越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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●平成29年12月定例議会


市長答弁


 おはようございます。引き続いてご苦労さまでございます。それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えいたします。
 まず、今後4年間の市政運営についてにおける人口動態についてのお尋ねでございますが。本市の住民基本台帳に基づく総人口は、平成9年1月に30万人、本年9月には34万人を超え、平成29年11月1日現在、総人口は34万437人、世帯数は15万102世帯となっております。また、15歳以上65歳未満である生産年齢人口は、全国的な少子高齢化の動きから本市も例外ではなく、平成12年の23万人余りをピークに減少傾向に転じております。平成21年4月1日現在21万8,184人だった生産年齢人口は、平成29年4月1日現在では21万2,251人となり、5,933人減少しております。一方、65歳以上の高齢者人口につきましては増加が続いており、同じく平成21年4月1日現在5万9,691人でしたが、平成29年4月1日現在では8万2,298人となり、2万2,607人増加しました。
 こうした生産年齢人口の減少及び高齢者人口の増加は、医療、福祉を初めとする市民生活全般のサービスへの影響や地域経済の縮小など地域経済にさまざまな変化を及ぼすことが想定されるほか、市税の減少など財政面への影響も予測されます。このような課題に対応するため、平成28年3月に策定したまち・ひと・しごと創生越谷市総合戦略では、雇用の創出、魅力発信、子育て支援、安心・安全・快適な地域づくりの4つの観点から目標を掲げ、人口減少、少子高齢化社会に備えた活力ある持続的なまちづくりの実現に向けてさまざまな施策を推進しております。今後につきましても、厳しい財政運営の中でも市民サービスの低下を招くことがないよう総合戦略に掲げたさまざまな施策を推進し、効果的、効率的なサービスに努めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、道路の愛称制定の経緯についてのお尋ねでございますが。市内には現在30路線について愛称が定められております。これらの路線は、市制30周年記念事業の一環として愛称を市民の皆様などから募集したものを越谷30運営委員会において、昭和63年に決定したものでございます。今では市民の方々に親しまれ、定着しているものと考えております。
 次に、(仮称)越谷北高通りについてのお尋ねでございますが。道路は通勤通学や買い物、さらには散歩など私たちの生活に深くかかわっているものでございます。そして、道路につけられる愛称は、地域の歴史や特色、さらにはランドマークとなるような建物などを背景に地域の方々を中心として定着していくものと捉えております。本市においては、記念事業の一環として昭和63年に愛称の制定を行って以降は実施しておりません。しかしながら、道路の愛称を制定することは、道路を利用する方にとってわかりやすく、親しみやすいものとなり、さらに道路に市民の関心を高める効果もあることから、愛称制定のあり方や制定の方法などについて他市の事例などを踏まえ、調査研究してまいりたいと存じます。
 次に、持続可能な公共下水道経営に向けてについてのお尋ねでございますが。まず、公共下水道経営の現状につきましては、本市が安定的に公共下水道事業を継続していくためには、一般会計からの繰入金に依存しない自立、安定した経営基盤を築く必要があります。
 お尋ねの公共下水道経営の現状ですが、平成28年度決算では歳入総額約80億3,200万円のうち、主なものとして下水道使用料収入が約32億7,400万円で41%、一般会計からの繰入金が24億3,500万円で30%、市債借り入れが約16億3,900万円で20%となっております。また、このうち一般会計からの繰入金については、総額24億3,500万円のうち主に汚水処理経費の不足分として繰り入れている、いわゆる基準外繰入金が約5億1,300万円、雨水に係る費用を中心とした、いわゆる基準内繰入金が約19億2,200万円となっております。
 一般的に汚水は私費、雨水は公費という経費負担の原則があることから、下水道経営の改善においては、汚水処理経費の不足分である基準外繰入金をできる限り縮減することが重要となります。そこで、平成28年度には汚水処理経費を下水道使用料収入で賄える割合を示す経費回収率を90%とすることを目標に料金改定を実施しました。この改定の効果もあって、平成28年度決算における経費回収率は、前年度の81.7%から88.9%へと改善しております。今後につきましては、平成33年度を目途にさらなる料金体系の適正化を図り、経費回収率100%を目指してまいりたいと考えております。
 次に、歳出の内訳ですが、総額約74億3,500万円のうち、人件費や維持管理費などの総務費が約8億3,700万円で11%、工事費などの事業費が約17億7,000万円で24%、市債の元利償還金が約48億2,800万円で65%となっております。歳出のうち多くの割合を占めている市債の償還額については、平成27年度にピークを迎えた後、減少傾向に推移しており、今後しばらくはこの傾向が続く見込みです。しかし、施設の老朽化に伴う更新費用によって長期的には再び横ばいかやや微増するものと思われます。これにつきましては、長寿命化対策などにより更新費用の縮減と平準化を図ってまいります。
 次に、公営企業会計化に向けた取り組みについてのお尋ねでございますが。本市では、現在平成31年度までの3年間を準備期間として、公営企業会計への移行に向けた準備を進めております。本年度は、最も時間を要すると考えられる資産の調査及び評価並びに関係部署との協議調整などに着手しました。資産調査や評価につきましては、決算書や工事台帳など必要な資料を収集するとともに、資産調査、評価の基本的な実施方針を定めました。今後この方針に従い、取得価格、数量、財源などを整理し、資産としての評価を行ってまいります。また、次年度からは公営企業会計の根幹をなす新会計システムの構築にも着手し、平成32年4月1日からの適用に向けて遺漏なきよう準備を進めてまいります。
 次に、公共下水道ストックマネジメントの取り組みについてのお尋ねでございますが。本市の下水道管渠につきましては、最も古いものでは昭和43年に建設されており、間もなく法定耐用年数である50年を迎えようとしております。下水道管渠の維持更新については、これまでは施設ごとに計画を策定して延命化対策を行う越谷市公共下水道長寿命化計画によって進めてまいりましたが、平成28年4月の国からの通知により、今後は長寿命化支援制度からストックマネジメント支援制度へ移行されることになりました。
 ストックマネジメント支援制度においては、市内の下水道施設全体を一体的に捉えて点検調査や更新、改築の方針を定めることになります。これを受け、本市におきましても平成28年度よりストックマネジメント実施方針の策定に着手しております。ポンプ場施設につきましては、既に施設情報の収集整理、リスク評価が完了しており、本年度は施設管理の目標設定及び中長期的な改築事業のシナリオを設定し、最適化した修繕、改築計画を実現するために必要な効率的、効果的な点検調査計画の策定を行います。
 また、管路施設につきましても、今年度より施設情報の収集整理、リスク評価等に着手しており、ポンプ場施設と一体で実施方針を策定してまいります。今後につきましては、策定した実施方針に基づいて施設の点検調査を進めるとともに、更新、改築の計画について国へ申請し、長寿命化支援制度から切れ目なく移行できるよう国費を活用しながら施設の維持、更新を進めてまいります。
 次に、施設更新の費用の見通しについてのお尋ねでございますが。平成27年3月に策定した越谷市公共施設等総合管理計画の基本方針に記載されております今後40年間における都市基盤施設の更新費用の推計では、公共下水道の管路施設が総額1,805億8,000万円、年平均にしますと45億1,000万円となっております。また、ポンプ場施設につきましては総額141億5,000万円、年平均にしますと3億5,000万円となっております。これは管路施設につきましては、整備した年度から耐用年数50年を経過した年度に全て更新すると仮定した場合の費用でございます。
 また、ポンプ場施設につきましては、公共下水道長寿命化基本計画に基づき、優先順位を定め、順次更新する場合の費用を積算したものでございます。いずれも耐用年数が経過してからの大規模改修工事となりますので、これらの更新費用は大変大きな額となっております。実際の更新事業においては、今後の維持更新に係る費用を可能な限り抑えるため、長寿命化計画に基づく調査によって必要な部分の更新や補修を行うことにより施設全体としての延命化を図っております。また、現在策定中の下水道ストックマネジメントにより、計画的、効率的に管理することで、施設全体のライフサイクルコストの低減が見込まれるほか、リスク評価に基づく対策の優先順位の明確化及び最適化により事業費の平準化を図ってまいります。今後も持続可能な公共下水道経営に向けてより一層の適正化を図ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、ムクドリ対策について、生態系を考慮しつつ被害を軽減させるためにのお尋ねでございますが。せんげん台駅西口周辺には、十数年前より毎年夏から秋にかけてムクドリの群れが飛来し、集団ねぐらを形成しております。ムクドリが夕方から早朝まで樹木や電線に集まることで、鳴き声による騒音やふんによる悪臭等が発生し、生活環境に大きな影響を及ぼしているところでございます。市では、これまで樹木の剪定や音波発生装置を使用した追い払いによる対策を実施しており、これらの対策により大量に集まっていたムクドリは減りましたが、駅東口も含め飛来場所が分散している状況でございます。ムクドリ対策については、捕獲という方法も考えられますが、野生鳥獣や鳥類の卵については狩猟により捕獲する場合を除いて、原則として捕獲、殺傷、採取が禁止されています。ただし、生態系や農林水産業に対する被害のある場合等は、許可を受けて捕獲をすることが認められています。市では、現在ハクビシンやアライグマ等について、農作物や家屋への被害等がある場合、捕獲の許可を行っています。また、他の自治体では、おりによるカラスの捕獲を行っている事例もございます。本件のムクドリにつきましても、騒音やふん害などの生活環境被害防止のため、有害鳥獣として市の権限で捕獲を許可することは可能と考えられます。
 一方、野鳥の捕獲については、通常、網やわな等を使用しますが、電線等へ飛来する野鳥の場合には、送電上の規制や高所であることなどからわなの設置や網等による捕獲は物理的にも難しく、本件のように駅前という環境も勘案すると、捕獲は非常に困難であると考えております。
 また、有害鳥獣の処理には、一般的に殺処分や他の地域へ放つことが行われていますが、殺処分に対しては動物愛護や生態系のバランスの観点から賛否の意見が大きく分かれているところでございます。放鳥につきましては、ムクドリは数十キロメートルの飛行能力があることから、遠方からでももとの場所に戻ることが可能と考えられます。加えて、せんげん台駅周辺のみの捕獲では、他の地域からの飛来もあるため、数を減少させることが難しいものと思われます。ムクドリ被害については、本市だけでなく、都市部の多くの自治体でも問題となっておりますが、いずれの対策も十分な効果が得られず、根本的な解決は難しい状況となっております。現在埼玉県の協力により県内の市町村とムクドリやカラスなどの都市鳥対策について情報共有を図っているところでございます。今後につきましては、一定の効果が得られている現在の追い払いによる対策を継続するとともに、県や周辺自治体、専門業者と協力し調査研究を進め、多様な飛来防除方法を試行してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、まちのにぎわい・企業誘致・産業振興の推進についてのお尋ねでございますが。金融機関との連携につきましては、本市では越谷商工会議所を中心に、市内に支店を有する民間金融機関5行や日本政策金融公庫越谷支店など、地域の産業支援機関で構成するこしがや企業応援プラットフォームを平成27年度より構築し、事業者支援に取り組んでおります。具体的には、情報共有等を目的とした定期的な連絡会議や構成機関職員の支援能力向上を目的とした勉強会を開催するなど、相互の関係をより密にすることで、連携の強化を図っております。
 また、事業者支援のための取り組みにおきましても、経営相談への対応や国などの専門家派遣制度の活用、事業者向けセミナーの共同開催など、お互いの強みやノウハウを生かした支援を連携して行うことにより、事業者の経営基盤の安定強化を図っております。
 このような中、産業雇用支援センター二番館の経営相談を金融機関の皆様にも活用いただいております。例えば金融機関の融資窓口に相談に来られた創業希望者に対する事業計画策定支援や経営課題を抱える経営者に対する助言支援などについて、二番館の企業支援コーディネーターとの連携はもとより、必要に応じて越谷商工会議所の経営指導員や市職員が共同で支援に取り組むなどの連携を行っております。
 また、平成29年度より市内事業所の若手社員の職場定着とキャリアアップ及び管理職社員のコミュニケーション能力とマネジメント能力の向上を図ることを目的としたこしがや企業人材育成ゼミナールを市内の金融機関との共催で実施しております。
 さらに、これまで越谷商工会議所と共催で実施してきた経営革新承認講座についても協力をいただき、参加者から好評をいただいております。このほかにも別の市内金融機関の本店が主催する女性のビジネスプランコンテストのご案内をいただき、二番館の創業支援室入居者が平成28年度、平成29年度と2年連続で企業賞や優秀賞の受賞を果たしております。
 このように事業者の実情を知り、市内外問わず、幅広いネットワークを有する金融機関との連携は、市の施策を考え、実行する上で非常に有益であり、連携した支援は市内事業者の成長発展や事業の持続的発展につながるものと考えております。今後につきましてもこしがや企業応援プラットフォームなどの取り組みを通じて、引き続き金融機関を初めとする地域産業支援機関との緊密な関係構築を図り、まちのにぎわい創出や地域産業の振興に取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、自転車利用の促進に関する自転車通行空間の整備についてのお尋ねでございますが。自転車は環境に優しく、身近でアクセシビリティーが高く、都市の重要な交通手段であり、自転車の交通ルールの徹底とあわせて自転車通行空間の整備が求められております。このような状況の中で、道路交通法による自転車の利用に対する規制強化が図られたほか、平成24年11月に国土交通省並びに警察庁が策定した安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインが平成28年7月に一部改正され、自転車ネットワーク計画策定の早期進展と安全な自転車通行空間の早期確保に向けた方策が示されました。越谷市内の自転車通行空間の整備の取り組み状況については、県道北越谷停車場線で自転車通行レーンの整備を約600メートル行っているほか、レイクタウン地区や都市計画道路大袋駅西口線などの新設された広幅員の歩道で歩行者と自転車の通行帯を視覚的に区分し、約18.7キロメートルの整備を行っております。
 また、本年度には埼玉県により県道足立越谷線の蒲生寿町から瓦曽根1丁目の区間で自転車通行レーンの整備を約3.6キロメートル進めております。引き続き自転車通行空間の整備については、国、県、警察などの関係機関と連携を図るとともに、平成26年度に実施した市内7駅に通ずる13路線の交通量調査の結果を踏まえ、沿道の商店に対する物資の搬入搬出作業車や一般車両の駐車などの課題を整理し、宇都宮市などの先進地の事例を参考に、誰もが安全に快適に楽しく自転車が利用でき、人や環境に優しい自転車でつながる連続性のあるネットワーク整備に向けた調査研究を行ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、サイクルアンドバスライドの現状と今後についてのお尋ねでございますが。ご案内のとおり、平成28年3月に策定した越谷市地域公共交通網形成計画において、サイクルアンドバスライド拠点の整備を位置づけて路線バスの利用促進を図り、バス路線の維持充実に取り組んでおります。サイクルアンドバスライドは、自宅などから最寄りのバス停まで自転車で行き、路線バスに乗り継ぎ、駅などの目的地に向かうことで、計画ではバス停が付近にある公共施設や民間施設において、駐輪場が施設利用者以外にバス利用者も利用できるよう位置づけるとともに、サイクルアンドバスライド駐輪場であることを示す標識の設置を行っております。
 これまでの取り組み状況ですが、平成28年9月にせんげん台駅東口から東埼玉テクノポリス線において、川崎神社前バス停付近で民間施設敷地内に初めて開設いたしました。また、平成29年4月には、荻島地区センター、出羽地区センター、増林地区センター、南体育館の4施設の駐輪場をサイクルアンドバスライド駐輪場として位置づけ、現在5カ所で設置しております。さらに、「広報こしがや」や市公式ホームページを活用して、サイクルアンドバスライド駐輪場を市民の皆様に認識いただくため、周知に努めております。
 今後につきましては、サイクルアンドバスライド駐輪場のさらなる展開を図り、バス利用者の利便性の向上と路線バスの利用促進につながるよう努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、健康の視点からの自転車利用についてのお尋ねでございますが。自転車の活用による健康効果といたしましては、ウオーキングと同様に有酸素運動によるダイエット効果が得られ、足腰を効果的に鍛えることができるため、転倒防止にもつながることから、健康増進に寄与するものと考えます。本市では、今年度から埼玉県コバトン健康マイレージ事業に参加しており、市民の皆様に積極的に楽しみながら無理なく歩いていただくことにより足腰が自然に鍛えられ、転倒防止効果はもとより、健康増進につながるものであると考えております。
 この健康マイレージ事業につきましては、歩いた歩数だけでなく、がん検診の受診や各種健康教室等への参加に対しても本市独自のポイントを付与することで、健康意識の向上についても取り組んでいるところでございます。これらの取り組みの結果、予想を上回る申し込み状況となっており、来年度に向けさらなる参加者の拡大を目指すとともに、独自ポイント付与対象事業の拡充等にも注力していきたいと考えております。
 お尋ねの自転車利用による健康増進につきましては、自転車の健康に対する有用性は十分に認識しておりますが、自転車通行空間の整備や安全性の確保など、取り組むべき課題もございますので、まずは現在取り組んでおります埼玉県コバトン健康マイレージ事業、いわゆる歩くことの推奨に注力してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上でございます。


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