■議会報告

●平成26年12月定例議会

○行政調査報告

　議長のご指名によりまして、行政調査を行いました樫村紀元議員、白川秀嗣議員を代表いたしまして、私からその概要をご報告申し上げます。
　調査は、去る10月15日、16日、17日の３日間にわたり、「公共施設経営基本方針について」、「かごしまｉマップについて」、「セーフコミュニティについて」の３項目を調査事項とし、宮崎県宮崎市、鹿児島県鹿児島市、福岡県久留米市ヘの行政調査を実施しました。
　まず宮崎市において、「公共施設経営基本方針について」調査をいたしました。この基本方針は、平成24年３月に外部コンサルタントに委託せずに担当課によって作成されました。宮崎市の現状は、近隣の自治体との合併を経て、面積は約644平方キロメートル、人口は約40万人、市が管理する公共施設は約1,000を数えます。公共施設の総床面積は、100平方メートル以上の施設の合計で約115万平方メートル、このうち築30年以上のものは約53万平方メートルとなっています。これら1,000の施設を更新するには今後50年間で約5,800億円がかかるという試算がなされました。
　また、財政事情でいえば、合併後の交付税の上乗せがなくなると約30億円の減収となる中で、人口は減少、民生費は増大の一途、その中にあって将来にわたって真に必要な公共施設サービスを提供するため、全庁的に公共施設の見直し、検討を行い、持続的で最適な公共施設サ―ビスを提供することとし、この基本方針策定に至ったとのことでありました。この基本方針のもと、宮崎市では施設の現状と今後のあり方について市民や議会に率直に投げかけています。具体的には、平成25年度から３年をかけて全施設について施設利用から見たときに、市民が必要としているか否か無作為抽出のアンケート調査をかけることや、必要度についての判定作業を行う取り組みを進めています。
　これは、公共施設の「総量の最適化」と「質の向上」を実現することが目的ですが、現時点において総論では市民も賛同をしていることがアンケート結果で出ています。しかし、個別の施設については、今後、市民、特に議員からの反発も予想されます。そこは、現在の世代がしっかりと責任を負って、未来の世代に対して決してツケを回さない取り組みを行うと説明の最後に担当者が強い決意を述べられていたのが印象的でした。
　次に、鹿児島市において、「かごしまｉマップについて」調査をいたしました。鹿児島市では、行政が持つさまざまな情報を整理し、市民に公開することを進める中で、地図を使ってさまざまな施設やエリアの情報を提供する地図情報システム「かごしまｉマップ」のサービスを平成21年４月１日から開始しました。特色としては、民間の施設についての情報提供が充実していることです。幾つか具体例を挙げると、生活情報マップの中には「健康・禁煙飲食店」という情報があり、名称、所在地、電話番号などの情報が表示されます。また、観光情報マップの中の「温泉」情報を選ぶと、名称、所在地、電話番号、泉質、営業時間、料金などが表示されます。さらに、他の特色として自然環境マップに関しては、市民から情報を投稿できる仕組みとなっています。情報の投稿は、事前登録をした方のみとなっておりますが、登録をすれば誰でも投稿できる仕組みとなっています。残念ながら投稿数は必ずしも多くはないのが実情ですが、使い方次第では市民から行政への情報提供や市民と行政の情報共有について、今後大きく姿を変えていく可能性を秘めていることを感じました。
　最後に、久留米市において、「セーフコミュニティについて」調査をいたしました。セーフコミュニティとは、「生活の安全と安心を脅かす事故やけがは、原因を究明することで予防できる」という理念のもと、地域の実情をデータ等を用いて客観的に評価・検証し、行政・関係機関、地域住民、各種団体・組織などが連携して「安心して生活できる安全なまちづくり」に取り組むことであり、ＷＨＯ（世界保健機関）セーフコミュニティ協働センターが認証します。久留米市は昨年、国内の自治体としては９番目となる国際認証を受けました。具体的には、６つの重点分野、すなわち１、交通安全、２、子供の安全、３、高齢者の安全、４、犯罪・暴力の予防、５、自殺予防、６、防災で、これらの分野設定等は個々の自治体で任意に設定をするそうですが、この重点分野のもとに10の重点的取り組み目標を設定し、それを８つの対策委員会を設けて推進しているとのことです。
　以上が今回の行政調査の概要でありますが、全体を通して各市の貴重なお話を伺うことができました。今後は、行政調査で学んだことを議会及び市政の中で生かしていきたいと考えております。
　以上で報告を終わります。