越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●平成27年9月定例議会


Q1-①.質問


 議長の許可をいただきましたので、さきに通告してあります3項目10点について順次お伺いいたします。
 1項目めに、越谷市公共施設等総合管理計画についてお伺いします。越谷市公共施設等総合管理計画がことし3月に策定されました。ただいま基本方針を手元に持っておりますけれども、基本方針、また白書編、ポイント要約版、そして漫画版といったものが策定をされております。そして、これらにはサブタイトルとして、「持続可能で安全・安心な公共施設等の管理をめざして」というふうにあります。この計画については、既に6月議会において、教育委員会に対して学校教育施設に特化した形で見解等を伺っておりますけれども、その学校教育施設も含めて越谷市の公共施設全般について改めて取り上げたいと思います。公共施設の維持管理、更新については、これまでにもたびたび取り上げてきています。最初は、平成22年9月議会で、調布市における公共建築物維持保全計画をもとにした質問をしています。これを皮切りに、既に何度も指摘してきておりますように、人口減少、都市縮小の時代にあっては、財政的見地を含めて、将来を見据えた公共施設政策、また公共インフラ政策を進める必要があります。今ある公共施設を同じ場所に、同じ機能で、同じ大きさで建てかえ続けることは、どの自治体にあっても非現実的であり、不可能なことだという認識は広まりつつあります。この計画を見ますと、意義や目的、課題などについては、たびたび議会で私自身が指摘をしてきたことと一致する部分が多くあります。6月議会でも申し上げましたが、この越谷市公共施設等総合管理計画策定により、正確な事実関係の共有とともに、また危機意識の共有も図れるかと思います。公共施設のあり方を考える出発点、原点をそろえることにより、今後の実りある議論ができるものと期待しております。
 それでは、順次確認も含めてお伺いをいたします。まず1点目に、コストの試算についてお伺いします。試算では、現在市が保有する232施設、延べ床面積約55万8,000平米を今後の40年で維持管理、更新するコストとして、約2,473億円かかる見通しが示されています。これまでは、施設の更新に一体幾らかかるのかが不明でしたが、ようやくそれが明らかになりました。さて、基本方針における試算された表を見ますと、公共施設が整備された時期が異なるので、10年というくくりで見るとばらつきがあります。そこで、まず10年ごとに区切った形で、それぞれ試算されている数字を確認いたします。最初の10年、次の10年、その次の10年、最後の10年と10年ごとの金額をお示しいただきたいと思います。
 また、この計画では、市が保有する232施設、延べ床面積約55万8,000平米を用途別で分類しています。用途別に見ると、学校教育施設が突出して大きなボリュームを持っていることがわかりますが、40年の期間の中で、用途別にどの施設に幾らかかる試算となっているのかについて、その主なものの金額をお示しいただきたいと思います。


Q1-②.質問


 2点目に、設定した目標と財政見通しについてお伺いします。この公共施設等総合管理計画では、越谷市内の各公共施設について、建設年や構造等を施設ごとに示しています。施設の老朽化に伴う更新については、築年数の古いもの、高いものから順次取り組まなければなりませんが、総額では約2,472億円、今後の40年間ではかかるとしています。年度ごとのばらつきが可能な限り出ないように、予防保全の考えも取り入れる中で、年度ごとの平準化を図る考えのようですが、単純な計算でも年度ごとでは約60億円かかります。しかしながら、この計画では、直近5年間の投資的経費の平均は約48億5,000万円であることから、40年間では約1,940億円かけられるとしても、約2,472億円とは乖離があることから、今後をシミュレートした結果の目標として、建物の総量の縮減、保有する建築物の22%以上を減らす、建物の長寿命化、建築物を80年使用するとしています。今後は、この目標をクリアするように、各施設のあり方の議論が行われるものと思いますが、目標をどのように達成していく考えであるかについて、お伺いします。
 また、別の視点では、目標は投資的経費の平均額から見て財政的にどうしなければならないかという考え方に立った上での設定ですので、財政事情をどうにかすれば目標は変更され得るということでもあろうかと思います。その観点から、全体として、維持管理、更新に係る費用を財政的にどのようにしていく考えであるかについてもお伺いいたします。


Q1-③.質問


 3点目に、計画に基づく今後の施設調査と修繕についてお伺いします。公共施設等総合管理計画は、これまで数年間にわたって各公共施設の現状把握から始まり、経年劣化からの更新費用の算定、さらには40年とう長いスパンの目標設定もなされています。公共施設の維持管理、更新は、この公共施設等総合管理計画を策定して終わりということではありません。この計画策定を契機により、具体的な計画を立てていく必要があります。より具体的とは、個別の施設をどのように更新していけば目標が達成できるかということです。例えば、80年使用することを目標にするとして、個別に長寿命化という視点での大規模修繕工事を行うか行わないかは、鉄骨などの躯体やコンクリートの劣化ぐあいによって異なってきます。長寿命化工事を行い得るか否かの判断をするための調査などを今後施設ごとに実施していくわけですが、どのようなスケジュールのもと行っていく考えであるのかについてお伺いします。


Q1-④.質問


 最後4点目に、市民への広報広聴についてお伺いします。各施設は、言うまでもなく市民へのさまざまなサービスを提供する建物として、連日特定の、あるいは不特定の市民が年齢、性別を問わずに訪れています。利用する、滞在する時間はまちまちですが、公共施設の更新は、単に行政が計画を立てて粛々と進められるというものではありません。実際に利用する市民の理解や協力があって初めて進められるというふうに考えております。計画は40年という長い時間で捉えています。文字どおりさまざまな視点からの持続可能性を考えなければなりません。今年度、既に市民意向調査業務委託料150万円の予算も計上されています。これは、越谷市が保有する公共施設の更新や維持管理等、今後のあり方について基本的な方向性を示した公共施設等総合管理計画について、さらに公共施設の管理のあり方を市民とともに考えるため、市民の意識調査を実施するわけでございますけれども、この事業の内容を含めて、市民への広報、また市民からの広聴ということについてどのように取り組んでいく考えであるかについてお伺いします。


Q2-①.質問


 次に、2項目めとして、2020年を意識した観光行政の取り組みについてお伺いします。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、現在国を挙げての取り組みが進められています。また、地方創生政策とも相まって、地方の魅力の発掘とその発信も積極的に行われています。その一つとして、経済産業省では、クールジャパンによる地域活性化の推進のため、世界にまだ知られていない、日本が誇るべきすぐれた地方産品を選定し、海外に広く伝えていく「ザ・ワンダー・ファイブハンドレッド」、「ふるさと名物発掘・連携促進事業」をスタートさせました。日本各地には、海外の方に購入、体験してもらえる可能性を持つふるさと名物、ものづくりや食、観光等の地域資源、また地方産品などが数多くあります。しかしながら、海外における情報発信や販路開拓などを成功させるには、さまざまなハードルがあります。ザ・ワンダー・ファイブハンドレッドでは、海外での販路開拓やPRの知見を持つプロの目きき、プロデューサーの方々による地方産品の発掘、選定を行い、将来的な海外展開に向けた情報発信等を支援することで、地域や中小企業者等の活性化を図るとしています。このザ・ワンダー・ファイブハンドレッドに、今回越谷から「籠染灯籠」が選定されました。中野形染工業のかご染めのかごを内側から灯をともすというものですが、かごを内側からろうそくでともすものは、2009年以降、市内各所でのイベントで既におなじみのものとなっています。これをより洗練されたデザインとしたものが今回の「籠染灯籠」です。先週、畔上議員が宿場町について議会で取り上げていますが、旧宿場町の店先にこの籠染灯籠を展示している商店も見受けられます。旧宿場町の話をしますと、畔上議員が既にその魅力を十分に述べられていますが、そのほかにも徳川家康はもとより、私が以前議会で取り上げた伊能忠敬を初め、歴史上の人物を挙げるのに事欠きませんし、旧宿場町だけでなく、市内にはさまざまな歴史的に重要な施設もあります。また、景観、そして先ほどから紹介しております籠染と、それから派生したこの籠染灯籠といったさまざまな地域資源があります。それらのものをしっかりと発信してくことが、ひいては越谷のまちそのもののイメージアップに寄与すると考えており、今後ますます重要になると考えております。そういった観点から、以下順次お伺いします。
 1点目に、東武鉄道及び沿線自治体との連携の現状についてお伺いします。以前、平成24年9月議会において、東武スカイツリーライン開業に伴う沿線活性化に向けた取り組みについて、観光や産業振興といった観点で取り上げています。東武鉄道との連携や他の自治体との連携についての現状をそこではただしていますが、その答弁では、埼玉県東部都市商工行政連絡会議の取り組みについてがありました。その議会でのやりとりの前後に、畔上議員からもあった日光街道宿場町サミット、また日光歴史街道活性化首長サミットと日光歴史街道活性化共同宣言があります。歴史の観点からいえば、ことしは江戸幕府を開いた徳川家康が世を去って400年となります。そういったことから、徳川家康とゆかりのある場所が各地でさまざまな催しを開いています。東武日光線の終点には日光東照宮がありますが、ここでも400年式年大祭の年としてアピールをしており、東武鉄道としてもその観光客誘致の取り組みを進めています。越谷市も徳川家康とは決して浅くないゆかりもありますが、かといって単独でアピールするほど強くはありません。また、他の魅力も同様で、単独で集客を図るには、一部を除いて苦しいのが実情です。その意味からも、以前から申し上げているとおり、さまざまな連携が必要であると考えます。
 そこで、東武鉄道との連携、また埼玉県東部都市商工行政連絡会議の構成自治体や、日光歴史街道活性化首長サミットによる日光歴史街道活性化共同宣言に参加した自治体など、他の自治体との連携について、現状ではどのような取り組みが進められているかについてお伺いします。


Q2-②.質問


 2点目に、「2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合」への参加についてお伺いします。少し長いので、この後は「地域活性化推進首長連合」と呼ばせていただきますが、この地域活性化推進首長連合は、新潟県三条市により本年3月に提案され、6月10日の全国市長会の会議に合わせて設立総会が開かれました。趣旨は幾つかありますが、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催をチャンスと捉える。地域の活性化に向けた具体的な取り組みを戦略的かつ効果的に実践する。各自治体の宝を磨くために知恵と力を結集し、活性化につなげる。東京オリンピック・パラリンピックの機運を高め、強力に支援するといったものがその主なものとなります。3月の呼びかけ時点での参加表明自治体は91団体でしたが、8月14日時点で346自治体が参加表明をしています。
 このように、この参加表明をする自治体はふえてきておりますけれども、現在報じられておりますには組織内において4つの部会を設けるとされています。その4つとは、1つには、地域のものづくり技術などを紹介する「ローカル版クールジャパン」、2つ目には「観光振興」、3つ目には地場産品を選手村や式典などで使ってもらえるようオリンピック・パラリンピック組織委員会などに働きかける「組織委セールス」、4つ目にはボランティア育成支援などを手がける「人材育成」の各部会、これらを設けて5年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けて具体策を練るとしています。この4部会から見えるように、単に外国人観光客に対して観光という面からだけ連携しようということではなく、ローカル版クールジャパン、例えば籠染灯籠をどう売り込んでいくのかの方向性であるだとか、人材育成、6月議会でのグローバルな視点を持つ人材育成をどうするのかといった方向性への何がしかの答えがそこでは得られるのではないのかというふうに考えています。その意味からも、この地域活性化推進首長連合、正式には2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合への参加は非常に有益であると考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。


Q2-③.質問


 3点目に、外国人観光客呼び込みに当たっての課題についてお伺いします。先月、埼玉県内の若手議員と一緒に長瀞町へ調査に赴き、長瀞町における外国人観光客に対する取り組みについて、観光協会から説明を受け、さらに大澤タキ江町長とも意見交換をしてまいりました。長瀞といえば川下りや宝登山、また天然氷を使ったかき氷などが思い浮かぶと思いますが、宝登山神社が2011年5月に、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に掲載されてからは、外国人観光客の姿が多く見られるようになったとのことです。それ以前から長瀞町では、観光に訪れる外国人観光客に対してアンケートを実施し、さまざまなデータを蓄積していたそうです。また、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に掲載された年には、国交省による外国人観光客言語バリアフリー事業のモデル地区となり、東京から長瀞町を訪れる外国人観光客が、訪れた際にストレスなく町内の観光施設等を利用できるように整備が進められていて、外国人観光客の受け入れ体制の基礎が築かれ、その後も整備の取り組みを進めてきております。このように外国人観光客を呼び込むにはさまざまな工夫が必要となります。越谷市が仮に今後積極的に外国人観光客を呼び込もうとした際には、ソフト面、またハード面においてさまざまな課題があると考えますが、市としてはどのような課題があると認識しているのか、その点についてお伺いします。


Q3-①.質問


 続きまして、3項目めとして、越谷市教育振興基本計画について、これは教育長にお伺いします。越谷市教育振興基本計画は、国や埼玉県の教育振興基本計画を踏まえつつ、本市の最上位計画である第4次越谷市総合振興計画やその他の教育に関連する諸計画との整合を図りながら、本市の教育分野全体の将来像や方向性を示しています。この基本計画に基づき、この5年間、学校教育、生涯学習、生涯スポーツについてのさまざまな取り組みが進められてきました。第1期の5年間がことしで終わり、来年度からスタートする第2期の策定を進めている最中ですが、第1期計画を総括することにより、よりよい第2期計画の策定、さらには実施が進められると考えています。そこで、以下3点についてお伺いします。
 1点目に、第1期計画の取り組みへの評価についてお伺いします。今の教育振興基本計画は、第1期、つまり初めて策定した計画です。それだけに今年度も含めた5年間の取り組みに対する評価をしっかりと行うことは重要であると考えています。この5年間でどのような成果や実績が上がったと考えているか。学校教育、生涯学習、生涯スポーツ、それぞれにおける評価についてお伺いします。
 また、5年前に教育振興基本計画を策定する以前は、生涯学習は生涯学習の、生涯スポーツは生涯スポーツのそれぞれ独立した計画のもとにその推進が図られていました。これに学校教育をあわせて3本柱としましたが、計画を1つに統合したことによる効果や成果といったものをどのように評価しているのかについてもあわせてお伺いします。


Q3-②.質問


 2点目に、第1期計画の取り組みでの課題についてお伺いします。1点目では、成果、実績という視点の問いですが、2点目では課題をお伺いします。学校教育、生涯学習、生涯スポーツ、それぞれこの5年間、計画に基づき、取り組みを進めてきています。その上でどのような課題が浮かび上がってきているのか。浮かび上がる課題は、今後第2期の中でしっかりと取り組んでいくということになると思いますが、3つの柱それぞれにどのような課題があると認識しているのかについてお伺いします。


Q3-③.質問


 3点目に、第2期計画における基本的な考えについてお伺いします。第1期教育振興基本計画は、市の第4次総合振興計画前期基本計画の大綱6に合わせる形で策定をしています。第2期は、同じ第4次総合振興計画の後期に合わせる形となりますので、総合振興計画自体が同じ基本構想で進みますから、教育振興基本計画も基本的な考え、コンセプトに大きな変化はないと考えていますが、策定に当たっての基本的な考えがどのようなものであるのかについてお伺いします。以上で1回目の質問を終わります。ご答弁よろしくお願いいたします。


 
 
copyright (c) 2009. kikuchi-takamitsu. All Right Reserved.