越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■鷹隠書屋(コラム)

政治や経済・文化・歴史などさまざまな事柄について、きくち貴光の考えや想いを随時載せます。なお、「鷹隠(よういん)」とは、きくち貴光の号です。

 

 

■鳥インフルエンザについて

 日本では一昨年あたりからあちこちで発生を始めているが、鳥インフルエンザは、鳥から鳥に感染する感染症ですが、生きた鳥との濃密な接触等により人に感染することもあり、また、ウイルスが変異し人から人に強い感染力を有する新型インフルエンザウイルスとなる可能性もあるとされております事は皆さんもご承知の事と思います。

 国内での蔓延防止策として、ウイルスを持っている可能性のある野鳥・ネズミ等の侵入防止、鶏舎等への出入りに際しての消毒の徹底が何よりも重要という認識からあることから、次の発生防止措置を講じている。

 一つ目は、養鶏業者がこの取組を厳格に行うとともに、学校・家庭を含めて家禽を飼養している者は、野鳥との接触を避けるよう、引き続き周知徹底を図る事。
二つ目は、養鶏業者に対しては、野鳥・ネズミ等の侵入を防止できるウインドレス鶏舎等の整備を推進するため、補助事業、リース事業等を活用した支援措置を講じる事。
三つ目は、海外からのウイルスの侵入を防止するため、引き続き鳥インフルエンザ発生国からの家禽・家禽肉の輸入停止措置を的確に実施するとともに、発生国から帰国する人に対して靴底消毒への協力を求める事である。
 国内ではこの様に対応を図っているが、先日の報道によると、中国や東南アジアに始まった鳥インフルエンザがロシアやトルコに広がり、アフリカのナイジェリアにまで広がったとの事である。この拡大は渡り鳥の越冬ルートに沿うように拡大しているとの事で、今後とも拡大する事はあっても事態が沈静化する事は見込めないと思われている。

 2003年以降に人への感染が報告されたのは今までに7カ国あり、それらはベトナム、カンボジア、タイ、中国、インドネシア、トルコ、イラクである。このうちベトナムでは患者93人、うち死者42人。カンボジアは患者4人、4人とも死亡。タイは患者22人、うち死者14人。この3ヶ国は、今年はまだ患者は出ていない。

 その他の国は今年も感染者が出た国であり、中国は患者12人、うち死者8人。インドネシアは患者25人、うち死者18人。トルコは患者12人、うち死者12人。イラクは患者1人で死亡となっている。合計では患者169人に対して死者91人、致死率54%となっており、感染すれば2人に1人は助からない恐ろしいものといえる。世界中に大流行したら何千万人もの人が亡くなるとの報道もあるが、致死率だけを見ると、決しておおげさな話ではない。

 日本もアジア向けに対応策を検討しているが、50万人分のタミフルと、検査キットや防疫服など70万人分を供与する計画を練っている。また、1億5500万ドル、日本円で約183億円の資金を提供するとも表明した。

 日本国内で発生した場合、どのくらいの規模で広がるかは分からないが、1つの試算としては国内で4人に1人が感染する大流行が2ヶ月続くとして、最大で1日に10万人が入院するという数字もある。感染が流行しないことを願うのみである。

(2006年2月21日)

 

 

 
 
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