越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


●令和4年6月定例議会


Q1-①.質問


 議長の許可をいただきましたので、さきに通告しております6項目、8点について、市長、教育長に順次お伺いします。1項目めに、人口減少社会を見据えたまちづくりについて市長にお伺いします。この人口減少社会を東武鉄道と越谷という視点から1点、東武鉄道のダイヤ改正から見る今後の在り方についてとしてお伺いします。
 今からちょうど60年前の1962年、昭和37年5月31日、東武鉄道と地下鉄日比谷線との相互直通運転が開始されました。こちらは、今年の春にそれを記念して発売された記念乗車券となっております。日比谷線は当時建設途中ということもあり、最初の区間は、こちらの写真にもありますけれども、北越谷駅と人形町駅との間でした。その日比谷線は、1964年、昭和39年10月の東京オリンピック開幕に合わせるべく、直前の8月に残された銀座駅付近が完成し、中目黒駅までの全区間が開通、これ以後東武鉄道は中目黒駅まで乗り入れています。
 下り方向では、相互直通運転区間を1966年、昭和41年9月に北春日部駅まで延長され、その結果大袋駅も恩恵を受けるようになり、さらに翌年、4月にはせんげん台駅も新設されました。これらも相まって、越谷市は急速に人口が増加して都市化する反面、公共施設、公共インフラの整備に追われていくことにもなります。
 ところで、2020年初頭に新型コロナウイルス感染症が世界的にパンデミックを起こしてから3年目となります。これにより社会は大きく変化しました。その一つが人の移動です。コロナの感染拡大を防ぐために、人流抑制という掛け声の下、在宅勤務、テレワークという新たなトレンドが生まれました。学校でも画面越しの講義、授業といったものが導入されました。このような外出自粛により、通勤通学の利用者や観光客が減少し、日本全国の鉄道会社やバス会社などが非常に厳しい経営状況に置かれています。
 東武鉄道では、繰り返される緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による通勤通学客や観光客の輸送需要の変動により、昨年2021年3月のダイヤ改正で、一部本数の見直しと終電の繰上げを実施、さらに今年3月のダイヤ改正で、大幅な運転本数、運転区間の見直しがなされました。
 私の地元せんげん台駅を例に挙げると、コロナ前の2019年3月のダイヤ改正では、平日の上りは終日で245本ありましたが、今回のダイヤ改正で206本となり、合計では39本の本数削減となっています。実際には運転区間の短縮による北越谷駅止まり、北越谷駅始発の電車がそれなりに設定されていますので、北越谷駅以南ではせんげん台駅ほどの本数削減とはなっていません。
 しかし、本数削減による利便性の低下は、将来的にまちの活力を損なわせます。もちろん以前から指摘されているように、全国では都市縮小の時代に入って久しい状況です。今回の東武鉄道のダイヤ改正、せんげん台駅の本数削減は、今後の人口減少社会を先取りした姿ではないか、コロナがそれを早めたのではないかと私は捉えています。今後の需要動向で、運転期間が延長され、本数が増えるということもあり得ますが、この越谷市もいよいよ都市の縮小に向けた備えをしていかなければならなくなったと言えます。
 そこで、今後のまちの在り方について、市長の見解をお伺いします。


Q2-①.質問


 2項目めに、バス路線の利便性向上についてお伺いします。1項目めの東武鉄道のダイヤ改正の話のところでも触れましたが、長引くコロナ禍により外出の機会が減り、利用者が減少。このため、全国の鉄道会社、バス会社は経営が厳しくなっています。今後コロナが収まった後に利用者が戻ることを期待しますが、公共交通、特にバス路線の維持には、市民の間に乗って残すという意識が高まっていかなければならないと思っています。
 そこで、乗るための利便性向上の観点から1点、バス停の安全対策の取組についてお伺いします。以前から市民の方より、バス停の安全対策を求める声を伺っておりましたが、近年、全国には乗降時やバス待ちのときに、危険なバス停が数多く存在していることが問題視されています。現在都道府県単位で、バス停留所安全性確保合同検討会という組織が設けられ、対策が進められているようです。
 これにより越谷市内では、令和2年度、3年度において、桜井地区で3か所、流通団地で5か所、計8か所の停留所移設が実施されたとのことです。また、越谷市地域公共交通計画には、今申し上げた取組とは別に、従来から安全対策を進めていることが記載されています。
 私は、このようなバス停の安全対策を進めることが、利便性の向上、ひいては利用者の回復、増加につながると考えています。
 そこで、これまでの市内バス停における危険なバス停の洗い出し方法とその対応状況についてお伺いします。また、併せて今後の取組についてもお伺いします。


Q3-①.質問


 3項目めに、越谷市公共施設等総合管理計画についてお伺いします。私が公共施設の維持管理更新について初めて議会で質問したのが約12年前の平成22年9月議会のことです。当時は、残念ながら問題が今すぐに取り組むべき問題として共有されてはおりませんでした。今考えると、当時全国どこの自治体でも、建物は古くなったら建て替える、建て替えるのは当たり前という発想でいたと思います。実際、法定の減価償却期間は、学校の校舎、体育館は47年、市役所庁舎などでも50年であり、その期間前には国からの補助金等を活用しながら建て替えが進められていたからです。
 しかし、そんなうまい話はこの先も続くはずはないという思いから、その後も平成24年12月議会、平成25年3月議会、平成25年6月議会、平成27年3月議会で取り上げてきました。そして、平成27年3月、現在の越谷市公共施設等総合管理計画が策定されましたが、そこに示されていた数字は、それ以前に私が推計して議場で披瀝した数字よりも非常に厳しいものでした。そこで、平成27年9月議会では、越谷市公共施設等総合管理計画について、さらに令和元年6月議会では第1次アクションプランについて高橋市長に質問し続けてきました。
 今回は、平成27年9月議会で取り上げた越谷市公共施設等総合管理計画の基本方針が改定されようとしていることから、改めて福田市長に質問します。まず1点目に、基本方針の改訂についてお伺いします。現在改定する作業が進められているところですが、その改定内容の概要についてお伺いします。


Q3-②.質問


 2点目に、諸整備事業の試算上の取扱いについてお伺いします。越谷市では、現在様々な施設整備の計画が進められています。主なものだけでも再整備計画の1年先送りを決定したサンシティ、市南部地域の学校再編である3学園構想、大沢の第1、第2体育館の建て替えによる(仮称)地域スポーツセンター、2保育所を統合する形での(仮称)緑の森公園保育所、消防間久里分署の建て替えとして整備される(仮称)桜井分署、今回6月議会の補正では消防指令センターの広域化による新たな施設建設に向けた設計委託料の債務負担行為の設定が盛り込まれていますが、こちらは割愛するとしても、主なものだけでもこういった整備事業が進められようとしています。
 そこで、これらの施設が基本方針の改訂の中ではどのように取り扱われているのか、お伺いします。


Q4-①.質問


 4項目めに、学校施設の長寿命化と更新について、教育長にお伺いします。初めて公共施設の維持管理更新について議会で質問したのは、今ほども申し上げたとおり平成22年9月議会のことです。当時全国の自治体では、9割近くが施設管理の計画がない状態でした。そして、平成24年12月議会、平成25年3月議会に高橋市長に対して質問を重ねる中で、市が所有する公共施設のうち、延べ床面積では半分以上を学校施設が占めていることが明らかになりました。
 そこで、平成25年6月議会において、教育長に学校施設に特化した形で質問したわけですが、築30年以上の公共施設のうち、学校施設の割合は延べ床面積で75%以上を占めていることも明らかとなり、越谷市の公共施設の維持管理更新の問題は、学校施設をどうするかが改めて浮き彫りとなりました。
 その後も教育長には、越谷市公共施設等総合管理計画が策定された直後の平成27年6月議会、さらにプールについても令和元年9月議会において質問してきていますが、学校施設は公共施設の面積の半分を占めるばかりか、築40年以上の施設の面積では8割近くを占めています。
 そこで、以下の点についてお伺いします。1点目に、学校施設長寿命化計画についてお伺いします。教育長に、学校の老朽化対策と題して平成25年6月議会で質問してから9年がたちます。その中で、私は文部科学省が打ち出した長寿命化の取組についても触れましたが、昨年3月にその学校施設長寿命化計画が策定されました。この中には、築60年が近づきつつある施設も含まれており、実際の長寿命化工事は待ったなしの状態となっています。
 そこで、計画期間を令和3年度から令和7年度の5年間にしている。この長寿命化計画では、どのくらいの施設の長寿命化工事を計画しているのか。また、それに要する費用の想定額は幾らなのかについてお伺いします。
 さらに、現状では前段階の設計を含めて長寿命化工事に着手しているケースがありませんが、今後の見通しについても併せてお伺いします。


Q4-②.質問


 2点目に、3学園構想の費用内訳についてお伺いします。3学園構想に係る費用として、今年の3月議会で可決した令和4年度一般会計では、今後18年間で156億円の債務負担行為を設定しました。3学園構想の中では、築60年が近づいてきた蒲生小学校の施設も含まれています。その校舎は長寿命化工事ではなく、3学園構想に含まれる形で、改築という手法が取られるわけです。そこで、この債務負担行為156億円の具体的な内訳についてお伺いします。


Q5-①.質問


 5項目めに、国際理解・多文化共生の取組についてお伺いします。ここでは1点、市内小中学校における学びの現状についてお伺いします。昨年夏に、1年延期となった東京オリンピック・パラリンピックが開催されましたが、パンデミック下でのオリンピック・パラリンピック開催や会場での観戦については様々な意見がありました。予定されていた学校連携観戦プログラムも、コロナ感染予防のため、実施はごく一部にとどまりました。とはいえ、スポーツの祭典の最高の地位にあるオリンピック・パラリンピックが国際理解や国際交流、さらには多文化共生などの理解や実践に大きく資するということについては、誰もが異論がないことだと思っています。
 実際2000年のシドニーオリンピックの際、国別に割当てがあったようですが、日本の応援はキャンベルタウン小学校の子供たちがしてくれていたのを当時ニュースで私も見ていました。逆に、負の話として、今年2月、3月に開催された北京冬季オリンピック・パラリンピックの合間にロシアがウクライナへ軍事侵攻しました。平和の祭典の理念を踏みにじる蛮行と言えます。そして、今なおウクライナでは戦争が続いています。
 国連憲章違反として、越谷市議会でもロシアの行為を抗議する決議を令和4年3月議会で決議しています。他方その時期、日本にあるロシア系の料理店や民芸品店などに誹謗中傷が浴びせられていることの報道もありました。中には純粋に日本人だけで経営している店もあったようですが、このような誹謗中傷や嫌がらせなどは厳に慎むべきと考えます。昔に比べて市内在住の外国籍の住民も増え、また外国にルーツを持つ児童生徒も増えてきている中、国際理解や多文化共生といったことは一層重要となっていると考えます。
 そこで、市内小中学校における学びの現状についてお伺いします。
 


Q6-①.質問


 最後、6項目めに越谷の歴史についてお伺いします。ここでは1点、「旧武州大沢駅貴賓室」についてお伺いします。この武州大沢駅とは今の北越谷駅のことですが、駅舎にはかつて貴賓室が設けられていました。賢明な方であれば、ぴんとくると思いますが、その貴賓室は駅北側にある鴨場へ足を運ばれた皇族方や国内、国外の要人の方向けの待合所として設けられていました。
 北越谷駅の歴史を振り返ると、東武鉄道が開業した1899年、明治32年に、最初に設置された駅の一つとしてスタートしています。当時は「ヶ」の入る越ヶ谷停車場という名称でした。その後、1919年、大正8年に現在の越谷駅の場所に「ヶ」の入る越ヶ谷停車場が開業するに先立ち、武州大沢と改称、昭和31年に再度現在の北越谷と改称されました。
 さて、皇族方の鉄道利用は、1908年、明治41年に鴨場が開設された翌年の明治42年3月28日に皇太子時代の大正天皇が越ヶ谷停車場を利用して鴨場に行啓したことを初見として、度々記録されています。あいにくそのとき既に貴賓室があったかどうかは不明ですが、この貴賓室を歴史の中から発掘し、市の文化財としてアピールしてはどうかと考えます。具体的には、文化財説明板の設置、当時の写真の掲示、さらには貴賓室の復元などが挙げられますが、この貴賓室についてどの程度把握しているかについてお伺いします。
 以上6項目について、市長、教育長の答弁をよろしくお願いいたします。


 
 
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