越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

●平成27年9月定例議会

○討論


 議長の許可をいただきましたので、市長提出第95号議案「平成26年度越谷市一般会計歳入歳出決算認定について」、反対の立場から討論いたします。
 昨年の9月議会においても、「平成25年度越谷市一般会計歳入歳出決算認定について」反対をしておりますが、その際の反対討論も踏まえつつ、改めて反対理由を述べます。
 反対する理由は、昨年同様、以下の2つの事業によります。1つは(仮称)第三庁舎建設事業、もう一つは越谷市本庁舎整備審議会運営費です。反対の理由を明らかにするために、これら2つの事業の始まりである平成24年度からの経過、平成24年9月における補正予算案への私自身の反対討論と、平成24年12月議会の条例案に対する修正案の提案を私が行ったことを一部引用しながら理由の説明を進めます。
 まず、平成24年9月議会における補正予算案、この中に(仮称)第三庁舎建設基本設計委託料2,000万円が含まれておりましたが、この際には(仮称)第三庁舎建設について主に3つの視点から反対しました。反対討論を要約しますと、1、市民を含めて広く意見を聞いておらず、唐突感が否めない、2、本庁舎、第二庁舎との関連性があるにもかかわらず全体計画が明らかでない、3、そもそも本庁舎が脆弱であるのにその議論がないというものでした。
 これに続く平成24年12月議会において、今度は本庁舎整備審議会条例制定の議案が上程されました。これに対しては、本庁舎整備審議会条例の修正案を提案し、その際の議員各位からの質疑でも触れておりますが、大きくは2つの視点を述べました。1、本庁舎のみを対象とするのではなく、第二庁舎、さらには(仮称)第三庁舎の構想も含めて全体のグランドデザインを多角的に検討するべき、2、市長の附属機関に対して議員が加わるのは二元代表制の本質から逸脱している懸念があるというものです。これらは平成24年度の話でありますが、平成25年度においては冒頭申し上げた2つの事業の内容がより具体的な予算として組まれ、さらに今回の議案となっております平成26年度では、事業完了に向けた取り組みが進められました。
 この2つの事業は、事業別決算説明書の2款総務費、1項総務管理費、9目財産管理費に含まれていますが、監査委員の審査意見書にはこれらも含めて事業の執行は適正に処理されていることを認めたと最初にあり、私も適正に処理をされていることを信じております。
 しかしながら、(仮称)第三庁舎建設に当たっては、その目的として事務スペースの狭隘化、中核市移行による事務量増による職員増、庁舎の外に民間の会議室を借りているといった点を解消とするためとしておりました。説明された目的はこのようなものでしたが、建設に当たって市民の声を聞くということについての見解をただしたところ、(仮称)第三庁舎は専ら職員が使用する空間であるため、建設に当たって市民の声を聞く必要はないとされました。
 しかし、その後の本庁舎整備の議論の検討結果等もあり、結果として第三庁舎は専ら職員が使用する空間ということではなく、市民が日常的に訪れる部署が多数配置されています。具体的には、1階に障害福祉課、保健所精神保健支援室、2階に生活福祉課、福祉指導監査課、維持管理課、3階に市民税課、資産税課、収納課、4階に農業委員会、農業振興課、環境政策課、産業廃棄物指導課、外部監査人執務室が配置されています。このほかに会議室が1階に1から4会議室、5階に5から11会議室が設けられています。
 なお、平成26年度における民間の会議室を借り上げたことによる会場借上料は1,507万6,452円で、平成27年度の当初予算のそれは1,070万円となっています。つまり第三庁舎建設に伴う会議室関係の節約効果は、結果として440万円ほどにとどまっています。さらに、専ら職員が使用する空間であるため、建設に当たって市民の声を聞く必要はないとされた第三庁舎には、連日各フロアに多くの市民が訪れているのが現実の姿です。
 そのような結果、現実を見た上で、改めて今私が問題として指摘をしたいのは、主要施策の成果報告書にある主要施策の成果という視点で見たときに、ではこの決算がどうであったのかということです。主要施策の成果は6つの大綱別に記されていますが、このうち問題として認識している事業は、大綱1の「市民とつくる住みよい自治のまちづくり」の中にある3つの項目の中の一つ「健全で開かれた都市経営を進める」の中に2つとも記されています。つまり自治基本条例を核にしてどのように自治のまちを市民と一緒につくっていくか、越谷市ではそのような取り組みを進めていますけれども、文字どおり重要な取り組みとして根幹に位置するのがこれらの事業です。そういった観点から、事業実施に伴う成果として決算を見たときに、どこまで市民自治の成果が上がったのか、どうであったのかという点で大いに疑義を持つところであります。
 この3月には越谷市公共施設等総合管理計画が策定されました。これは、現在保有する越谷市の公共施設、公共インフラの維持管理・更新を今後どのようにしていく必要があるか、行政だけで考えて、行政だけで決めていくのではなく、市民にも現状を認識してもらい、今後を一緒に考えていこう、そのための公共施設のあり方を考える出発点、原点をそろえようというものであると認識しております。この計画が策定されたことから、現在市民への広報を行い、さらには市民からの広聴も行おうとしておりますので、その点は特にしっかりと進めることを強く求めますし、公共施設の建設には第三庁舎建設に当たって生じたようなさまざまな認識のずれを今後は生じさせないことも強く求めます。
 以上、種々申し述べましたが、越谷市の公共施設整備のあり方、さらには市民との協働の観点から本議案に反対するものであります。以上で反対討論を終わります。


 
 
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