越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

Q3-①.質問


 3項目目ですが、まちづくりについてお伺いいたします。まちづくりについては、過去いろいろな議員が質問をしておりますが、ここでは商業的な面でのまちづくりについて、それもアートを用いた形でのまちづくりについてという観点から質問をさせていただきます。
 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、文教大学の学生さんを中心に活動しております「まちアートプロジェクト」というグループがあり、過去2回、市内の商店会と協力する形で美術作品の展示とあわせ、地域の活性化のための活動をされております。これは、去年その団体さんがつくられたパンフレットのちょっとカラーコピーなのですが、それをちょっといただきまして持ってまいりました。その団体ですけれども、1回目は一昨年の秋に北越谷駅の西口の北越谷商店会の各店舗に、自分たちの美術作品、絵画や写真、イラストなどでありますけれども、それを飾り、「商店街を美術館にしよう」というコンセプトで作品展を行いました。2回目の昨年秋には、北越谷のみならず、市内各地に展示店舗を広げ、最後には大袋商店街にある大袋ギャラリー広場ですべての作品を1カ所に集めての展示会も行い、商店会の皆様から、自分たちのまちの活性化につながるということで非常に喜ばれた事業であります。ことしは3回目となりますが、現在実施に向けて鋭意活動中であると聞いておりまして、まさに産・学協働の事業としてすばらしいことだというふうに私も思っております。10月2日には日本最大となるイオンのショッピングセンターがいよいよレイクタウンにオープンいたしますけれども、それはそれで越谷の顔の一つになろうかと思いますが、地場の商店会が戦々恐々としておりまして、それらについては過去多くの議員さんから質問があったとおりです。そういった中で、商業の活性化、あるいはまちづくりそのものに考えを広げてもよいかもしれませんが、アートを用いたまちづくりというのはいかがでしょうか。もちろん大袋商店街には常設型のギャラリーもありますし、作品展示ということであれば、さまざまな団体が中央市民会館やサンシティを会場にして行っております。しかし、会場が1カ所ですと、その地域だけのことになってしまい、市全体の活性化へはつながりにくいですし、通りすがりに見える形で作品がありますと、単に通りすがりの方も当然見ることができますので、より市民の皆様方にアピールをしやすいのではないかというふうに思っております。ちなみに、加須では、小学生の絵画約350点を加須駅前の商店街に「まちかど美術館」と称して先月飾っていたそうです。その加須だけでなく、いろいろな地域の商店街が活性化のためにアートという題材に着目をしております。
 そこで、例えば現在実施中の「まちアートプロジェクト」、これはたまたま地域がほぼ市内全域ということでありますけれども、また既に産・学協働の形ができ上がっておりますので、ここに市が加わることによって、理想的な産・学・官協働のまちづくりが行えるのではないかなというふうに思っております。決してこの「まちアートプロジェクト」だけを支援するということではなくて、同じようにアートを用いてまちづくりにつながる事業を行っている団体があれば、そういった団体も含めてですけれども、市として何がしかの支援または協力体制を整えて、まちづくりに役立ってもらってはいかがかなというふうに思っておりますが、そのことについてどうお考えか、お尋ねをいたします

Q4-①.質問


 最後の項目となりますが、美術教育について、これは教育長にお伺いいたします。先ほどのまちづくりについての質問と少し性質が似ておりますが、アートというものについて、今度は教育の面から質問をさせていただきます。
 まず1点目として、「子どもの感性を育てる美術教育について」と題してお伺いをいたします。アートについて、ある美術の先生が言った言葉をちょっと引用させていただければと思います。「アートには古来より人と人とのコミュニケーションを生み出し、人と人とをつなげ、お互いを知り、信頼や尊重を生み出す効用がありました。アートには数学などのように決まった答えはなく、どのような形でもそれが答えであって、もしそういったどのようなものでも答えになるというアートそのものに意味があるとすれば、自分とは異なる他者とアートそのものを通して理解や尊重を生み出す、そこにこそアートの意味や可能性があるのだと思います」というふうに先日お伺いをいたしました。私はアートとは一言で言うと、つまり心そのものであるというふうに思っております。また、ある人から日ごろより「21世紀は心と感性の時代だ」というふうにも聞かされております。世の中が陰うつで陰惨なものとなって、やたらと悲惨な事件が多くなったのも、人が心を失い、感性を鈍らせた結果ではないかなというふうにも思っております。そういった中、学校教育において子供たちの感性をどう育てるか、これは非常に大きな問題だと思っております。もちろん感性を育てる教科は美術だけではなく、音楽などもそうだと思いますが、ここでは美術に限定をさせていただいて、現状越谷市ではどのような方針のもとに美術教育を行い、子供たちの感性を育てているのか、その点についてお尋ねいたします。

Q4-②.質問


 2点目として、学校を美術作品で飾ることについてお伺いいたします。先ほどから申し上げているとおり、アートというものは非常に重要なものです。そして、それはいろいろな視点に分けることができるかと思います。例えば、つくる、当たり前ですね、つくるという面、ほかには見るという面、作品を飾るという面、さらにはその飾られている作品を解説するという面、さまざまな面があろうかと思います。
 1つ、事例を紹介させていただきたいと思いますが、これはこの8月に長野市内の4つの小中学校で行われた事業で、私も行ってこのパンフレットをいただいてまいりましたが、「ながのアートプロジェクト2008」と称するもので、コンセプトは「学校を美術館にしよう」というものです。小中学生がアーチストと一緒に作品を制作したり、つくったそれらの作品を自分たちが学芸員となって解説をしたり、さらには訪れた人もまた作品づくりに挑戦したりと、私もちょっとつくらせていただきましたが、内容が非常に盛りだくさんのものでありました。4つの学校それぞれにテーマが、また細かいテーマなのですけれども、それが別にあって、そのテーマに基づいて作品がつくられておりました。一口に長野市と言っても、長野駅に近い町なかの学校もあれば、山の中の学校もあって、移動がちょっと大変だったのですけれども、地元のテレビ局も取材に訪れていて、夕方にはニュースも流れておりました。特に学校美術館にというのが一番の大もとのコンセプトなのですが、山の中の学校、信更中学校というのですが、JRの篠ノ井駅から車で二、三十分ぐらいかかる場所なのですけれども、ちょうどきのう、そちらの学校1年生が書いたお礼状が届きまして、ちょっとうれしく思っておりますけれども、そちらの信更中学校では、本物の絵を美術館から借りまして東山魁夷の作品を4点、それ以外の画家の方のを6点、都合10点美術館から借りて展示をしておりました。そこまではいかないにしても、自分たちの作品を校内に展示をし、それを地域の人たちに見せるということは、子供たちの作品づくりへの動機づけにもなりますし、また開かれた学校づくりという面からも有効ではないかと考えております。先ほどの加須商店街の「まちかど美術館」もすばらしい内容だというふうに思っておりますが、直接作者である子供たちとそれを見にきた人たちとのコミュニケーションを図る、先ほど美術の先生の話、コミュニケーションというようなことありましたが、コミュニケーションが実際に図れるわけですので、そこにより深い意味があるのではないかというふうに思っております。そういった中で、校内に単に作品を張り出して例えば授業参観のときなどに見てもらうと、そういう意味ではなくて、もっと積極的に公開をするという意味での学校を美術作品で飾るということについてのお考えをお尋ねいたしたいと思います。
 以上4項目につきまして、市長、教育長よりお答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

 

 
 
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