■議会報告

●令和2年6月定例議会
市長答弁
それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えいたします。
まず、NPO法人への支援についてのお尋ねでございますが。NPO法人は、幅広い分野における不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的とする活動を行う法人で、社会の多様化したニーズに応える重要な役割を果たすことが期待されております。本市におきましては、令和2年3月末現在で77団体が活動しており、子育てや環境保全など様々な分野において、市との協働事業や社会貢献活動が行われております。
本市におけるNPO法人に対する支援といたしましては、市民活動支援センターにおいて国や県などの助成制度の情報提供や相談事業、他団体とのマッチングなど、様々な支援を行っております。また、NPO法人を含む市民活動団体が実施する事業に対し、越谷しらこばと基金助成事業により事業費の助成を行っております。一方、NPO法人の認証権限を持つ県では、埼玉県NPO基金を活用し、地域課題解決に取り組む事業などを支援するNPO基金助成事業を実施しております。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により減収などの一定の要件を満たすNPO法人に対し、国が実施する持続化給付金による支援のほかに、県は独自支援策として1法人10万円の助成を実施することとしております。さらに、財団など民間機関においても活動資金の助成などを実施している例もございます。
本市といたしましては、NPO法人の継続的な活動を支援するため、引き続き市民活動支援センターを中心に、国や県、民間機関が実施する支援制度の積極的な情報提供や相談体制の強化を図るとともに、県と連携を図りながら活動支援を実施してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、高齢者の健康についてのコロナ禍により懸念される健康被害への対応についてのお尋ねでございますが。本市におきましても外出自粛が続き、生活が不活発となることで体力や身体機能が低下した高齢者がいるのではないかと危惧しております。こうした高齢者の実態把握につきましては、1軒1軒ご自宅を訪問し、その様子を確認することが最善でありますが、市や地域包括支援センターの職員だけで全てのご自宅を訪問することは難しいものと考えております。
現在本市では、地域でお困りの高齢者を支援するため、自治会や民生委員、民間事業所等にご協力をいただきながら、地域包括支援センターを中心としたネットワークを構築しており、最近見かけない、あるいは元気がないなどといった情報を基に速やかに訪問するなど、適宜対応しているところでございます。今後もこのネットワークを活用し、地域の関係団体等と情報を共有しながら、外出自粛等により健康への影響が懸念される高齢者の実態把握に努めてまいります。
また、今般のコロナ禍に対応した高齢者の体力維持、向上に関する取組として、現在手洗いや睡眠、食事、運動のポイント解説と自宅でできる筋力トレーニングを紹介したリーフレットを作成し、地域包括支援センターが地域の見守り活動を行う際に、訪問先の高齢者に配布しております。加えて、越谷市リハビリテーション連絡協議会にご協力をいただき、広く市内高齢者向けに、簡単な体操を紹介する動画の作成や、自主的に介護予防を行う運営団体向けに、コロナ禍における運営上の注意点をまとめたリーフレットの作成、さらには介護予防の必要性が特に高い方を対象にリハビリ専門職が自宅を訪問し、家庭環境や身体状況に応じた運動プログラムを実施することについて、検討を進めているところでございます。今後ともこうした取組を推進していくことで、高齢者の介護予防活動の継続と健康維持に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、乳幼児の健康について、新生児訪問についてのお尋ねでございますが。本市では、母子保健法に基づき産婦並びに乳児の健康の保持増進を図るため、生後4か月未満までの乳児と母親を対象に、家庭訪問事業を実施しております。
国では、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、本年2月28日付で事務連絡において、各居宅へ訪問して実施する事業については事業の社会的必要性等を踏まえ、継続して実施する場合には感染拡大防止のために留意することとされたことから、本市における3月中の家庭訪問については、母親の育児に対する不安が強いなど必要な場合を除き、原則中止することにいたしました。しかし、4月に入っても新型コロナウイルスの感染拡大状況が終息せず、事態の長期化が予想されたことから、この時点で新生児訪問の対象となっていた453人全員に電話連絡し、母子の健康状態を確認するとともに、訪問の希望調査を行いました。この調査結果を踏まえ、訪問を希望された146人の方を訪問し、子供の発育状況の確認や育児相談を実施いたしました。訪問時には、マスクの着用を徹底し、消毒用アルコールを持参するとともに、事前に訪問相談票を郵送し訪問時間の短縮を図るなど、感染予防対策も図っております。また、訪問を希望されなかった方にも同様に訪問相談票を郵送し、保健師が返送された結果を確認しながら電話で相談を行うなど、訪問の有無によらず支援が必要な方のサポートを継続しております。今後も、産婦の方に寄り添いながら、育児不安の解消に努めるとともに、積極的に乳幼児の健康増進に取り組んでまいります。
次に、乳幼児健康診査についてのお尋ねでございますが。幼児の健康診査は、疾病及び運動発達や精神発達遅滞等の早期発見、保護者の育児不安の解消などを目的に、集団健診として実施しております。国では、本年2月28日付の事務連絡において、集団で実施する健康診査、保健指導等については、感染拡大防止の観点から必要に応じて延期等の措置を取ることとされたことから、本市におきましても3月上旬から5月末までの間、幼児健診の実施を中止することといたしました。その後、5月25日に緊急事態宣言が解除されたことを受け、6月から感染防止対策を講じた上で幼児健診を再開しております。再開に当たっては、1回当たりの対象者数を減らすとともに、受診者の検温やマスク着用の徹底、会場内の座席の分散、健診所要時間の短縮など、様々な対策を図っております。 また、保健センター移転後初の健診開催となることから、感染防止対策を含め新たな設備を有効に活用できるよう入念にリハーサルを行い、スムーズな健診運営につなげております。
一方、健診を中止したことに伴い、受診対象月齢に約3か月の遅れが生じております。法律で定められている幼児健康診査の対象年齢は、1歳6か月児健診は2歳未満まで、3歳児健診は4歳未満までに受診することとされており、3か月遅れたことによる法的な問題はありませんが、混雑緩和による感染防止対策などへの対応も含め、健診日を追加することにいたしました。これにより、今年度末までに遅れを解消し、予定していた対象月齢に戻るよう調整を図っております。今後も関係機関のご協力いただきながら、新型コロナウイルスを想定した新しい生活様式に合わせたよりよい幼児健診の在り方を検討し、幼児の健康増進を図ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、予防接種についてのお尋ねでございますが。定期予防接種は、公衆衛生の見地から市民の健康保持を目的として、予防接種法第5条及び第6条に基づき、伝染のおそれのある疾病の発生及び蔓延を予防するために実施しております。国では、本年3月19日付の事務連絡において、定期接種は感染しやすい年齢を考慮して接種年齢を定めており、乳幼児の予防接種を延期すると各種感染症に罹患するリスクが高まることから、新型コロナウイルスの感染防止対策を実施した上で引き続き実施することとしております。これを受け、本市におきましても同通知を予防接種実施医療機関へ配付するとともに、器具や従事者を介した院内感染防止について適切な対応をお願いいたしました。
本市の本年2月から4月の接種状況につきましては、各予防接種の対象の方に例年どおり案内通知や予診票の送付を行っておりますが、前年同時期と比較いたしますと、約15%程度減少しております。これは、新型コロナウイルスの感染の不安から、予防接種のための医療機関受診をちゅうちょしていることに加え、緊急事態宣言により外出自粛が強く求められたことによる影響であると認識しております。現在は、緊急事態宣言も解除され、外出自粛要請についても緩和されておりますので、これまで医療機関への受診をちゅうちょされていた方も予防接種の実施へ移行していくものと思われます。今後も実施医療機関に適切な対応をお願いするとともに、接種対象者へ予防接種の重要性について、個別通知やホームページ等で周知を図ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、せんげん台駅周辺の治水対策についてのお尋ねでございますが。まず、千間台第一ポンプ場と排水処理についてにつきましては。千間台地区は、台風等の大雨により度々浸水被害が生じておりました。このことから、千間台地区の浸水被害の軽減を図るため、平成5年度に公共下水道事業計画を見直し、千間台西地区と千間台東1丁目を集水区域とする千間台第一ポンプ場と、それに伴う連絡管の新設の計画変更を行いました。千間台第一ポンプ場は、せんげん台駅の東西の区域132ヘクタールを集水面積とし、計画排水量の毎分96立方メートルのポンプと予備の毎分48立方メートルのポンプの排水能力を有した施設であり、平成9年度に供用を開始いたしました。また、平成13年度までに千間台第一ポンプ場からせんげん台駅東口までの総延長1,140メートル、口径1.5メートルの連絡管を整備し、治水安全度の向上を図ってまいりました。さらに、平成28年度に埼玉県による新方川浸水被害緊急対策事業の堤防かさ上げに伴い、千間台地区を含めた新方川流域で排水ポンプ場の増強が可能になったことから、現在効果的な施設の配置について埼玉県と協議を進めているところでございます。
次に、浅間川橋梁工事の進捗状況についてにつきましては。新方川の河川改修に伴う東武鉄道の橋梁架替工事であり、現在令和2年度末の完成に向けて進められております。その後、残工事として既設の橋台の撤去や護岸等の附帯工事を行う予定と埼玉県から伺っております。また、鉄道橋梁下流のポンプ施設の設置につきましては、橋梁工事や周辺の河川改修と整合を図る必要があり、引き続き早期に整備できるように埼玉県と調整してまいります。
次に、公共下水道雨水管整備についてにつきましては。令和元年度末現在で、市内の主要な幹線の整備率は98.1%となっております。当該地区の主要な幹線につきましても98.8%の整備率となっており、さらなる浸水被害の軽減には、まずは河川へのポンプの増強が効果的であると考えておりますが、管渠等を利用した排水施設への貯留につきましても浸水被害軽減の一つの手法であると認識しており、今後治水施設の整備を進めるに当たって整理検討してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
答弁を続けさせていただきます。
次に、避難所開設についてのお尋ねでございますが。本市は、平たんな低地で水がたまりやすい地形であり、平成27年の関東・東北豪雨や昨年の台風第19号では、せんげん台駅周辺で道路冠水が発生いたしました。昨年の台風第19号の災害対応では、地区センターをはじめ市内22か所の施設を避難所として開設し、約1,000名の方が避難されました。
今後、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所の開設及び運営については、避難所の過密状態の防止や衛生管理の徹底のほか、住民の皆さんに適切な避難行動についてのご理解とご協力をいただく必要がございます。災害時に危険な場所にいる人は避難することが原則ですが、安全な場所にいる人まで避難所に行く必要はありません。本市では、市内の河川が氾濫した場合の浸水深はおおむね3メートル未満であり、氾濫流による家屋倒壊等の危険性もなく、夜間等に外に避難することがかえって危険な場合もあることから、自宅や2階以上に避難する在宅避難や垂直避難を推奨しております。コロナ禍においては、避難所での密閉、密集、密接、いわゆる3密を防止するため、知人宅や親戚宅等への分散避難が重要になりますので、適切な避難行動について市ホームページ等を活用して、周知、啓発を行っております。また、避難所対策としてはソーシャルディスタンスを考慮しつつ、なるべく多くの避難者を受け入れられるようにするほか、自治会館や民間施設の活用についても施設管理者と協議を進めてまいります。
今後につきましても、適切な避難行動についての周知、啓発を図っていくとともに、避難所となる地区センターや小中学校等を状況に応じて適切かつ早期に開設してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、度重なる水害によるイメージダウンについてのお尋ねでございますが。情報化社会の中で災害情報については、台風の進路や雨量、風速などの予測や被害状況について、テレビやラジオだけでなくSNS等により多くの情報が発信されております。昨年の台風第19号では、記録的な大雨により全国的に河川の氾濫等の被害をもたらしました。その中で、神奈川県川崎市の多摩川沿いに位置するJR武蔵小杉駅周辺では、広範囲で内水氾濫が発生し、駅構内の冠水や住宅地として人気のタワーマンションにおける長時間の断水や停電被害が多くメディアにより報道されました。本市においても、平成27年の関東・東北豪雨や昨年の台風第19号の際、テレビ等で報道がされております。せんげん台駅周辺は、土地区画整理事業により整備された住宅地や商業地が形成され、当駅の1日平均乗車人員は約3万人となっており、このようなことからも利便性の確保と治水対策は喫緊の課題と認識しております。
このため、本市といたしましては、埼玉県が進める新方川の河川改修と併せて排水ポンプの増強を進めているところでございます。また、今年度は国及び県の洪水浸水想定区域の指定公表を受け、洪水ハザードマップの改定を予定しております。今後につきましても、さらなる浸水被害の軽減に向け、引き続きインフラ整備を進めるとともに、自主防災組織との連携や水害に対する危機意識の向上などのソフト対策を推進し、総合的な治水対策に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上でございます。
教育長答弁
それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問にお答えいたします。
コロナ禍により中止している学校開放について、再開に向けた取組についてのお尋ねでございますが。学校開放につきましては、越谷市立小中学校体育施設開放に関する規則や実施細則に基づき、市民のスポーツ・レクリエーションの普及、振興のため、各地区スポーツ・レクリエーション推進委員会の協力を得て、学校教育に支障のない範囲において開放しております。また、各地区スポーツ・レクリエーション推進委員会の管理外となる平日夜間の体育館についても、校長の許可の下、地域の方々などに開放しており、毎年多くの方々にご利用いただいております。現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、学校開放は行っておりませんが、通常授業や部活動を再開する時期を捉えて、その後に再開できればと考えております。再開に当たりましては、児童生徒以外の不特定多数の方々が学校施設を利用することを勘案し、使用した施設や備品の消毒等、利用のガイドラインを作成するなど、感染リスクを限りなくゼロにし、地域全体で子供たちの安全を守る取組が必要と考えております。
今後につきましては、各地区スポーツ・レクリエーション推進委員会や学校と連携を図り、再開の準備が整った地区から順次開放していけるよう取り組んでまいります。なお、学校開放を再開後、新たに閉鎖すべき事象が発生した際は、越谷市保健所や学校と連携し対応してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
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