■議会報告

●平成25年9月定例議会

○行政調査報告

　議長のご指名によりまして、行政調査を行いました藤森正信議員、樫村紀元議員、中村讓二議員、白川秀嗣議員、松島孝夫議員、武藤　智議員を代表いたしまして、私からその概要をご報告申し上げます。
　調査は、去る７月30日、31日、８月１日の３日間にわたり、総務部長の随行を求め、「ゆめづくり地域予算制度について」、「市民公益活動の促進について」、「中核市移行の取り組み状況について」、「新庁舎建設について」の４項目を調査事項とし、三重県名張市、大阪府枚方市、兵庫県三田市への行政調査を実施いたしました。
　まず、名張市において、「ゆめづくり地域予算制度」と「市民公益活動の促進」について調査をいたしました。名張市は、人口約８万人、過去大阪のベッドタウンとして急激な人口増加も経験しました。そのような中、平成14年に現市長が就任して以来、財政の健全化・地方分権の推進・住民自治の確立を目指した取り組みを進めてきました。
　国が進める地方分権に、さらに一歩進めて地方分権から都市内分権へと進める中で、まちづくりを「住民がみずから考え、みずから行う」ことを目指し、市役所の権限や財源を地域へ移し、行政だけでなく住民が地域の課題解決に取り組む仕組みづくりとして「ゆめづくり地域予算制度」を創設したとのことでした。
　具体的には、市内15の公民館区ごとに地域づくり組織を立ち上げ、従来の各種補助金制度を廃止・統合して、新たに一括交付金制度を導入し、各地域協議会ではそれぞれに地域課題の解決を図るため、さまざまな事業に取り組んでいるとのことです。
　次に、「市民公益活動の促進」についてですが、市民公益活動団体の育成・支援も積極的に行っており、団体はそれぞれに課題解決に向けた取り組みを実施したり、新しい公共の一つの形として市の委託事業に名乗りを上げたりしています。また、市として市民活動補償制度を整備して、市が保険会社と契約を結び、全額負担しているとのことでありました。名張市では、２つの事業を通じて市民意識への取り組みが進んでいるという印象を受けました。
　次に、枚方市において、「中核市移行の取り組み状況」について調査をいたしました。枚方市は人口約41万人、京阪間のベッドタウンとして発展してきましたが、現市長が平成19年の市長選挙の公約に中核市移行を盛り込み、大阪府との協議の中で、保健所施設等に関する協力について前向きな方向性が示されたことから、平成23年２月に中核市移行を表明し、平成26年４月移行に向けた取り組みを現在進めているとのことです。
　府からの移譲事務は1,786項目で、そのうち保健所関係は911項目となっています。その保健所は、府との協議の結果、現在の保健所の建物・敷地を市に無償譲渡し、さらに必要な検査機器等を府の負担で整備するとのことです。中核市移行の事務権限移譲に伴う各種業務は、現在の庁舎、保健所、教育文化センター等で行うこととし、施設の増設等は行わずに対応するとのことでした。また、今後関係条例の整備を行いますが、44本の条例制定を予定しているとのことでありました。
　最後に、三田市において「新庁舎建設」について調査をいたしました。三田市は、人口約11万人、神戸・大阪のベッドタウンとして、10年連続人口増加率日本一を記録したこともあります。そういった中、庁舎の老朽化や狭隘化、耐震の問題等から、平成８年に新庁舎を建設する計画を立て、約55億円の基金を積んできました。しかし、その後の財政状況の悪化から、平成18年に計画を一時中断しましたが、平成21年に再検討を開始したとのことでありました。
　再検討に当たっては、市長の附属機関として学識経験者・市民団体・公募市民による「三田市新庁舎建設検討委員会」を設置しました。議会でも新庁舎建設特別委員会を設置し、主に議会フロアについての検討を重ねたとのことです。また、来庁者アンケートや無作為抽出の市民アンケート、パブリックコメントを実施し、市民の意見聴取とその反映に努めたとのことでありました。
　建設は、平成25年３月から着工して、平成26年12月に完成を予定しており、その後周辺整備や既存施設の改修・取り壊し等の工事を行い、平成28年12月に一連の工事が終了する予定ですが、建設の費用は基金の範囲で行うこととし、一般財源からの充当はしないとのことです。また、長寿命化も念頭に置き、今後100年使用することを基本的な考えとしているとのことでありました。
　以上が今回の行政調査の概要でありますが、全体を通して各市の貴重なお話を伺うことができました。今後は、行政調査で学んだことを議会及び市政の中で生かしていきたいと考えております。以上で報告を終わります。