越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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●令和元年6月定例議会


市長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えいたします。
 まず、本庁舎整備と防災力についてのお尋ねでございますが。現在の本庁舎は昭和44年の建築以来既に50年が経過しており、耐震性が著しく低い状況にあります。このため新庁舎の耐震性能として新本庁舎には防災拠点としての機能が確実に維持できるように、地震の揺れが直接建物に伝わらない免震構造を採用しました。また、(仮称)市民協働ゾーンは一時避難場所や帰宅困難者の待機場所にもなることから、建物自体が地震の揺れに耐える耐震構造として、民間の建物よりも1.5倍の強度を有する計画として耐震性の強化を図っております。
 さらに、災害に強く、災害発生時に速やかに復旧活動が行える庁舎となるよう、災害対策本部室を市長、副市長室と同じ新本庁舎4階に配置し、3階に配置した危機管理課と庁内LANでつなぎ、収集した災害情報やデータ類を見られるように大型スクリーンやプロジェクター、タブレットなどの機器類を配備いたします。
 また、(仮称)市民協働ゾーン3階の大会議室は、災害発生時に復旧活動の拠点として使用し、危機管理課と連携がとれるように計画しました。
 そのほか電力の供給がストップしても72時間連続して電力の供給ができる非常用自家発電設備を設けることや、水道水の供給がとまったときのために井戸水を飲料水として利用できるようにろ過装置を設置するなど、業務を継続するために必要な機能を確保するなど防災力の強化を図っています。いずれにいたしましても新庁舎は災害発生時の防災情報発信拠点としての機能を十分確保し、市民の安全安心な暮らしを支えることができるように早期実現に向けて取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、公共施設のライフサイクルコスト削減に向けてのお尋ねでございますが。第1次アクションプランにつきましては、本年2月から3月にかけて素案に対する意見交換会を市内13地区で開催し、市民の皆様からさまざまなご意見やご質問等をいただいたところでございます。第1次アクションプランの考え方でございますが、公共施設等を通じた持続可能な行政サービスの確保を目的に策定した公共施設等総合管理計画を具体化するため、安全性の確保及び更新費用の平準化を基本としております。その上で施設を用途別に11の分類に分け、各公共施設の今後の方向性や行動計画について記載し、一定の方向性を示す計画となっております。そして、このプラン案の作成に当たり検討した項目が、大きく分けて5点ございます。
 1点目として、施設の長寿命化による縮減効果の検討です。施設を長寿命化し、80年間使用することを前提に、いわゆるライフサイクルコストを試算いたしました。その結果、将来的に投資的経費が約13%不足する見込みとなったことから、今後の公共施設の縮減目標を約13%に設定しております。2点目は人口の推移による施設規模の見直し、3点目は同種施設の見直し、4点目は稼働率や運営経費に基づく使用料や施設のあり方の検討、さらに5点目、その他社会情勢等に応じた検討として、今後の社会情勢等に応じて建てかえ時に拡大が見込まれる施設もあり、そのような場合には施設のライフサイクルコストを試算し、さまざまな観点から慎重な検討を行うこととしております。
 以上の5つの検討から、全ての施設において建てかえ時や大規模改修等の際に面積の縮減等を検討し、縮減目標の達成を目指すこととしております。現在この案についてパブリックコメントを行っているところでございまして、その後アクションプランを策定、公表してまいりますが、今後につきましてはアクションプランで示した方向性をベースに、各施設の個別計画の策定に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、包括施設管理についてのお尋ねでございますが。包括施設管理とは、施設の保守点検や清掃などの管理運営に関する業務を一つ一つ個別に発注するのではなく、複数の施設におけるさまざまな業務を包括的、一体的に民間へ委託する方式のことでございます。ご質問にありました東京都東村山市を初め、兵庫県明石市、千葉県佐倉市、流山市などでもこのような取り組みが進められていると伺っております。これらの事例では、包括施設管理のメリットとして、一つ一つの施設所管課が個別に契約を行う業務量と比べ、契約が一本で済むことによる事務コストの軽減、さらには専任の技術者が施設を巡回し、点検や軽微な修繕を行うことによる施設の予防保全といったことなどが挙げられております。
 一方、デメリットとして契約が一本化されることで事業者の受注機会が減少する懸念があること、また契約の内容が多岐にわたることから取りまとめを行うための管理経費が受注者に発生し、結果として経費縮減につながらない場合もあること、さらに市と受託者のリスク分担や役割分担が曖昧となる可能性があることなどが挙げられております。
 こうしたことを踏まえ、包括施設管理につきましては、本市における公共施設等の総合的な管理を進めていくに当たり、有効な方策かどうかという観点から他の自治体の事例も十分参考にしながら今後調査研究してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、羽田空港機能強化による越谷市への影響について、予測される影響についてのお尋ねでございますが。国土交通省では首都圏や日本各地と世界をさらに結びつけ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催や将来の経済・社会の維持、発展のため、羽田空港の機能強化について検討を進めております。具体的には、滑走路の運用や飛行経路などを見直すことで、年間発着回数の増加等を図っていくと伺っております。これらの見直しに伴い越谷市の上空も着陸時、離陸時の飛行経路に入ることが想定されており、その影響としては航空機からの騒音が考えられます。現在検討されている飛行経路は、羽田空港での風向きによって2つの経路案が示されており、北風時には羽田空港を離陸した航空機が越谷市上空約6,000フィート以上、メートルで換算しますと約1,800メートル以上を飛行し、南風時には羽田空港に着陸する航空機が約5,000フィート、約1,500メートル上空を飛行する予定となっております。
 国土交通省によると、離陸時に1,800メートル上空を飛行する場合の屋外での騒音は61から69デシベル、着陸時に1,500メートル上空を飛行する場合の屋外での騒音は56から66デシベルと想定されており、この数値は一般的な人の話し声の50から70デシベルとほぼ同等の騒音になると予測されております。新しい飛行経路に関し、今後国では新経路での検査飛行、騒音測定局における騒音モニタリングや測定結果の情報提供に取り組む予定と伺っております。
 また、機能強化に関する説明会につきましては、国土交通省が東京都、神奈川県、埼玉県において2015年7月から2019年2月までに延べ97会場で行っており、本市におきましても説明会に関するチラシの窓口への配架、ホームページでの公表等により、情報提供に努めてまいりました。市といたしましては、今後も県内の関係自治体で構成されている羽田空港の機能強化に関する会議において情報共有を図るとともに、引き続き国、県と連絡をとり合い、適切な情報提供に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、水路に関する諸課題についてのお尋ねでございますが。まず、蓋かけの現状と今後の見通しについてにつきましては、水路の蓋かけは既設水路を緊急時の避難通路として活用することを目的として、自治会の要望に基づき整備してまいりました。近年の取り組み状況としましては、平成29年度に3路線、506メートル、平成30年度に2路線、616メートルを整備し、平成30年度末現在での未整備箇所は23路線、約4,300メートルとなっております。整備に当たっては、水路に家庭雑排水の流入がないことや官民境界の確定、通行することについての沿線権利者全員の同意が得られていることを確認した上で進めております。
 しかしながら、蓋かけ整備をすることによって水路堆積物の把握ができなくなることもあり、まずは水路本来の機能を適正管理するため、現在は自治会からの相談に対して水路の勾配調整等による改善を整備の方針とし、水路環境の向上に努めているものでございます。今後につきましても、自治会の意見をお聞きしながら地元の課題の早期解決に向け、引き続き調整を図ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、水路の清掃についてのお尋ねでございますが。本市では市民の皆様から水路清掃の要望を受けた際には、現地を確認し、基準以上の堆積物が確認できた場合は市で水路清掃を行っております。近年の水路清掃の要望受け付け状況は、平成28年度は117件、平成29年度は119件、平成30年度は126件でありました。これらの要望につきましては、職員による清掃や業者への清掃委託により対応したもののほか、堆積量が少ないことから経過観察することでご理解をいただくなど、全ての要望に対応してまいりました。今後も引き続き適切な水路清掃を行い、生活環境の向上に努めてまいります。
 次に、公共下水道未接続対策についてのお尋ねでございますが。未接続世帯への指導につきましては、公共下水道供用開始区域内の土地の所有者、使用者または占有者の方で下水道に接続されていない方に対し、下水道法第10条、排水設備の設置等の規定に基づき、遅滞なく接続するよう指導を行っております。具体的な取り組みとしましては、職員並びに業務委託により毎年1,200件から1,500件ほどの接続指導を戸別訪問によって実施しております。平成30年度におきましては、約1,400件の指導を行い、約400件の未接続世帯を解消してまいりました。
 また、未接続世帯数は平成20年度末の約8,200件から、10年間で約2,800件解消し、平成30年度末では約5,400件となっております。これにより下水道に接続している世帯の割合を示す水洗化率も92.5%から95.8%に向上しております。なお、未接続の理由につきましては、経済的な問題や借地借家の問題、老朽化による建てかえの時期を考慮しながら検討中などさまざまであり、それぞれの状況を踏まえながら訪問指導を行っております。
 いずれにいたしましても、市街地の健全な発展と公衆衛生の向上に向けて未接続世帯の解消は急務であると認識しており、今後も戸別訪問による接続指導を粘り強く進めるとともに、さらなる効果的な取り組みを調査研究してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上でございます。


教育長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問にお答えをいたします。
 新方川に架かる鉄道橋の土台保存についてのお尋ねでございますが。この鉄道橋は浅間川橋梁と呼ばれ、せんげん台駅北側の春日部市との市境に存在し、明治時代に製造されたとするれんがが使用されている橋梁でございます。昨年9月に浅間川橋梁架け替え工事について現地確認を行い、れんがづくりの橋脚を確認いたしました。その際、責任者に確認したところ、工事の日程につきましては令和2年3月ごろに新橋梁が完成し、れんがづくりの旧橋脚は4月以降に解体が始まる予定であると伺っており、現在のところ工事日程に変更はないとのことでございました。これまでの関係機関との協議の中では、解体工事の際にはれんがを提供いただけることになっており、今後も引き続き調整してまいります。
 なお、ことし8月にはNPO法人越谷市郷土研究会と共催で東武鉄道開業120周年をテーマに文化財講演会を実施する予定ですが、講師に東武博物館名誉館長をお招きして、鉄道の歴史や越谷市とのかかわりなどについてお話をいただけることになっておりますので、れんがづくりの鉄道橋梁の歴史についてもご説明いただけるようさらに調整してまいります。
 いずれにいたしましても、今後も貴重な市民共有の財産である文化財を適切に保護するとともに、郷土愛の醸成を図り、多くの方々が文化財に触れ親しんでいただけるよう取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


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