越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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市長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えいたします。
 まず、越谷市公共施設等総合管理計画における今後の建物の建てかえ、大規模改修に係る試算コストについてのお尋ねでございますが。本市の建築物について、建築の耐用年数を60年と想定し、一定の条件に応じて大規模修繕や建てかえを実施するものと想定した場合、今後40年間の更新費用は約2,472億円、年平均では約62億円となり、過去5年間の投資的経費の1.3倍の費用が必要との試算となっております。この40年間を10年ごとに見ると、平成26年から平成35年までが約760億円、平成36年から平成45年までが約473億円、平成46年から平成55年までが約861億円、平成56年から平成65年までが約378億円となっております。平成26年から平成35年、平成45年から平成55年の10年間の経費が大きくなっておりますが、これはこの期間に建物の大規模改修と更新のピークが重なることが主な要因です。また、建物の用途ごとに今後40年間の更新経費を見ると、小学校や中学校など学校教育施設が約1,455億円、市立病院や保健センターなど保健医療施設が約182億円、市役所など庁舎関係施設が約164億円、中央市民会館やコミュニティセンターなど市民文化施設が約163億円などとなっており、他の用途と比較して、学校教育施設の割合が高くなっています。
 次に、設定した目標と財政見通しについてのお尋ねでございますが。将来の建てかえや大規模改修に係るコストについて、過去5年間に建物の維持や管理に要した費用の平均額を将来にわたり負担できるものとして仮定すると、今後40年間にかけられる費用は、総額で約1,940億円となりますが、先ほどお示ししたとおり、更新に必要な費用は約2,472億円必要となることから、約530億円の不足が生じることとなっております。今後少子高齢化の進展や生産年齢人口の減少などを踏まえると、市税の大幅な増加は期待できず、現状の維持管理費用を将来にわたって確保できるかどうかは不透明な状況です。このようなことから、公共施設等総合管理計画では、建物の総量を22%以上減らすことや、建物を長寿命化して80年使用し、更新費用の平準化を図ることとした2つの目標を掲げております。これらの目標の達成に向け、計画を推進する体制を初め、国などの支援策やPPPなどの公民連携による民間資金等の活用及びノウハウを取り入れた施設運営を検討してまいります。また、施設の複合化や統廃合の検討、更新時のダウンサイジングなど、公共施設の総合的な管理に取り組んでまいります。
 次に、計画に基づく今後の施設調査と修繕についてのお尋ねでございますが。施設の更新、リノベーション、複合化や統廃合などの方向性については、建物の利用実態等を踏まえて判断していく必要があります。また、老朽化や劣化の状況なども施設により異なることから、それぞれの施設の状況を個別に把握する必要があります。そのために施設情報を一元管理する体制を整え、施設ごとの個別計画を作成したいと考えております。
 次に、市民への広報広聴についてのお尋ねでございますが。9月に発行する広報紙の季刊版で、施設の老朽化の現状、更新経費の予測など、公共施設等総合管理計画で取り組む内容についてお知らせする予定でございます。また、基本方針に示した対策に対する意識を把握し、次のアクションプランに生かすため、無作為抽出による市民3,000人を対象にアンケート調査を実施したいと考えております。いずれにいたしましても、持続可能で安全、安心な公共施設等を通じた行政サービスが提供できるよう、公共施設の老朽化対策に取り組んでまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、2020年を意識した観光行政の取り組みについてのお尋ねでございますが。まず、東武鉄道及び沿線自治体との連携の現状については、これまで市内各駅構内へのイベントポスターの掲示、パンフレットの配置等を実施してまいりましたが、近年は連携の強化による新たな取り組みも実施しております。昨年度は、東武健康ハイキングの本市での開催がございました。越谷レイクタウンにある大相模調節池、田んぼアート、日本庭園花田苑、日本文化伝承の館こしがや能楽堂、久伊豆神社をめぐり、最後は葛西用水ウッドデッキで阿波踊りを見学するコースとなっており、約3,000人の参加がございました。また、先月開催された第31回南越谷阿波踊りでは、開催月である8月の1カ月間、東武スカイツリーライン新越谷駅の発車チャイムに阿波踊りのメロディーを導入しているほか、昨年度から実施しております阿波踊りをデザインしたヘッドマークの電車の運行を日比谷線直通列車で実施しております。さらに、本年7月21日に、本市は越谷市観光協会、越谷市南越谷商店会、蒲生地区自治会連合会及び南越谷地区自治会連合会との連名で東武鉄道に提案書を提出しております。提案書では、東武鉄道と本市がより一層緊密なパートナーシップを構築し、観光を中心としたにぎわいの創出に取り組むとともに都市間連携をさらに強化し、地域経済の活性化や交流人口の増大につながる取り組みについて提案しております。また、沿線自治体間の強力については、これまで沿線の本市、草加市、春日部市等で構成する埼玉県東部都市商工行政連絡協議会において、観光事業を含む産業施策等についての情報交換、研修会の開催等を行っております。
 本市は、東武スカイツリーラインを利用することで、浅草や東京スカイツリーなどの都内の観光地並びに日光や鬼怒川などの栃木県内の観光地と相互のアクセスが容易な地域でございます。また、沿線には日光街道の宿場町という歴史的背景をテーマに観光分野で連携可能な都市もあり、これまで日光街道宿場町サミットの開催や首長サミットの中での共同宣言なども行ってまいりました。本市の観光スポットに、これらの沿線地域の住民や観光客を集客し、また本市の住民や観光客を沿線地域の観光スポットに集客することで、都市のにぎわいを点から線へ、線から面へと高次元に創出し、沿線全体の活性化に結びつけるなど、引き続き連携強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合への参加についてのお尋ねでございますが。本首長連合は、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機として、各地域がその特色を生かしたさまざまな取り組みを行うことにより、地域の活性化と魅力の発信につながることを趣旨としております。また、本年6月10日に設立総会が開催され、これまで基礎自治体346団体が参加を表明しております。活動内容につきましては、世界に向けた地域の魅力を発信するための企画に関すること。ローカル版クールジャパンに関すること、観光振興に関すること、広域財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会等へのセールスに関すること及び人材育成に関することとしております。本市は、現在参加を表明しておりませんが、門戸は開かれている状況でございます。したがいまして、2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合への参加については、そのメリット、デメリットあるいは参加責任や役割等について情報収集に努め、あわせて本市の取り組み内容や実施体制を具体的に検討していく中で判断してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、外国人観光客呼び込みに当たっての課題についてのお尋ねでございますが。2014年の訪日外国人旅行者が1,341万人となり、2011年から連続して増加しております。国は外国人観光客の誘客に取り組んでおり、観光庁が訪日外国人旅行者を対象に実施した調査によると、旅行中に困ったことの第1位は、無料公共無線LAN環境の提供、第2位はコミュニケーション、第3位は目的地までの公共交通路情報の入手となっており、以下飲食店情報の入手や他言語版観光パンフレットが少ないなどの意見がございます。これらの訪日外国人旅行者の困ったことの解決には、観光のICT化の推進と観光にかかわる人材の育成が必要だと考えております。ICT化については、無料公共無線LAN環境の提供やスマートフォンアプリの提供並びにタブレット型端末等の活用がございます。このことで、多言語による情報のリアルタイムの入手や活用が容易になり、訪日外国人観光客の利便性の向上が期待できます。また、人材の育成については、言語あるいはサインなどの非言語によるコミュニケーションスキルの規則がございます。このことで、おもてなしの心を基本としたホスピタリティーの質が高まり、観光客の満足度の向上が期待できます。いずれにいたしましても、インバウンド観光による外国人観光客の受け入れ体制については、訪日外国人のニーズを踏まえ、調査研究してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上でございます。


教育長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 越谷市教育振興基本計画についてのお尋ねでございますが。まず、第1期計画の取り組みへの評価につきましては、「生涯学習社会の実現をめざして」という基本理念に基づき、学校教育については生きる力を育む学校教育を進める。生涯学習については、生涯にわたる学びを充実し、地域の文化を創造する。生涯スポーツについては、生涯にわたり、スポーツ・レクリエーションに親しめる環境をつくるという3つの基本目標を掲げ、教育の振興に取り組む中で着実に成果を上げてまいりました。
 具体的には、学校教育においてはICTを積極的に活用した事業を実践することで、子供たちの情報活用能力やみずから考えて発表する能力を育むとともに、小中学校施設の耐震化工事を前倒しして実施するなど、安全、安心な教育環境の整備充実に努めてまいりました。生涯学習においては、複数の審議会等を生涯学習審議会に統合することで、総合的な生涯学習推進体制を構築するとともに、図書館と学校等が連携することにより、子供たちの読書活動の推進に努めました。生涯スポーツにおいては、勤労者や障がい者など、ふだんスポーツ等に親しむ機会の少ない方を対象とした各種教室を積極的に実施するなど、多様な活動機会の充実と市民のライフスタイルに合わせた健康、体力づくりの推進に努めました。また、第1期計画の策定に当たりましては、既存の個別分野計画であった越谷市生涯学習推進計画及び越谷市生涯スポーツ振興計画を融合することで、学校教育、生涯学習、生涯スポーツという本市教育の全ての要素を含んだ教育分野における総合計画といたしました。「生涯学習社会の実現をめざして」という1つの基本理念のもと、教育分野全体の将来像や方向性を明確にし、取り組むことにより、それぞれの分野が互いに連携を図りながら、総合的かつ効果的に教育行政を推進することができたと考えております。
 次に、第1期計画の取り組みでの課題についてですが。それぞれの主なものを挙げますと、学校教育においては、将来に希望を持ち、心豊かな子供たちを育むために、教職員の指導力の向上や学校、家庭、地域が一体となった教育環境づくりが課題となっております。生涯学習では、若い世代の各種学級講座への参加が少ないことから、全ての世代が参加しやすいような多様な学習機会の充実に取り組むことが課題となっております。生涯スポーツでは、市民が主体となってスポーツにかかわれる環境を整備するため、スポーツボランティアの拡充やスポーツ指導者の人材育成など、スポーツ・レクリエーション活動を支援する体制の充実が課題となっております。
 次に、第2期計画における基本的な考えについてですが。平成23年3月に策定した第1期計画は、10年先を見据えて、その前期5年間に取り組む施策について体系化したものであり、これに続く後期5年間である平成28年度から平成32年度までを計画期間とする第2期計画を現在策定しております。第2期計画の策定に当たりましては、第1期計画の進捗管理において見出した課題や、第1期計画の検証、さらには近年の教育を取り巻く環境の変化などを踏まえながら、今後越谷市が取り組むべき教育施策について、学校教育、生涯学習及び生涯スポーツにおける3つの基本目標を柱として明示してまいります。
 また、計画の策定に当たりましては、パブリックコメントのほか、教育委員会が所管する各種審議会等からもご意見をいただくなど、市民の声を十分に反映した計画づくりを行ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、第2期教育振興基本計画は引き続き生涯学習社会を目指してを基本理念とし、先ほど申し上げましたこれまでの取り組みや課題、教育を取り巻く環境の変化などを十分に踏まえながら策定してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


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