■議会報告

●令和6年12月定例議会
Q4-①.質問
4項目めに、環境学習について、これも教育長にお伺いします。ここでは、3項目めに引き続いて、環境の中でも森林保全を主眼に取り上げたいと思います。近年、気候変動が激しさを増しています。越谷も夏の暑さは全国有数のものとなっていますが、この気候変動の要因の一つに、温室効果ガスがあるとされています。これに対して森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出し、一定の役割を果たしています。より正確には、樹木が大気中から二酸化炭素CO2を吸収し分解して、炭素Cは樹木の中にためつつ、大気中に酸素、O2を放出するというメカニズムです。林野庁のホームページによると、適切に手入れされている36年から40年の杉の人工林1ヘクタールでは、1年間に吸収する二酸化炭素の量は約8.8トンと推定されています。炭素量に換算すると約2.4トン、また苗木からでは累計で約304トンの二酸化炭素を吸収し、蓄えている炭素量は約83トンとされています。なお、1ヘクタール当たりの立ち木数は不明ですが、同じ記事には、仮に1000本とされていました。
余談ですが、人が1日に吐く息、二酸化炭素の量は約1キログラム、1年では約370キログラムとのことです。実際には電気やガス、車などを使っていますので、総量はもっと多くなりますが、杉の人工林1ヘクタールが人の吐く息から吸収しているのは、二十三、四人分ということになります。このような森林による二酸化炭素の吸収や炭素のため込みが損なわれると、地球温暖化がますます加速していくということになっていきます。
地球温暖化が進むとどうなるか。令和6年9月議会で防災について質問した際、縄文海進という言葉に触れましたが、先日、県内の仲間の議員と首都圏外郭放水路庄和排水機場を視察した際、龍Q館の中で、その縄文海進の様子の展示パネルや、地下70メートルの立て坑を掘った際の地層、さらに出土したたくさんの貝を見ることができました。縄文時代のうち、6,000年前頃は現在よりも気温が2度、3度高く、海面も4メートルくらい高いところにありました。その当時は、現在の古利根川は幸手付近まで東京湾の入り江となっており、越谷は海の底でした。地球が寒冷している時代は、逆に海面が低下して、東京湾がほぼ陸地となっている時代もありましたが、海面の上昇、低下に合わせて古代の人は住む位置を変え、それが貝塚の位置にあらわれてもいます。かつての地球温暖化の要因はさておき、このような気温上昇による海面の上昇は、遠い昔のことのように思われますが、しかし現実にそれが進みつつあります。南極の氷、氷山が大陸から海へと押し出された南極海の周辺部分で、縮小し続けていることが観測されています。地球温暖化が海面の上昇を確実に引き起し、人々の生活に多大な影響を及ぼします。
こういったことから、環境学習について、1点目に授業での取扱いについてお伺いします。国際社会は、これまで様々な環境対策の枠組みを定めて取組を重ねてきましたが、その一つに2030年をゴールとするSDGsの取組があります。このSDGsの17の目標のうち15番に、木と鳥とデザインされたアイコンとなっている陸の豊かさも守ろうという項目があり、森林を守る、陸上の生き物を守るといった内容が示されています。環境の取組については、以前より各学校で積極的に取組が進められ、環境大臣賞なども受賞している学校がありますが、改めて現在の環境学習の内容、また特に森林保全ということについてはどのように学びを進めているのかについてお伺いします。
Q4-②.質問
2点目に、校外学習の現状についてお伺いします。小学校では、遠足や社会科見学、林間学校、修学旅行などの校外学習があり、子供たちは学校の外で様々な見学や体験をしています。今回のテーマである森林保全の意識を高めるには、実際に山に行き、森林を見ることが重要です。
そこで、市内の学校の校外学習の現状についてお伺いします。行き先として森林、付随してダムや渓流などもですが、そういった先を選択しているかどうか、その状況をお伺いします。
以上4項目について、市長、教育長のご答弁をよろしくお願いいたします。
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