越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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 また、不慮の事故や不測の事態に対応できるよう、市と鉄道事業者では、危機事態の発生を予防するための事前対応方法であるいわゆるリスクマネジメントや危機事態の発生後の対処方法について、いわゆるクライシスマネジメントについて、定期的な工程調整会議の中で協議、確認しております。
 いずれにいたしましても、誰もが安全で利用しやすい駅舎の完成が図られるよう鉄道事業者と連携して事業を進めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、踏切での安全対策についてのお尋ねでございますが。市は、踏切除去による交通渋滞の解消や鉄道輸送力の増強及び市街地の一体化等を目的として、平成元年から平成12年度において東武鉄道伊勢崎線連続立体交差事業を進めてまいりました。この事業により、交差道路が踏切部10カ所、新設部5カ所の計15カ所において、東西交通の利便性と交通対策の改善が図られました。また、鉄道と道路が平面交差する千間台地区から大林地区間の9カ所の踏切のうち、車両通行できる5カ所のうち4カ所については拡幅改良が済んでおり、利用される方々の利便性の向上や安全対策を行ったところでございます。
 さらに、埼玉県は自殺防止のための鉄道会社支援事業を平成22年度から実施しており、鉄道事業者が実施する安全対策のうち自殺防止に効果があると考えられる事業に対し補助を行っているものです。補助対象事業は、青色照明灯の自殺防止に効果があると判断される機器の設置、駅や踏切等における巡回活動、看板の設置やポスターの掲示、その他、県が自殺防止に資すると判断する事業となっており、補助額は1社当たり300万円とのことでございます。この事業により、平成22年度において大袋駅構内の上下線ホーム、せんげん台駅寄りに2基、大袋駅とせんげん台駅の間の踏切、上下線に2基、合計4基の青色LED照明の設置を行ったと伺っております。
 これは、JR西日本大阪支社や阪和線と関西線の32踏切に青色発光ダイオード、LEDの照明器具を設置したところ死亡事故がゼロになったということから、埼玉県においても実施したとのことでございます。県は、この事業の成果として、駅のホームや線路内では平成21年度に78人であったものが、平成22年度は70人、 平成23年度は60人にと自殺者が減少したと報告しています。このことから、県は青色LED照明の設置が促進されることを期待しましたが、青色LED照明が自殺を減少させる効果が科学的に実証されていないこともあり、鉄道事業者からの希望は少なかったとのことでございます。
 東武鉄道株式会社に伺ったところ、青色LED照明設置場所は、人が容易に侵入しやすいところであるとともに、過去の事象を参考として選定したとのことでございました。また、これら県の事業のほかに、一ノ割駅構内上下線ホームの春日部駅寄りに2基、北越谷駅と大袋駅の間の踏切上下線に2基、鉄道会社独自に青色LED照明を設置したとのことでございますが、効果についてははっきりしておらず、引き続き経過を見ていく予定であり、現在のところ新たに設置する予定はないとのことでございます。
 次に、自殺予防対策についてでございますが。国内における自殺者は、平成10年より3万人を超える状況が続いていることから、国は平成18年10月に自殺対策基本法を施行いたしました。その後、平成19年6月には、同法に基づき自殺総合対策大綱を閣議決定し、平成28年までに平成17年の自殺死亡率を20%以上減少させることを目標に取り組みが行われています。
 埼玉県においても、平成20年9月に埼玉県自殺対策推進ガイドラインを作成し、自殺予防に取り組んでいます。越谷市においては、平成15年度に越谷市健康づくり行動計画「いきいき越谷21」を策定し、取り組みの柱の一つとして「心の健康」を設定し、自殺予防対策の推進に取り組んでいるところでございます。具体的には、市民の方への知識の普及のために、昨年秋の「広報こしがや」季刊版において、「一人でも多くの命を救うために、あなたの周りのいつもと違うに関心度を」というタイトルで特集を組みました。また、心の健康講座を毎年開催しているほか、精神的な相談も含め、保健師による健康相談を実施しております。
 さらに、埼玉県の自殺対策緊急強化基金を活用し、昨年度は自殺予防講演会を開催し、多くの方々にご参加いただきました。また、母子健康手帳の交付時や健康教育等さまざまな機会に心の健康に関するパンフレットやクリアファイルを配布し、市民の方々に自殺予防に関する普及啓発や相談窓口の周知を図ったところでございます。今年度は、携帯電話やパソコンから簡単に心の健康をセルフチェックできる「心の体温計」を8月より導入し、相談窓口をタイムリーに案内できるようにいたしました。また、教育委員会に協力をいただき、市内の小中学校の夏休みに心の健康に関する図画を募集し、ポスターとして市内に掲示することにより、幅広い年齢層に心の健康に関心を持ってもらい、自殺予防についての普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、相談しやすい環境づくりのために、関係各部署との連携を図るとともに、地域の中心的な役割を担う方々にゲートキーパー養成を視野に入れた啓発事業を行い、自殺予防に取り組んでまいりたいと考えております。
 お尋ねの鉄道における自殺予防対策につきましては、本年3月14日にせんげん台駅におきまして、埼玉県、東武鉄道株式会社とともに職員も参加し、自殺予防に係る普及啓発活動を実施し、「みんなで支える心と命」のクリアファイルと鬱病リーフレットを配布し、自殺予防を呼びかけました。なお、青色LED照明の設置促進を進める県事業とともに、県と東武鉄道が自殺予防啓発のために作成したポスターについては、県からの依頼により掲示をいたしました。今後につきましても、さまざまな機会を捉え、自殺予防に取り組んでまいります。以上でございます。



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