越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

●平成28年9月議会

○質疑


 それでは、議員提出第1号議案「越谷市がん対策推進条例制定について」、今ほど山田議員からいろいろと質疑ございましたが、私もこのがん対策の推進条例をつくるということの趣旨については大いに賛同いたしております。その上で、よりよくしたいという観点から、2点お伺いをしたいと思います。
 まず1点目として、議会の責務規定ということについてお伺いします。示されております条例案には、議会の責務という項目は規定されておりませんが、7月に春日部市で開催されました埼玉県市議会議長会第4区議長会の議員研修会において、この議会の責務規定という話が講師の牧瀬 稔先生から議員提案政策条例について触れられる中で、この議会の責務という話がございました。具体的には、議会は市の一機関、議事機関ですけれども、であるため一般的には市の責務の中に含まれると解される。しかしながら、議員提出議案の場合は、議会、議員が提案するため、市の責務とは別に改めて議会の責務をしっかりと明記する必要があると思われる。そうすることが提案した条例に対して議会が責任を持ち続けることにつながるというような話がございました。そこで、この議会の責務規定を加えることが望ましいと考えますが、条例案に規定しなかった理由についてお伺いします。
 2点目に、条例案の提案に至るプロセスと議員間の合意形成のとり方についてお伺いします。本条例案は、越谷市議会では空き家の適正管理に関する条例に続いて、2例目となる議員提案による政策条例となります。したがって、議会サイドから出すわけですが、議会内での合意形成がより重要になってくると考えます。空き家条例では、当初は守屋議員が中心となり、有志の勉強会や視察を開催し、その成果の上に特別委員会が設置されました。守屋議員、次いで現在の議長の松島議員が委員長となり、全会派参加のもとで調査や討議を重ね、平成26年12月議会で全会一致での可決成立となりました。そこで、お伺いしますが、本条例案を作成する過程において、議会内の合意形成をどのように図られたのかについてお伺いします。


後藤議員答弁


 それでは、ただいまの菊地議員の質疑にお答えをいたしたいと思います。
 議会の責務を加えることが望ましい。今回入れなかった理由はなぜかということと、空き家のときのような特別委員会をつくらずに、議員間の合意形成をどのように行ってきたのかということの2点だというふうに思ってお答えをさせていただきます。
 私も研修会、セミナーにはそのとき伺いましたので、牧瀬先生からのお話はお聞きをいたしております。今回議会の責務ということを加えなかったことについては、越谷市の自治基本条例の中で、第13条において、「議会は、市民の意見を代弁する合議制の意思決定機関であり、市政運営に関する監視および評価の充実を図り、公益の実現に努めます」と規定しています。がん対策推進条例並びに2号になりますが、歯科口腔保健推進条例における議会の責務とは、まさしくここで言う市政運営に関する監視及び評価の充実を図りに該当すると思っておりますので、今回の条例にはあえて規定する必要はないという判断のもとに入れておりません。
 それから、2つ目の議員間の合意形成で空き家条例のときのようにというお話でございましたが、市民の最大の死亡原因となっているがんに関して議員として何か政策立案はできることがないかという思いから、その有志による研究会をスタートしたという経緯がございます。その活動の中から、条例を立案することによって政策提言をしていこうという方向性になりました。特別委員会という形をとるだけでなく、もう少し今まで勉強してきた仲間で、気軽な形からも議員提案をしていきたいという思いもあり、議会の活性化に向けての一例になればと思いまして、今回提案をさせていただきました。以上でございます。



○質疑(2回目)


 ご答弁ありがとうございました。それでは、再度お伺いをしたいと思います。
 1点目と2点目とそれぞれお伺いしたいと思いますが、まず1点目の議会の責務規定についてですけれども、この議会の責務ということについてを規定することは、例えば横浜市議会では、議員さん方が中心となって、政策条例を積極的につくられています。そういった中で議会の責務ということについても触れられるケースもありますし、実際このがん対策の話でいいますと、大津市議会では議員提案で策定をして、ことしつくられたわけなのですが、こちらの中にも議会の責務という規定がございます。もちろん現時点において議会の責務ということが、この議員提案の政策条例の中に必ず入っているかどうか、あるいは例が多くあるかというふうなことは申し上げませんけれども、しかしながらこの議会の責務ということも数が少ないからこそ越谷市議会として積極的に規定をしていくということについては大いに意義があるというふうに考えています。いろいろと先ほどの山田議員さんの質疑の中で、調査活動を積極的にやられたというようなご答弁がございました。聞くところによると、大津市議会にも実際に出向いて調査をされたというような話も聞いておりますが、大津市議会では今ほど申し上げましたように、議会の責務ということの規定を設けております。その上で、条文の中にこの議会の責務ということを入れなかったということについて、その理由を改めてお伺いしたいと思います。
 それから、2点目の条例案の提案に至るプロセスと議員間の合意形成のとり方ということについて、こちらでも再度お伺いしたいと思いますが、空き家条例の場合ですと、全会派に呼びかけて策定をしたのに対して、本条例案では提出者でいうと、3つの会派ということになっております。いろいろと聞いておりますと、当初はその勉強会に参加をされていた議員さん、改選前からも含めてですが、ほかにもいらっしゃったようなのですけれども、参加されていた議員さんにも、いつの間にか呼びかけがなくなっていったというようなことも聞いております。先ほど有志の議員で勉強会を重ねて、その上で今回提案をされたと、特別委員会ではなく、そういう形でやられたというような話なのですが、そうしますとその有志の議員さんの中にもいろいろとある意味抜けていくといいますか、お声がかからなかったというふうに私は聞いておりますけれども、そういうことになっておりますので、改めてこの3つの、現在では3つの会派ということでございますけれども、有志の議員さん方を中心にして提案をされたということの理由について再度お伺いしたいと思います。


後藤議員答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんの再度のご質疑にお答えをいたします。
 議会の責務を入れなかった理由ということで、再度ご質問があったわけですけれども、先ほど申し上げましたように、越谷市の自治基本条例、その中できっちりと議会はという役割が示されております。市政運営に関する監視及び評価の充実を図るため、具体的な議会の関与として、今回はがん対策推進条例第16条では、議会への報告も規定をしております。そういう意味では、自治基本条例の中で議会の役割というのがしっかりと規定されている中で、あえてここでは私どもは議会の責務という言葉は入れさせていただかなかったというところで、先ほどと同じお答えでございます。
 それから、特別委員会にしなく、有志で行ったということについてでございますが、当初皆様方に呼びかけをしてきたことは呼びかけをしましたが、以後当初のときの議会の会派構成と途中から会派構成が変更したというのもございますが、皆様にお呼びかけをしましたが、では入ってやりましょうという方はその後いらっしゃいませんでした。いつも私どもで設定をして、行政調査に行ったり、意見交換会をしたり、それから勉強会をしたりというのを常に私どもで設定をしているのではなく、その中にぜひ入っていただけるのであれば、入りたいという意思表示もあってもよかったのではないかというふうに私は思っておりますが、そのようなことがない中で、最初に呼びかけたのは平成24年の6月、このときにがん対策研究会の参加の呼びかけをいたしております。その後、勉強会や意見交換会、それから行政調査に行っておりますが、そのような経過がありましたが、以後皆さんからそれ以上の方からのお声がありませんでしたので、今の3会派になりますが、の中でさまざまな勉強あるいはセミナーへ行ったり、行政調査も進めてきたというところでございます。先ほど大津市のお話ありましたが、大津市のほうにはしっかりと行って、調査をしてまいりました。それを参考にし、大津市だけではなく、さまざまな先進地にも足を運び、調査をしてきたという事実がございます。以上でございます。


○質疑(3回目)


 ご答弁ありがとうございました。それでは、最後3回目になりますが、2点目の部分でいま一度お伺いしたいと思います。
 今ほど特別委員会ではなく、有志の議員でやっていたという話あるいはその成り立ちも含めてご答弁いただきました。あるいはその前のタイミングで、代表者会でのを含めて時系列的にもご答弁いただいているところですけれども、勉強会に参加する、参加しないというのは、確かにどのタイミングで参加するか、あるいは追加で参加するかというのは各議員の考え方にもよると思いますので、そこはそういうふうなことなのだと思いますが、もう一度この実際の条例の提案に至るプロセスという部分で再度お伺いしたいと思いますけれども、代表者会でどのようなタイミングで、どういうふうな形で呼びかけたと、あるいは意見集約のことの報告も先ほどあったとおりですけれども、改めて申し上げますけれども、そのタイミングでも口頭ベースでは我々の会派ではいろいろと考えるところがあるというような話もさせていただいた上で、実際に9月議会の告示日に文書及び口頭での条例案についての意見をお出しさせていただきました。もちろんそれは設定をしている日時からずれているのだと言われれば、そのとおりかもわかりませんが、しかしながらパブリックコメントも含めて我々の会派では、さまざまな観点から、この条例案をよりよくする観点から意見をお出しさせていただいたとおりです。
 しかしながら、議会内での意見集約の時期は終わっているというお返事で、結果として条例案にはそのことについては反映させていただけませんでした。しかしながら、議員提出議案は告示日までに案文を示して、質疑日までに提出をして、最終日に採決、きょう最終日なわけですけれども、という流れが越谷市議会では決められているわけですが、そういった中でも議員間の調整というものは、告示日以降に行われる例というのは多くあるかというふうに思っています。
 その意味からしますと、空き家対策の条例を制定するときに比べると、議会内での合意形成のプロセスが不足をしているのではないかというような感想を持ちますけれども、せっかくパブリックコメントも行って、市民の皆様方からさまざまな意見をいただいた。そのことの反映も含めて議員間の合意形成のとり方というところは、もう少し違うあり方もあったのではないかというふうに考えるところですが、改めてお伺いしたいと思います。


後藤議員答弁


 それでは、菊地議員さんの重ねてのご質疑にお答えいたします。
 議員間での合意形成ということで再度のご質問でございましたが、議員提出で議案を提出する場合には、特別委員会でやらなければいけない、特別委員会を設置しなければならないということはないというふうに私は認識をしておりますし、これまで研究会のメンバーがそれぞれの中で、また研究会の中で積み重ねてきたものの成果としてやりたいということで、9月議会にということは4月22日に申し上げているわけですから、パブリックコメントが出る前にも当然議員の皆様から意見があるなら出てくるであろうというのが私どもの考えでした。パブリックコメントは、まさに市民の方々がそれを見て意見を言っていただける。それに対して私どもも真摯に回答をするという形になっています。ですから、そのための時間をきちっととっておりますし、その間にこちらが門戸を閉じていたわけではありません。ご意見があれば5月25日とは申し上げましたけれども、提案するまでの間に、8月25日の9月の告示日までの間にもご意見いただければ十分に検討する時間はあったかもしれません。しかし、8月12日でパブリックコメントを終わらせて、そしてその間に回答を私どもはつくり上げていくという作業をしておりました。当然8月12日までのパブリックコメントの間にもしご意見があるのであれば、そのときにも言っていただけたのではないかというふうに思いますし、時間が足らなかった、あるいは議員間のさまざまな合意形成が足らなかったというような、そのように感じていらっしゃるのかもしれませんが、私どもとしては十分な時間をとったというふうに認識をいたしております。
 以上でございます。



 
 
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