越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

●平成24年9月定例議会

○討論


 議長の許可をいただきましたので、第64号議案「平成24年度越谷市一般会計補正予算(第2号)」の修正案に賛成、原案に反対の立場より討論いたします。
 第64号議案では、36億5,000万円の補正額が示されています。このうちの36億3,000万円については、議案で示されております内容について異議はありません。しかしながら、2,000万円、具体的には2款総務費、1項総務管理費、9目財産管理費のうちの庁舎管理費、こちらの庁舎整備費として計上された委託料、(仮称)第三庁舎建設基本設計委託料2,000万円については、以下の3点について疑義があります。
 1つ目に、第三庁舎建設の議論は、その予算計上に至る間、市民、議会、専門家等の意見聴取がほとんど実施されておらず、庁内の意思確認も不十分と言わざるを得ないこと、また第4次総合振興計画前期基本計画及び実施計画にも一切記載がないもので、いわば唐突の感は否めない事業提案となっていること。2つ目に、提案されている第三庁舎建設と機能は、既に稼働している本庁舎、第二庁舎との関連性が大きいにもかかわらず、全体の計画が明らかにされていないこと。3つ目に、市長は本定例会の議案質疑の答弁において、本庁舎の耐震強度が極めて脆弱であり、対応が求められると答弁しておられるが、その本庁舎の耐震補強や今後の計画が全く明らかにされていないことなどであります。
 特に、本庁舎は、耐震診断の結果、Is値0.11となっています。建築基準法は、その目的を建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することとしております。Is値0.3未満では、巨大地震の際に安全性が保てないおそれがあるということは、皆様既にご承知のことだと思いますが、改めて申し上げるまでもなく、新耐震基準に照らした場合、本庁舎はその対応が求められているのが事実です。昨年の東日本大震災の際、越谷市の震度は5弱でした。専門家によると、建物に被害が及ぶか否かの境目は震度5弱と震度5強の間にあるとされています。地震発生直後、庁内にいる人は、市民、職員の区別なく屋外に一時避難をしました。私もその庁舎の外に避難している人たちをこの目で見ております。
 先ほど修正案に対する質疑で、市民への利便性という言葉がたびたび出ておりました。もちろんそれを否定するものではありませんが、利便性と安全性を考えた場合、財政的に両方が両立するのであれば、もちろん問題はありませんけれども、もしどちらかを優先しなければならないとしたら、それは安全性であると考えております。そして、市民、職員への安全性を考えるならば、本庁舎の耐震補強あるいは建てかえといった議論は、可及的速やかに行われるべきと考えます。そのことを含めて、市民もまじえて皆で議論をし、あるべき庁舎のあり方を考えていくことが必要であり、それらの点を踏まえ、補正予算案として示されている2,000万円については、今回4億円の繰り入れが示されている公共施設等整備基金に追加して繰り入れるという修正案に賛同するものであります。
 議員各位の賛同を心よりお願い申し上げ、修正案への賛成、原案への反対の立場の討論といたします。

 
 
 
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