越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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●令和5年9月定例議会


市長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 まず、激甚化する自然災害に対する避難行動についてのうち、避難のよびかけについてのお尋ねでございますが。避難時の開設については、気象庁や日本気象協会から提供される気象情報、さらには国土交通省や埼玉県から提供される河川水位や洪水予報を基に一定の目安を設けております。避難所の開設時期や規模については、それらの情報を踏まえて、市民ができる限り安全に避難できるよう、越谷市災害対策本部で決定し、市民に対し情報の提供に努めております。
 次に、避難所の開設と運営についてのお尋ねでございますが。越谷市で発生すると予想されている茨城県南部地震などの大規模災害時においては、市職員が避難所を開場し、施設の被害状況を確認した後は、地域住民の方が主体となって避難所を開設、運営していくことが重要と考えております。そこで、本市では、地域住民が主体となって避難所を開設し、円滑に避難所運営に移行することができるよう、避難所開設に係る手順書を作成し、その手順書に沿った避難所開設訓練を実施しております。この訓練では、避難所の受入れから市の備蓄品の組み立てや避難所施設の図面を使用した図上訓練など、避難所開設から避難所運営に関わる一通りの訓練を実施しております。また、備蓄物資は、都市公園や地区センターの防災備蓄倉庫、小中学校に備蓄しており、地区センターや小中学校の担当者と連携を図りながら、危機管理室が主体となって在庫等の管理をしているところです。
 今後につきましても、大きな地震が発生した場合に備え、地域住民が主体となって避難所を開設、運営することができるよう、引き続き避難所開設訓練の内容を充実させながら実施していくとともに、備蓄物資の適切な管理に努めてまいります。
 次に、自主避難所についてのお尋ねでございますが。自主避難は、高齢者等避難などの避難情報が発令されていない段階であっても、自らの判断で避難することであり、一時的な避難場所を提供することで、水害時に在宅避難に不安をお持ちの方が避難所へ早めの避難行動を取ることができるものと認識しております。ご提案の自主避難をされる方の避難先となる自主避難所をルール化することにつきましては、他団体の事例を参考に今後調査研究してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、自動車の避難についてのお尋ねでございますが。自動車の一時避難場所につきましては、令和元年にイオンリテール株式会社及びイオンモール株式会社と緊急時における防災活動協力に関する協定を締結し、水害時には本協定に基づき、イオンレイクタウンの立体駐車場を開放していただいております。さらに、令和4年に川柳地区内の自動車オークション会場を管理する東京都中古自動車販売商工組合と災害時における一時避難場所等の提供に関する協定を締結し、災害時における自動車の一時避難場所の確保に努めてまいりました。そのほか災害時の自動車の一時避難場所として、ある程度の駐車場の広さを有し、浸水しない場所に立地する複数の民間施設と協議を行った経緯はございますが、当該施設の管理上の理由等により、合意に至らなかったものでございます。
 今後につきましても、浸水等に対応できる駐車場を持つ民間施設の協力について検討してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、より効果的に財源を得るための資金運用についてのお尋ねでございますが。まず、越谷市資金運用方針につきましては、歳計現金や基金等の資金管理における安全性と流動性を確保しつつ、効率的な資金運用を図ることを目的として定めております。公金の確実な管理や毎年度の資金需要への的確な対応を重視する中で、日々の支払い等に備えるための資金については普通預金で、運用可能な資金については定期預金を基本として保管及び運用をしておりました。
 しかしながら、昨今の極めて低い金利水準の下で、利子収入が以前よりも厳しい状況となっていることを踏まえ、令和4年7月及び令和5年5月に資金運用方針の一部を改正いたしました。まず、令和4年7月の主な改正内容でございますが、これまで歳計現金及び基金の運用については、市債等の引き受けを行っている金融機関へ借入額内を目安に預け入れを行っておりましたが、自己資本比率や格付機関における格付等を総合的に勘案し、健全性に問題がないと認められる金融機関においても、預け入れ先として認めることとし、越谷市内に視点を有する全19金融機関を預け入れ先として選択可能といたしました。この改正により、定期預金金利の見積り合わせにおいて、金融機関の選択肢が増え、本市にとって有利な金利条件の下で資金運用ができているものと考えております。
 また、令和5年5月の主な改正内容でございますが、基金においては既に規定されていた債券運用について、歳計現金においても国債や地方債等の元本及び利息の支払いが確実な債券に限り運用できる旨を規定いたしました。この改正により、運用期間が長期となることで、定期預金に比べ高い金利での運用となり、多くの利子収入を得ることができるものと考えております。
 今後につきましても、歳計現金及び各種基金の保管、運用においては、安全、確実かつ有利な方法で運用してまいります。
 次に、債券運用の現状につきましては、本市ではこれまで債券での運用を行っておりませんでしたが、越谷市資金運用方針においては、国債、地方債等の元本及び利息の支払いが確実な債券に限り運用できる旨を規定しておりました。しかしながら、運用に関する詳細な基準等がございませんでしたので、令和4年11月に、越谷市債券運用基準を策定いたしました。
 債券運用の現状でございますが、令和5年8月末現在、財政調整基金にて6億円、越谷しらこばと基金にて1億円、歳計現金にて2億円の合計9億円を債券で運用しております。運用期間につきましては、5年間の債券が8億円、10年間の債券が1億円、種類につきましては、地方債が5億円、財投機関債が3億円、地方公共団体金融機構債が1億円でございます。債券の金利につきましては、定期預金に比べ有利な金利となっており、債券での運用を開始したことにより、多くの利子収入を得ることが可能となっております。
 今後につきましても、金融政策や金利動向、資金需要等に注意を払い、債券の運用を行ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、地方公共団体情報システムの標準化・共通化の取組についてのお尋ねのうち、標準化に向けた取組状況につきましては、国は行政手続の簡素化や迅速化、行政の効率化を目的とし、住民記録や地方税、福祉など地方自治体の20の業務について、国が策定した標準仕様書に準拠した情報システムへ移行することを定め、期限を原則令和7年度末までといたしました。市では、国から示された手順書に記載されているスケジュールに合わせて、標準化に向けた作業に着手しております。
 現在使用しているシステムは、新たなシステムへ入れ替える必要があり、対応内容といたしましては、標準仕様への対応のほか、市独自の事業や窓口業務支援などの標準仕様書に記載されていない機能との切り離しなど、大幅な変更が発生する見込みとなっております。システム整備の進め方に関しては、現在現行システムと国が策定した標準仕様書との違いの分析を進めております。標準仕様からは読み取りにくい機能や自治体が利用を選択できるオプションとなっている機能が多くあり、今後システム調達の仕様を策定する段階で、必要な機能が不足することがないよう取り組んでまいります。また、独自カスタマイズは、運用費用の増加を招くことから、標準化に際して真に必要なものや標準化対象外のシステムに関する部分を除き、原則しない方針で進めております。
 なお、移行の期間は、税業務などの年間スケジュール等を勘案し、現時点では令和8年1月を予定しております。
 次に、標準化に伴う諸費用につきましては、標準化に要する費用といたしまして、標準準拠システムの構築費や現行システムからのデータ移行費、システムを稼動させるために国が用意する情報インフラであるガバメントクラウドの利用に要する費用が主なものとなります。現在費用の積算を進めており、令和6年度当初予算への計上に向けて準備を進めております。
 また、システムの運用費用に関しては、国は平成30年度比で3割削減を掲げております。一方、本市における平成30年度と令和4年度の運用費用を比較いたしますと、住民記録電算委託では7%増、市税電算委託では5%増、福祉システム電算委託では12%増などとなっており、法制度改正や新たな事務の増加、情報機器の価格上昇などにより、運用費用が年々増加しております。移行後のシステム運用費用の削減見込みにつきましては、具体的な積算はまだ先になりますが、増加要因についても勘案しつつ、独自カスタマイズの抑制など、さらなる費用削減に向けて取り組んでまいります。
 次に、システムの共通化につきましては、令和8年1月に行う20業務の標準化対応において、他自治体との共通化までは想定しておりません。しかしながら、これまで本市は電子申請届出サービスや埼玉県東南部地域公共施設予約案内システム「まんまるよやく」、埼玉県市町村共同クラウドにおける保健所業務システムなどを他自治体と共同利用しており、導入費や運用費の割り勘効果を既に上げて利用しているものでございます。また、システムの共通化によって、災害時にシステムが使用不可能となっても、他自治体で業務を継続することができる事例もあることから、本市におきましてはシステムの標準化を実施した後、共通化につきましてもシステム事業者や他団体との連携を図りながら、調査検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、受動喫煙対策についてのお尋ねでございますが。北越谷駅西口に設置した喫煙トレーラーについては、令和4年6月1日より、北越谷駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定することとして、令和4年3月1日に告示、同日に喫煙場所を指定いたしました。喫煙場所の指定に当たり、指定場所としたさくら広場では、7月と3月の年2回、地元のお祭りが開催されるため、その際には一時的に喫煙場所を移動してほしいとの地元の要望があり、移設可能な喫煙トレーラーで対応することといたしました。利用者の状況につきましては、設置した令和4年3月は、1日平均154人、令和4年度においては1日平均283人の利用がありました。令和5年度に入ってからは、8月までとなりますが、1日平均325人の利用がありました。
 また、移動実績といたしましては、令和5年度において、7月19日から7月24日までの間、地元のお祭りのため、喫煙トレーラーを移動いたしました。
 なお、設置後の効果等につきましては、たばこのポイ捨てが減るなどの喫煙マナーの向上が見られるとともに、さくら広場の環境美化が図られたと考えております。
 次に、新越谷駅・南越谷駅周辺における喫煙所の新たな対応についてのお尋ねでございますが。現在、南越谷駅北口に喫煙所を設置しておりますが、パーティション型のため、周辺に流れ出す煙や臭いに対するご意見があることは認識しております。菊地議員さんからのご提案のありましたコンテナ型の喫煙所や北越谷駅西口広場のトレーラー型喫煙所は、一定規模のスペースの確保が必要になるなどの課題もございますので、現時点では新たな対応をすることは困難でございます。引き続き先行事例について調査研究してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。私からは以上となります。


教育長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 学校体育館の改修についてのお尋ねでございますが。まず、照明のLED化については、地球温暖化対策や省エネルギーによる光熱水費の節減、国が令和12年までに高効率照明の100%の普及を目標としていることなどから、本市では市内全ての小中学校の校舎、体育館等を対象とした照明のLED化改修事業を令和4年度より進めております。令和4年度は、モデル的に1校において実施、令和5年度は小学校4校、中学校2校を、その後毎年複数校の改修を行い、令和12年度までの完了を目指しております。
 なお、小学校8校、中学校3校の体育館につきましては、平成28年度の非構造部材耐震補強工事の際にLED化改修を完了しております。
 工事の内容は、主に照明器具の交換を行うもので、体育館の施工に当たっては、足場設置等のため、一定期間使用ができなくなることから、長期休み期間を中心に、学校と日程を調整して行うこととしております。
 工事費につきましては、校舎等の分も合わせた場合、1校当たり約6,800万円を見込んでおり、財源として補助率3分の1の国庫補助金と地方債の活用を予定しております。今後につきましても、学校の照明設備の状況等も確認しながら順次改修を進めてまいりたいと存じます。
 次に、エアコン設置についてのお尋ねでございますが。学校教育活動及び災害時に避難所となった際の暑さ対策のため、本市では市内全ての小中学校の体育館及び武道場へのエアコン設置を目指し、他の事業で整備する2校の体育館、1校の武道場を除く42校の体育館及び14校の武道場への設置を進めております。令和4年度に設計業務委託を開始し、令和5年度に8校、令和6年度と令和7年度にそれぞれ17校の整備を行う計画としております。避難所開設区分の優先度の高い学校から設置してまいります。
 エアコンの機種につきましては、LPガス電源自立式の機器を導入することにより、電気やガスの供給が停止した際にも稼動できるようにしております。あわせて、施設内に非常灯、非常用コンセントも設置いたします。屋外にはエアコンの室外機やガスの貯留設備等を設置いたしますが、これらの設備は浸水被害に遭わないよう、架台などにより高さを確保いたします。施設内においては、エアコンの室内機の取付けや配管工事等により、約2か月間、体育館等の使用ができなくなるため、長期休み期間を中心に、学校と日程を調整し、施工してまいります。工事費等につきましては、総額で約55億円を見込んでおり、財源として、充当率100%の緊急防災・減災事業債を活用いたします。
 今年も厳しい暑さが続いておりますが、児童生徒、教職員の健康を守るとともに、避難所機能の充実を図るためにも、本事業を着実に進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


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