越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■鷹隠書屋(コラム)

政治や経済・文化・歴史などさまざまな事柄について、きくち貴光の考えや想いを随時載せます。なお、「鷹隠(よういん)」とは、きくち貴光の号です。

 

 

■原油価格とガソリン価格

 原油価格が最近再び上げ始めている。原油価格を語る前に、まずは単位として使われるバレルの説明から始めたい。

 バレルとは樽の事である。これは、世界で最初に商業目的で原油の油井が掘られたのは1850年代のアメリカのペンシルバニアであるが、汲み出された原油を運搬する際に、当時ワインやウイスキーを入れていた樽を転用した事から始まる。1バレルは当時、種類がいくつかあったが、そのうち42ガロン(ワインのガロン)と決められた。リットルに直すと約159リットルとなり、大きさとしてはドラム缶の8割くらいと言う事になる。

 ちなみに、1バレルが70ドルのとき、原油1リットルがいくらになるかというと、1ドルを108円として47.5円となる。これが精製前の原油の値段というわけである。これに日本への輸送コスト、精製コスト、物流コスト、各段階での利益に税金を加味すると、ガソリンのスタンドでの値段は130円から140円くらいになる計算である。

 石油情報センターが昨日発表した数字では、全国の平均は135円になったそうである。製油所の近くであると、タンクローリーの物流コストは安く済むが、地方や山間部はコストがかかりますので、140円を超えているところも多いと思われる。

 実際には、昨年1月からの原油上昇に伴う卸売価格は22.5円上昇しているが、小売価格は全国平均で13.9円しか上昇をしていないので、8円程度流通段階でどこかが泣きを見ている事になる。

 ちなみに現在、湾岸戦争以来15年ぶりの高値をつけているが、当時の原油価格は一番高いところでも40ドルであった。今は70ドルであるから、別の見方をすると、大本の原価が倍になっているにもかかわらず末端の価格が昔と一緒というのはかなり無理があるとも言える。それだけ、特にスタンドを経営者の方に相当な負担を強いているという事でもある。

(2006年5月9日)

 

 
 
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