越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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 次に、公共施設の現状把握とその取り組み状況についてのお尋ねでございますが。本市では昭和40年代の人口急増期に小中学校を初めとする公共施設が集中的に整備され、これら施設のストックが老朽化の時期を迎えており、今後維持管理に費やす経費の集中的な増加が予想されます。公共施設の施設管理につきましては、ふぐあいを未然に防ぎ、計画的かつ効率的な管理を行うことにより、施設の長寿命化や経費の平準化を図ることが肝要であると考えております。その方法の一つとして、内外装材などの使用材料の種類や数量、電気や空調設備方式など各種情報をデータベース化し、その劣化状況の記録を盛り込んだ公共施設管理台帳の整備を平成15年度より取り組んでおり、平成23年度において市の主要施設156施設の現状調査が終了しております。これらの各情報については管理台帳システムに入力を行い、さらに本年度、来年度の2カ年で紙ベースで保管されている設計図書を電子化した台帳にリンクづけすることで、保管、検索能力の向上を図るとともに、収集した施設データを庁内LANから閲覧できる環境を整備し、関係各課間での情報の共有化を図ってまいります。また、今後はこの管理台帳の情報に各施設の改修履歴や定期点検の記録に加え、各種材料、設備機器の修繕や更新に必要となる経費を盛り込むことにより、長期的な視野での修繕費用の算出も可能になると考えております。
 次に、状況把握の先にある保全のための計画策定についてのお尋ねでございますが。今後多くの公共施設の老朽化が見込まれる中で、現状を市全体として把握し、限られた財源の中で適切に維持管理していくことは非常に重要であると考えております。つきましては、既に実施いたしました156施設の調査結果を基本に、対象となる公共施設の現状と把握に向けて平成25年度に庁内検討委員会を設置し、施設の現状調査の実施を検討してまいりたいと考えております。
 調査の対象といたしましては、道路、橋梁、上下水道などを除いた学校施設やそれ以外の市の公共施設になると思いますが、施設ごとに施設の概要、築年度、利用の状況、建物の状況、維持管理費等の調査を実施したいと考えております。これらの情報を集約した資料を作成することにより、地域全体並びに地区ごとの人口動態に対する公共施設の配置状況や地域の特性などの基礎的な状況の収集や分析が可能となり、今後の財政状況や地域の状況変化を踏まえた中長期的な戦略や計画の策定につながるものと考えております。
 いずれにいたしましても、公共施設の状況や今後の想定される問題や課題等を把握し、市民の要望を踏まえながら有効活用していくための取り組みを検討してまいりたいと存じますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、防災への取り組みについてのお尋ねでございますが。シェイクアウト訓練の実施について及び災害発生時における公共施設での市民の安全確保対策についてに関しましては、関連がございますので、一括してお答えいたします。
 シェイクアウト訓練とは、2008年にアメリカで始まった新しい形式の地震防災訓練であり、統一した地震発生のシナリオに基づき訓練日程を指定し、参加者が同時に安全行動を行う訓練で、1、姿勢を低くする、2、体、頭を守る、3、揺れがおさまるまでじっとしているとする行動が約1分程度、全員が一斉に行うことで身の安全を確保するための基本行動を通じて意識啓発を図るものです。国内では、ことし3月に東京都千代田区で初めて実施され、9月2日に行われました第33回9都県市合同防災訓練におきましても、飯能市と埼玉県との合同で約1万4,000人の参加により訓練が行われたと伺っております。
 シェイクアウト訓練を行うことは、市民一人一人が日常及び大地震発生時にみずからが何をすべきかを考える機会として、自助、共助を醸成するには大変有効であると考えております。このシェイクアウト訓練に類似した訓練はこれまでも実施していましたが、今後、当市におきましても、地区と合同で行う総合防災訓練時やシェイクアウト訓練の特徴であるさまざまな人たちがさまざまな場所で同時に訓練を行うよう、その実施方法や市民への周知、参加促進につきまして、調査研究してまいりたいと考えております。
 また、災害発生時における公共施設での市民の安全確保対策については、現在それぞれの施設におきまして避難誘導を行うなどして、発生直後、慌てず、落ちついて安全に行動するための誘導を心掛けております。今後とも引き続きさまざまな訓練を通じて安全確保が図れるよう万全を期してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、都市制度と越谷市についてのお尋ねでございますが。まず、全国特例市市長会と越谷市についてにつきまして、全国特例市市長会は、特例市相互の緊密な連携のもとに、特例市の行財政の円滑な運営及び進展を図ることにより地方分権の推進に資することを目的として、現在40市で構成されております。
 具体的な活動内容につきましては、総会や総務大臣との懇談会、事務担当者会議の開催に加え、会の目的達成のための事業を円滑に実施するため、地方分権推進部会と財源確保推進部会の2つの部会がございます。本市は平成15年4月に特例市に移行して以来、財源確保推進部会に所属しております。財源確保推進部会の活動方針は、特例市の行政需要に見合った交付税措置の拡充や交付税制度の改革を含む国と地方の税財源配分の抜本的な見直し、課税自主権の活用に関する調査研究としております。
 平成23年度は、この活用方針を踏まえるとともに、地域主権戦略会議等における国の動向等を注視しながら部会が開催され、最終的に地方分権推進部会の提言とあわせ、「地方分権の推進に関する提言」についてを平成24年5月28日に国へ提出いたしました。
 また、現在、国においては指定都市を中心とした大都市制度の構想について検討が進められており、基礎自治体の役割やあり方について検証が求められております。このような背景から、平成24年度は特例市の現状と課題を整理し、特例市から見た基礎自治体のあり方及び都市制度のあり方について研究することを目的とする都市制度のあり方研究会が設置され、本市も積極的に参加することといたしました。
 この都市制度のあり方研究会では、これまで2回の研究会と中核市市長会との合同会議を開催いたしました。研究会の成果としては、自立可能な都市制度についての報告書及び中核市市長会と共同で「地域自立に向けた地方制度の抜本的な見直しを求める提言」をまとめ、各政党へ提出いたしました。



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