越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

<< 前ページへ

●令和2年12月定例議会


○討論


 議長の許可をいただきましたので、市長提出第108号議案「越谷市職員定数条例の一部を改正する条例制定について」、反対の立場から討論いたします。
 今議会に第106号議案として、今後10年間のまちづくりの基本となる第5次総合振興計画基本構想が上程されましたが、このうちの前期5年分の事業を推進するに当たり、組織面を整えるのが第107号議案「越谷市部設置条例の一部を改正する条例制定」、人的な面を整えるのが本議案です。本議案の概略は、職員定数を条例上、市長に属する部局全体の定数を2,320人から2,400人に、教育委員会の定数を307人から310人へと変更し、全てを合わせた職員定数を2,985人から3,068人へと83人増やすものです。
 この議案について、本会議場での質疑、また付託された総務常任委員会での質疑において、ほうはいと議論が巻き起こりました。これを受けて、改めて私なりにこの議案について考えてみました。まず、定数条例は、上限を定めるものと理解しています。あくまでも上限であり、この人数まで実際に採用するかどうかを示しているものではないと認識しています。次に、その増員の理由は、第5次総合振興計画を進める上でのサービスや業務を新設したり拡充したりするためのもので、その増員となる業務内容は別途説明があったとおりですが、それらの業務内容は個別には必要性を認識しております。このことから、専門的な資格を有する人材を含めて一定数を今後新たに採用する。また、そのために定員を一定程度増やすことも理解できます。
 さて、私は市長提出議案に対して、これまでにもちょっと待て、ちょっと待とうという議案については反対をしてきました。第三庁舎の建設、中核市移行への埼玉県への申入れ、中核市移行後の報酬の引上げ、それらはいずれも基本概念は理解しながらも、ちょっと待て、その前にもう少し考えるべきことがあるのではという視点に立って反対してきました。今回に関して、ちょっと待とうというのは大きく2つの理由があります。1つには、業務改善、特に新しい技術が生まれ、仕事の概念が根本的に変わろうとしている真っただ中だということです。小さな業務改善の積み重ねや新しい技術を用いるなどして工夫を凝らせば、人員を多少なりとも既存組織から捻出することもできるかと思います。そういった業務の見直し、組織の見直しを行った上で、新たなサービス、新たな業務に必要な人員はどのくらいとなるのかを勘案し、現在の職員数と合わせた定員の上限を考えるべきではないか。人員を増やしていくにしても、適正な人数について検討をもう少し加える余地があったのではないかという点です。
 いま一つは、コロナ禍における社会、経済への打撃です。働き方改革がコロナ禍によって促進されつつある意味では1つ目に重なりますが、何より現在、いまだかつて経験したことのない経済状況、市政運営を余儀なくされているという状況です。越谷市の一般会計予算の3分の1に相当する額を予算補正して、市民に約345億円の特別定額給付金を給付せざるを得なかったほど社会経済は混乱し、大打撃を受けています。今後の財政見通しが厳しくなるのは、火を見るよりも明らかです。この2つの理由を併せると、5年先までを見越して、今このタイミングで都合83人の定員増を図るのは、上限の設定とはいえ、残念ながらがえんじるわけにはまいりません。
 以上の理由から本議案に反対し、反対討論とさせていただきます。


<< 前ページへ
 
 
copyright (c) 2009. kikuchi-takamitsu. All Right Reserved.