越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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市長答弁


 おはようございます。引き続いてご苦労さまでございます。
 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 まず、PFI事業についてのお尋ねでございますが。民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法が平成11年9月に施行されました。PFI事業は、公共事業に民間の活力を利用する手法で、設計から建設工事、管理運営まで一括して発注することによるコストの削減、また民間の資金を調達することによる財政負担の平準化、民間のノウハウを生かしたサービスの向上等の効果が期待され、全国でPFIの手法を活用した事業が展開されております。本市におきましては、吉川市及び松伏町と広域利用を行う越谷市斎場をPFI事業により平成17年8月に整備いたしました。事業費としては、建設工事など施設整備にかかる経費は約51億4,000万円、運営及び維持管理に関する経費は約45億3,000万円、総額で約96億7,000万円となっております。この経費を平成38年度末までの約20年間で負担しており、ちなみに平成24年度の年間の償還額は約4億3,000万円、このうち越谷市は3億400万円、吉川市が7,800万円、松伏町が4,800万円の負担となっております。
 初めに、このPFI事業の取り組みに対する評価と検証についてでございますが。評価の尺度としては、建設、維持管理、運営コストといった、いわゆるライフサイクルコストが、公共団体直営の場合と比較し、どの程度削減されるかというバリュー・フォー・マネーというものがございます。略称でVFMと呼ばれておりますが、このVFMはPFI導入に当たって主要な基準となっております。斎場へのPFI導入により約19億円の削減効果があり、VFMは21%と試算し、事業を推進しているところでございますが、開設当初から現在まで金利負担の変動はあるものの、おおむね予定どおりの支出で推移しており、初期の削減効果が図られているものと考えております。本市としては、初めてPFI事業を活用し、斎場整備に取り組みましたが、経費負担の平準化に寄与し、適切なリスク分担のもとに効率的な運営が行われているものと評価しております。
 次に、今後の取り組みについてでございますが。平成23年6月にPFI法が改正され、対象施設の拡大、民間事業者の提案制度及び公共施設等運営権制度の導入など、より民間活力を活用しやすい制度となるよう一部改善されております。平成24年7月末現在、全国のPFI事業数は新規整備や既存施設の建てかえ等を行う事例を含め、計403件と伺っております。PFI事業では、民間側が資金調達を行い、市の財政負担を平準化できるという大きな利点となります。しかし、公共側が事業を実施したほうが、国の補助金により建設工事費など初期投資額が抑えられる場合もあります。また、適切なリスク分担を行い、効率的運営に資するというものもPFI事業の特徴となっております。したがいまして、PFI導入の可能性については、先ほど述べましたVFM、国の補助金活用の有無、事業者との適切なリスク分担など総合的に検討する必要があります。
 また、どのような事業がPFI事業に適しているかとのお尋ねですが、PFI事業には、民間事業者が建設する際に創意工夫の余地があり、削減効果が期待できる事業が有効と考えております。したがいまして、施設としてスケールメリットを生かせる施設規模を持つこと、また運営面では民間事業者の収益となる利用料金が発生するサービスを行う施設であることなどの条件が備われば、よりPFI事業の導入効果が高くなるものと考えております。現在公共施設の老朽化に伴い、施設の更新経費が多大な財政負担となることが予想されることから、本市では市内の公共施設の現状を把握すべく、公共施設マネジメント白書の作成に取り組んでおります。今後施設のあり方を検討するに際しましては、公共施設の実態を踏まえ、PFI事業など民間資金の調達を含め、整備手法について検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、統合型地理情報システム(統合型GIS)の整備とオープンデータ化の取り組みについての2点のお尋ねでございますが。これまで市が保有する地図情報は、地図ごとに個別に公開をしておりましたが、これを一つに集約して公開することで操作性の向上を図るとともに、複数の地図情報を組み合わせて表示することで、より利便性が向上され、高度な利用が図れるよう新たに統合型の地図情報システムを構築し、本年3月21日にこしがや住まいるマップとして公開いたしました。まず、利用促進のための広報についてでございますが、ホームページに周知用のページを開設し、あわせてトップページのトピックスにご案内を掲載するなど、主にホームページを利用した広報を行っております。利用実績といたしましては、4月だけで約1万3,000のアクセスがございました。ホームページのトップページには、月当たり約5万件のアクセスがあることから、おおよそ4人に1人は、この地図を利用されていることになります。
 こしがや住まいるマップには、今後さまざまな地図情報を追加してまいりますので、その内容を積極的に利用者へご案内していく必要があると考えております。地図情報の追加の際には、ホームページや広報紙、さらにはcityメールやツイッターなどの携帯電話やスマートフォン利用者も対象とした、より充実した方法を検討してまいります。また、この地図は、GPS機能や作図機能といった市民の皆様に利用していただけるさまざまな機能を備えております。一例を挙げますと、GPS機能を利用して現在地から一番近いAED設置場所の検索や、そこまでの距離表示、ルート表示が可能となっております。利用者が今知りたい情報をより早く取得することが可能になっておりますので、機能の説明や利用方法の紹介など、わかりやすく利用しやすい情報が発信できるよう工夫してまいります。
 なお、こしがや住まいるマップの地図情報は、情報を所管する各課において随時更新を行っております。たくさんの方にご利用いただくことが、その情報の提供に携わる職員にとって発信情報の充実に対する意欲向上につながるものと思われます。コンテンツの充実、さらには市民サービスの向上につながるよう利用数の増加を成果指標の一つとして捉え、広報にも力を入れてまいりたいと考えております。
 次に、今後の方向性についてでございますが。こしがや住まいるマップでは、従前のこしがやマップで公開しておりました施設情報、観光情報に加えて、防災防犯情報、通学区域情報、自治会区域情報という大きく5つのカテゴリーで地図情報を公開しております。例を挙げますと、公共施設や福祉施設、広報紙配布場所、市内のお祭りや見どころの場所、避難所、避難場所、AED設置場所、さらには通学区、自治会区といった区域情報を公開しております。従前の地図情報は、個別のシステムやファイルで公開しておりましたが、こしがや住まいるマップの導入により、それらの地図を一つに集約することで、操作や画面レイアウトに統一性を持たせ、より利用者にとって使いやすく、わかりやすい情報提供が可能になりました。今後のコンテンツの拡充に当たりましては、地図情報を有益なオープンデータとして公開するために市が保有する地図情報のさらなる掘り起こしと市民ニーズの把握に努め、他団体の公開情報等を参考にしながら、庁内の検討部会を中心に、利用状況もしっかりと分析してコンテンツの見直しに取り組んでまいりたいと存じますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、日帰り観光の促進策についてお尋ねでございますが。まず観光ボランティアにつきましては、越谷市観光協会の平成19年度の事業として、本市の魅力やおもてなしの心、ガイドとしての心得などを学習する観光ボランティアガイド養成講座を開催し、一定のカリキュラムを修了された方を越谷市観光ボランティアガイドと認定し、平成20年6月に越谷市観光協会から委嘱されております。現在27人が観光ボランティアガイドとして登録しており、観光協会が主催する観光ハイキングや市内外からの要請に基づいた観光案内などを行っております。活動実績につきましては、平成23年度が22回の案内を行い、参加者数772人、平成24年度は28回の案内を行い、参加者数855人でございました。
 なお、観光ボランティアの活動人数については、平成23年度が延べで98人、平成24年度が128人となっております。
 昨今、観光目的が多様化する中で、楽しみながら歴史、風俗、文化などを学び、地域との触れ合いを求める体験する観光がふえ、観光案内の需要は増大することが予想されております。これらの需要に適切に対応できるよう観光ボランティアを対象にした勉強会や研修会等を実施し、スキルアップを図るとともに、観光ボランティアが活動しやすい体制の整備充実について観光協会と連携しつつ、協議してまいりたいと考えております。
 次に、フィルムコミッション事業につきましては、本市の知名度やイメージアップ、観光客の集客及び撮影受け入れによる地域経済の活性化等を図ることを目的に、平成22年8月に開始いたしました。本市は首都近郊という地理的な好条件もあり、撮影に関する問い合わせも数多く寄せられており、実際の撮影をスムーズに進めるために撮影候補地の紹介や連絡調整などの支援を行っております。実績につきましては平成23年度、平成24年度ともに撮影に関する問い合わせが100件以上あり、そのうち撮影に結びついた件数が平成23年度は21件、平成24年度は13件となっております。市役所、総合体育館、花田苑、能楽堂、科学技術体験センター、しらこばと運動公園競技場などを会場に、映画、テレビドラマ、CMなどの撮影が行われました。また、本事業の広報につきましては、市のホームページに公共施設や撮影実績、撮影に関する手続、撮影風景等を掲載し、映像制作者などに情報提供しております。
 なお、撮影日や放送日などのお知らせについては、映像制作者側の意向が前提となりますが、積極的に折衝し、可能な限りお知らせできるよう努めてまいりたいと考えております。
 今後につきましては、本事業が映像等を通じて市内外に本市をPRすることができ、知名度やイメージの向上、観光客の増加、さらに地域経済の活性化などにつながることから、積極的にPRを行うとともに、庁内関係各課などと連携し、事業のさらなる充実に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、親水空間についてでございますが、本市では平成23年度に水郷こしがやの親水空間を生かした新たな観光スポットの創出等を目的に、西用水ウッドデッキを整備いたしました。平成24年度から、そのウッドデッキを会場に、音楽やダンスのイベントを初め七夕やクリスマスなど季節に応じたさまざまなイベントを開催してまいりました。実績につきましては、11回のイベントを開催し、延べ5,000人を超える方々にご来場いただくなど、市民の皆様にご好評いただいております。今後の整備計画につきましては、平成25年度から平成27年度の3カ年で埼玉県の川のまるごと再生プロジェクト補助金を活用し、既設ウッドデッキから北の方向に約280メートルの延伸整備を行っていく予定でございます。整備に当たりましては、近隣自治会や商店会を初め関係機関、団体等で構成される川のまるごと再生プロジェクト越谷市部会において、ご意見、ご要望をお聞きしながら進めてまいります。
 今年度の整備計画につきましては、その部会のご要望等を踏まえ、ウッドデッキの延伸整備はもとより、既設ウッドデッキの入り口となる市役所駅前中央通り沿いの藤だなエリアにおいても案内掲示板等の設置を含む環境整備を行ってまいりたいと考えております。今後もウッドデッキにおけるイベント開催や市民団体等の利用促進に努めるとともに、延伸整備により周辺遊歩道との回遊性の向上を図り、魅力ある親水空間を創出し、にぎわいの創出と地域の活性化につながるよう努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、本市には越谷レイクタウンを初め水郷こしがやを象徴する豊かな水辺空間、豊かな自然環境を残した田園風景、旧日光街道沿いの歴史的建築物、伝統的地場産業、さらに花田苑や能楽堂などの特色ある公共施設など他市に誇れる地域資源が数多く存在しております。これらの地域資源や地域特性を十分に生かしつつ、日帰り観光を初めとする各種観光事業の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。以上でございます。


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