.831%となっています。
 歳計現金は支払いに充てるものですので、13億円も運用に回して資金繰りは大丈夫なのかと疑問に思う方もいると思います。確かに資金を運用に回すことにより、一時的に資金が不足する場面も出ます。そこで、国東市では、一時的に資金を融通する手段として、債券売り現先取引を実施しています。仕組みを詳細に説明すると長くなりますので、簡単にだけ申し上げますと、手元の債券を証券会社に対して買い戻し日を指定して一時的に売却するものです。手数料はかかりますが、条件のよい債券を市場に売却すると、同じ条件で再び手に入れることは困難ですが、この売り現先取引であれば、いわば債券を担保にして、一時的に資金を調達するというイメージですので、よい条件の債券を持ち続けることが可能となります。参考までに、平成27年度のこの債券売り現先取引による手数料支払利息は総額25万円ほどでした。この約25万円の支出を経費として見ることにより、年間を通じて債券運用が行え、結果として約4,500万円という高い運用実績が得られたということになります。先ほどの基金の運用実績と合わせると、約3億円の税外収入となります。これは、国東市の財政規模約370億円の1%近くの収入になります。
 国東市を初めとした先進自治体の取り組みは、さまざまな機会で紹介されており、昨今では自治体の資金運用というテーマでの研修も盛んに行われております。ちなみに、地方公共団体金融機構では、先進的な取り組みを進めている自治体を表彰する制度として、地方公共団体ファイナンス賞という賞を平成26年度から設けています。国東市は、栄えある第1回で表彰されていて、資金運用についての視察の申し込みが全国から来ているというふうに伺いました。単純な比較はできませんが、仮に国東市同様に数年前から債券での運用を行っていれば、越谷市においても基金、また歳計現金ともにかなりの結果を出せたはずです。
 そこで、越谷市における歳計現金について、以下の点をお伺いします。まず、歳計現金の残高の推移と残高の最大額、最少額について、直近数年間の運用方法と運用実績について、さらに債券で運用する考え方についてお伺いします。

Q2-①.質問


 次に、2項目めとして、新方川の河川改修についてお伺いします。この項目については、既に他の議員からも質問がありましたが、確認も含めて改めてお伺いします。
 さて、新方川の河川改修は、昨年秋に県が着手しかけましたが、地域住民からの要望や、さらに台風18号による越水被害などの影響により、改めて検討することとなりました。その検討の結果、今年度10億円の予算を投じて大々的に改修工事を行うことになり、既に県から委託を受けた事業者から地質調査を実施する旨、地域住民へ案内が来ているほか、工事案内の看板も設置され始めました。この後梅雨が始まり、梅雨が明けると台風も襲来するようになります。治水力向上は、地域住民誰もが望んでいることですので、一日も早い工事の完成が待たれます。
 そこで、この新方川の河川改修工事について3点お伺いします。1点目に、改修工事の概要についてお伺いします。改修工事については県事業ですが、市としては以下の点についてどのように把握をされているのか。既に一部他の議員への答弁で示されていることや、細かい部分を含めてお伺いします。
 まず、改修工事の区間がどこからどこまでであるのか。それを何工区に分けて行うのかについて。
 次に、工期スケジュールについて、地質調査を始めるという案内はされていますが、事業者の決定や着工の時期、さらに完了の時期について。
 また、今回の改修工事の施工内容について、堤防をかさ上げするわけですが、どの程度の高さをかさ上げするのか。基本的には、土を盛るということだと思いますが、コンクリート等で固めるのかどうかも含めてお伺いします。
 さらに、地域への説明ということについて、改修工事の実施主体は県ですので、先日の地質調査実施の案内も含め、今後も随時県から情報が発信されてくると思いますが、工事の状況いかんによっては単に文書で案内するだけでなく、しっかりとした説明会なり意見交換会なりが必要な場面も出てくるかと思います。そういった地域への説明がどこまで行われるのか、またその際に市はかかわるのか、かかわらないのかということについて、以上それらについてお伺いします。


Q2-②.質問


 2点目に、市から県への要望事項についてお伺いします。新方川の河川改修は、昨年秋の台風18号で甚大な被害を受けたことから、市として治水対策の要望を出されています。それもあって、県として事業を行うわけですが、県の考える形で進めようとすると、市の今後の取り組みに影響が出たり、あるいは地域住民の意思とは必ずしも一致しない形で進められるということもあり得ます。そういったことがないように、市として具体的な要望を県に対して行っているかと思いますが、その点についてお伺いします。


Q2-③.質問


 3点目に、緑道整備についてお伺いします。新方川沿いには、緑道あるいは遊歩道が整備済みの区間もかなりあります。そこで、整備が既に終わっている区間と未整備の区間に分けてお伺いしますが、整備済みの区間については今回の県の事業によって今後どのようになるのかについてお伺いします。
 また、未整備区間についてですが、今回県が堤防をかさ上げすることによって、従来は整備するのに適さない状況であった区間も整備が可能になる場合もあるでしょうし、県が進める形では緑道の整備が今後も難しい区間も出てくるかもしれません。整備済みの区間、未整備の区間、さまざまありますが、今後緑道がどのようになるのか、またどのようにしていくのかについてお伺いいたします。


 
 
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