越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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市長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えいたします。
 まず、公共施設の今後のあり方における新規建設のルール化づくりについてのお尋ねでございますが。私が所信表明事項で示した8つの基本政策に関しましては、事業の進捗状況を毎年公表しており、その中の一つとして新規公共施設建設などに対するルール化を挙げております。ご案内のとおり、公共施設の老朽化に伴い、今後、施設の維持管理及び更新に膨大な経費が必要となり、その対策が全国的な課題となっていることから、本市では平成27年3月に公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設を管理していく上での基本的な方針をお示ししました。新規公共施設などに対するルール化については、この基本方針に示した内容を踏まえながら、今後さらに検討を進めていきたいと考えております。
 具体的には、基本方針の目標の一つに財政負担を平準化することを目的として、建物をおおむね80年間使い続けることを掲げておりますが、そのためには建物を良好な状態で維持することが必要となります。例えば、建物の設計、保守、運用、解体に至るまで全ての経費をライフサイクルコストといいますが、建築物のライフサイクルコストは初期建設費用の4倍から5倍かかると言われています。設計の段階で保守管理経費が節減されるような耐久性、省エネルギー性能がすぐれた部材を選択することで、ライフサイクルコストの抑制が図れることから、そうした資材を優先的に使用することが維持管理費用の低減につながります。
 また、建物のレイアウト変更が容易に行える構造にすることで、用途の変更に柔軟に対応することができ、既存施設を有効に活用することが可能となります。このことは、将来、行政ニーズが変化した場合などや、建物の統合や複合化を検討する際に有効となります。さらに、適正規模の検討も考えられます。建物の総量を削減することは喫緊の課題となっており、施設の機能と用途に応じた面積におさめる必要があることから、将来的な需要動向を見据えた基準の設定が必要と考えます。公共施設を新規に建設する際のルール化については、このような点を踏まえて財政負担の提言が図れる仕組みを検討してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、本庁舎整備についてのお尋ねに関しましては。関連がございますので一括してお答えいたします。市役所本庁舎につきましては、昭和40年3月に建築し、既に46年が経過した建物で、平成13年度に行った耐震診断では、全ての階で耐震補強が必要とされ、耐震化が喫緊の課題となっています。このため、平成25年4月に越谷市本庁舎整備審議会を設置し、本庁舎の整備について諮問し、同審議会から平成26年9月26日に越谷市役所本庁舎の整備について答申がありました。市では、この答申を踏まえて、同年9月に越谷市本庁舎整備基本構想を策定いたしました。その後、この基本構想を受け、本庁舎の具体的な整備、設置位置、各部署の配置、整備スケジュール及び概算事業費等を盛り込んだ越谷市本庁舎建設基本計画を策定するため、庁内の検討組織として越谷市本庁舎建設基本計画策定検討委員会を設置し、平成26年11月に第1回目の会議を開催して、現在までに5回の会議を行い、検討を進めているところでございます。
 まず、本庁舎の使用年数の考え方についてですが。一般的な鉄筋コンクリートの法定耐用年数は60年程度とされておりますが、越谷市公共施設等総合管理計画に基づき適切な維持管理を行い、長寿命化に向けた対策を講じてまいります。
 次に、事業方式についてですが。基本構想では、民間資金を取り入れたPFI方式も含め、各事業手法を比較、評価した結果、設計の過程で市民の意見を反映させやすいこと、また手続に必要な時間を考慮し、市がみずから資金調達し、施行する一般方式により建設を行うこととしました。
 次に、規模についてですが。基本構想では、本庁舎に必要な延べ床面積を1万5,000平方メートルから2万1,000平方メートルと設定しましたので、検討委員会において庁舎への導入機能や各部門の配置などを決定した上で、必要な延べ床面積を算定してまいります。
 次に、予算総額と今後の建設スケジュールについてですが。基本構想では、平成27年度中に基本計画の策定、同じく平成27年度から28年度にかけて基本設計及び実施設計を行い、平成29年度から新たな本庁舎の建設等に着手し、平成32年度の工事完了を目標としておりますが、資材や人件費の高騰など社会情勢の変化なども懸念されていますことから、平成28年度から基本設計を行い、建設時期及び費用について検討したいと考えています。いずれにいたしましても、この検討委員会において平成27年度中に基本計画を策定する予定となっていることから、今後は、この内容を踏まえ、平成28年度から予定しております基本設計に生かしてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、内部統制による組織マネジメントに関しまして、内部統制についての認識と、その取り組みについてのお尋ねでございますが。本市では法令や業務マニュアル等既に多くのルールに基づき業務を執行しており、法令遵守や行政情報の適正な保存及び管理に関する取り組みにつきましても、各種研修等を通じ職員の意識啓発に努めております。また、自治体には、その事務に係る書類等の検査権を有する議会を初め、内部牽制機関としての監査委員、さらに中核市となった本市においては外部専門家との契約による包括外部監査人が置かれ、これらによって執行機関の内外から全ての事務事業の点検が行われております。
 しかしながら、昨今の自治体における不適切な会計処理や公共施設の使用許可をめぐるトラブル、大手民間企業のデータ改ざんや偽装などの事例を見ますと、こうしたトラブルの未然防止策を一層充実させていく必要があると認識しております。その対策例として、朝霞市のように業務上のリスク事例に関する情報の共有化や内部モニタリングの実施などリスクに着目して組織マネジメントを抜本的に改革するいわゆる内部統制の仕組みを整備、運用している自治体があることは承知しております。本市におきましても、適正な行財政運営をより一層進め、市民に信頼される市政であるために、既存の制度のほかに、さらにどのような仕組みが必要なのか、他の自治体の取り組みなども調査研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、受動喫煙防止と健康寿命の延伸についてのお尋ねでございますが。喫煙・受動喫煙による健康への影響についての啓発活動についてにつきましては、喫煙による健康への影響といたしましては、がん、循環器疾患、呼吸器疾患、糖尿病、周産期の異常等の原因となることが挙げられます。さらに、受動喫煙の影響による虚血性心疾患、肺がんに加え、乳幼児のぜんそくや呼吸器感染症、乳幼児突然死症候群等の健康被害が生じることについて、多数の科学的知見により因果関係が確立されております。越谷市では、「第2次越谷市健康づくり行動計画」、「食育推進計画」、「いきいき越谷21」を作成し、その中で「たばこの健康への影響知ろう」、「周りの人を思いやり分煙に努めよう」を基本目標に、喫煙による健康への影響に関する知識の普及、分煙による環境保全の推進等を行動目標に掲げて、市民や小中学生を対象とした講演会等の実施、路上喫煙防止などの環境美化事業を実施しております。
 また、ホームページで喫煙による健康への影響を周知し、禁煙を促すとともに、禁煙外来を実施している医療機関について情報提供を行っております。さらに、禁煙したいという市民を対象に健康教育を実施し、禁煙支援を行っております。
 次に、医療費中に占める喫煙に起因する額についてのお尋ねでございますが。喫煙がもたらす疾病としては、肺がんを初め脳血管障害やCOPDなど多くの疾病が指摘されております。議員ご指摘のとおり、医療経済研究機構の調査研究報告書では、我が国の喫煙による超過医療費が、胎児に対する影響にかかわる医療費や歯周疾患に関する歯科医療費など直接喫煙に関するものと受動喫煙にかかわるものに分けて考察が加えられており、合計では年間約1兆7,681億円となるとされております。そして、喫煙関連疾患に係る医療費の伸びを抑制するためには、早期に若年層を含め喫煙率を下げる対策をとることが有効であることは確実であるとしています。越谷市における医療費中の額を検証することは非常に難しいと思われますが、年々医療費が増加していく中、禁煙や受動喫煙防止を進めることが、医療費削減につながるものと認識しております。
 次に、受動喫煙禁止の取り組みについてのお尋ねでございますが。健康増進法第25条では、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、その他多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について受動喫煙を禁止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされており、禁煙区域の指定など分煙化が進められております。また、受動喫煙防止対策に係る国からの通知は、昨年までは県を介して市に通知されておりましたが、今年度からは直接市に通知されることになります。個々の対策については、これまでも通知に基づき進められており、中核市移行後においても同様の取り組みを進めてまいります。今後も喫煙の健康への影響に関する知識の普及啓発や禁煙支援等の保健事業とあわせて、施設管理者への受動喫煙防止の周知に努めてまいりたいと存じます。
 次に、受動喫煙対策としての認証制度についてのお尋ねでございますが。埼玉県では、全面禁煙、空間分煙実施施設の認証制度を実施しております。越谷市内の登録施設は92施設ございますが、公共施設のほか医療機関や飲食店が登録されています。この制度は、受動喫煙対策に効果があると考えられることから、今後、市民や事業者への情報提供に努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、これらの取り組みを通じ、喫煙の健康への影響を周知するとともに、受動喫煙の防止を図り、健康寿命の延伸を図ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上でございます。


教育長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えいたします。
 子供の受動喫煙についてのお尋ねでございますが。まず、学校健康教育の現状につきましては、児童生徒が生涯を通じて健康で活力ある生活を送るためには、学校における発達段階に合わせた健康教育が重要であると考えております。その根幹となる保健学習の事業は、小学校3年生から始まり、小学校では身近な生活における健康、安全に関する基礎的な内容を実践的に理解するをねらいとして、中学校では主として個人生活における健康、安全に関する内容を科学的に理解できるようにするをねらいとして、発達段階に応じた内容で学習しております。また、市内全小中学校において、児童生徒、学校職員、保護者、地域関係者等で組織されている学校保健委員会においても、児童生徒の健康問題を研究、協議し、健康づくりを進めております。開催回数は、年に2回から3回開催されており、食事、睡眠、運動の生活習慣についてや心の健康について、歯と口の健康についてなどをテーマに取り上げて、健康教育の推進を図っております。学校における喫煙防止教育については、学習指導要領に基づきまして小学校6年生では病気の予防において、中学校3年生では健康な生活と疾病の予防において喫煙による健康被害や受動喫煙が及ぼす影響について学習しております。
 さらには、全校で実施されている薬物乱用防止教室においても、薬物使用への入り口とも成り得る喫煙について、専門的な知識を有する警察職員や学校薬剤師に指導していただいております。また、さきに述べました学校保健委員会でも喫煙をテーマに取り上げ、学校、家庭、地域と連携を図りながら、健康教育を進めている学校もございます。今後も教育委員会といたしましては、さらなる健康教育の充実に向けて学校を支援してまいります。
 次に、市内小中学生の受動喫煙の実態調査実施につきましては。県内で唯一取り組んでいる熊谷市では、小学校4年生の希望者を対象に無償で尿検査を行った上で、受動喫煙による健康への影響が懸念される児童には病院受診を促すとともに、保護者への禁煙行動を啓発することを目的としていると伺っております。本市におきましては、受動喫煙の健康被害については学校保健会主催による講演会の開催や学校だよりや保健だより等で周知するなど積極的に啓発活動を行っているところでございます。いずれにいたしましても教育委員会といたしましては、今後も学校保健安全法にのっとった健康診断を確実に実施し、疾病や異常が見つかった児童生徒に対しては速やかに病院受診を促していくとともに、健康教育の一層の充実を図っていくことで児童生徒の健康管理に努めてまいりたいと考えております。なお、受動喫煙検査については、近隣市町の状況を注視してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。


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