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■議会報告

次に、子ども・子育て支援事業計画についてのお尋ねに順次お答えいたします。
まず、計画の概要についてのお尋ねでございますが。現在「次世代育成支援対策推進法」による越谷市次世代育成支援行動計画に基づき、子育て世帯に対して教育・保育のサービスの充実を図ることを中心に、各種の子育て支援施策を行っております。策定中の計画は、「子ども・子育て関連3法」による子供の最善の利益が実現される社会を目指し、平成27年度からより質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な推進や保育の量的拡大・確保、地域の子ども・子育て支援の充実を図ることをその内容としております。
本計画の基本理念は、「市の基本構想に基づき、伸びやかに子供たちが育ち、次の世代につながる子育てしやすいまちをつくる」とし、4つの基本目標として、「親と子の健康づくりに取り組む」、「地域の中で子育てを支える」、「子供がみずから育つ環境をつくる」、「子供を育てやすい環境をつくる」を掲げています。
次に、具体的な構成ですが、第1章は、計画の趣旨、第2章は、越谷市の子ども・子育ての現状、第3章は、計画の基本的な考え方となります。第4章は、次世代育成支援行動計画を継承したものであり、基本施策と事業の展開を記載しております。そして、第5章は、子ども・子育て支援新制度を進めるものとして、教育・保育及び地域子育て支援事業についての需要量の見込みと、それに対する確保の方策を述べ、第6章は、計画の推進体制及び進行管理とし、巻末には資料編をつける構成としております。
次に、家庭環境の変化から見た取り組みの方向性についてのお尋ねでございますが。国勢調査による本市の一般世帯に占める18歳未満の児童がいる世帯の割合は、平成7年には35%でしたが、平成22年には25.4%となっており、約10ポイント低下しております。一方で、20歳未満の子供のいる母子世帯の割合については、平成7年と平成22年を比較しますと、約1.5倍に増加しております。こうした状況を踏まえ、今回の計画では、第4章にひとり親家庭の自立支援の拡充という項目を設け、ひとり親家庭の子供の健全な成長を支援するため、子育てや生活支援、就業支援及び経済的支援などを進めるとともに、相談体制の充実を進めてまいります。また、子ども・子育て支援新制度としての地域子ども・子育て支援事業では、子育てサロン事業やファミリーサポートセンター事業など子育てにおける孤立感や負担感を減らし、保護者の心理的、身体的負担を軽減するためのさまざまな事業を掲げております。これらの事業につきましても、ひとり親家庭の保護者がより一層利用しやすいものとなるよう充実を図ってまいります。
次に、区域設定の考え方についてのお尋ねでございますが。本計画における教育・保育提供区域につきましては、13行政区を基本とし、現在の幼稚園や保育所及び家庭的保育事業などの教育・保育施設の配置状況や利用状況、さらに今後のニーズを勘案し、現在ある行政区を分割後合併し、適切な教育・保育施設を配置されるよう、18区域を設定いたしました。今後この提供区域ごとのニーズにより、整備を行うとともに、今後の少子化を見据え、ニーズが少ない地域での整備を控えるなど供給過多にならないよう整備を実施するための区域設定としております。
次に、今後の施設整備についてのお尋ねでございますが。教育・保育提供区域ごとに整備が必要な区域について、民間活力を活用した保育所等の整備を支援するなど質の高い保育サービスの提供を行い、待機児童解消に向けて計画的に進めてまいります。また、学童保育室の施設整備につきましても、対象児童を小学6年生まで拡充したことに伴い、より一層入室を希望する児童が増加するものと考えておりますので、教育委員会や小学校と連携を図り、待機児童の解消はもとより、大規模化、老朽化した学童保育室の2室化の整備などを計画的に進めてまいります。いずれにいたしましても、子供の最善の利益を目指して事業を進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、公共施設等総合管理計画に関する概要についてのお尋ねでございますが。高度経済成長期の昭和40年代に整備された公共施設等の社会資本が更新の時期を迎え、建てかえや修繕等が集中し、多大な財政負担を生じるなど、その対応が全国的な課題となっております。こうしたことから、本市では平成25年度、26年度の2カ年をかけて公共施設等総合管理計画の策定を進めており、1月から意見公募を行ったところです。本計画では、1章から5章までに現状と課題、更新経費の推計、対策の基本的考え方を示し、また6章には公共施設の規模や建築時期など施設に関する基本情報のほか、稼働率や運営コストなどを整理しております。本計画で捉えている公共施設は232施設、延べ床面積で約55万8,000平方メートルとなっています。これらの施設を全て更新すると、今後40年間で約2,470億円の費用が必要になるとの試算となりました。今後公共施設に支出できる経費は、過去5年間の実績を考慮すると、40年間に約1,940億円と推測されます。したがいまして、その差約530億円、およそ22%を何らかの形で抑制しなければなりません。また、都市基盤施設についても、今後40年間の更新費用の推計は約3,200億円に上り、現状の2倍の経費が必要になると推計されています。現下の財政状況の中では、これらの社会資本を現状のまま更新することは非常に困難な状況となっております。こうした状況を踏まえ、本計画では①、コストの抑制と財源確保、②、建物の総量の抑制、③、施設の長寿命化、④、計画的な管理体制の構築といった4つの基本方針を定めました。今後は計画に定めた基本方針の具体策を示すアクションプランの策定に取り組んでまいります。
次に、策定後の利活用の方針についてのお尋ねでございますが。本計画では、先ほども申し上げたとおり、4つの基本方針を定めております。今後この基本方針に沿って、具体的にどのような取り組みを進めていくかアクションプランにまとめるとともに、施設ごとの個別計画の作成に取り組んでまいりますが、その際に重要なのは、職員がこの問題に対する共通認識を持つことだと考えております。本計画の策定に際しては、施設を所管する課長を構成員とした検討会議で協議を進め、また政策会議でも議論をしてきておりますが、さらに広く職員の公共施設の老朽化問題に対する認識を高めていく必要がございます。公共施設のコストは、単に建設費だけでなく、設計から解体されるまでの生涯費用、すなわちライフサイクルコスト全体の抑制に努めることがポイントとなります。こうした点からも、設計の段階から施設の運営に関与する全ての職員が共通の認識を持つことが重要と考えております。例えば設計や建設の担当者は、メンテナンスのかからない部材を選び、省エネの機械設備を検討する。施設の管理運営に携わる職員は、無駄がないか、使用料など受益者負担は適正かなどといった視点でコストの抑制に努め、その積み重ねが財政負担の軽減につながってまいります。したがいまして、今年度当該計画を策定した後には、広く職員に対して周知を図り、認識を深めてまいりたいと考えております。
次に、市民への情報発信と情報共有についてのお尋ねでございますが。本計画を策定するに当たり、1月20日から2月18日までの間、計画書の素案としてその概要版を公表し、意見公募を実施したところ、寄せられた意見はございませんでした。しかし、将来にわたり公共施設を通じた行政サービスを持続していくためには、施設の総量を抑えていくことが不可欠で、今後の取り組みとして施設の廃止や統合といったことも考えられ、市民と問題意識を共有しながら、対策を進める必要があります。今後当該計画を漫画を使って解説した概要版を作成し、市民に配布するほか、広報紙などを活用し、わかりやすい情報の発信に努めてまいります。また、公共施設の老朽化対策について、市民の意識調査を実施するほか、出前講座や説明会など機会を捉えて市民との情報共有を図ってまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
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