越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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教育長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 まず、中核市移行に伴う教育行政事務の内容と対応についてのお尋ねでございますが。中核市移行に伴い、県費負担教職員にかかわる研修事務と文化財にかかわる事務の一部が埼玉県教育委員会から越谷市教育委員会に移譲されることが予定されております。教職員研修にかかわる事務について移譲される内容でございますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして、県費負担教職員が受ける研修の企画、運営、予算などにかかわる事務となります。今年度、法定研修である初任者研修を初めとする県が主催している研修の中で市内小中学校の教職員が参加している研修の数は110講座、これらの研修参加者は約1,170名でございます。中核市移行後におきましても、現在県が実施している研修と同等もしくは同等以上の質や量の研修を実施していくことが求められております。そのために中核市の教育委員会が担う教職員研修事務の明確化、越谷市が今まで築き上げてきた特色ある教職員研修を踏まえた新しい研修体系づくり、研修を担当する人材の育成、適正な研修施設の確保に向けた調査研究に取り組んでおります。
 また、文化財にかかわる事務の一部について移譲される内容でございますが、文化財保護法に基づきまして、まず1点目は、国が指定した重要文化財に関する保存、管理や現状変更の許可、公開などにかかわる事務の一部でございます。現在、越谷市内には国指定の重要文化財はございませんが、中核市移行後は国と調整を図りながら事務を進めていくことになります。
 2点目は、埋蔵文化財の保護に関するものでございます。具体的には、開発に伴う試掘や発掘調査において出土した土器類等、埋蔵物の取り扱いや文化財認定などにかかわる事務でございます。現在、埋蔵文化財の事務につきましては、埼玉県教育委員会の指導、助言により行っておりますが、中核市移行後は埋蔵文化財に関する事務の一部を主体的に進めることとなります。
 今後の教職員研修と文化財にかかわる事務のスケジュールにつきましては、現在市が計画しております中核市移行までのスケジュールに基づき、県内で中核市として教育行政を展開しております川越市教育委員会やその他中核市の教育委員会の事務執行状況等を十分に調査しながら諸準備を進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、予算措置についてのお尋ねでございますが。教職員研修事務の移譲につきましては、今後県から移譲される内容等にかんがみて、業務に必要となる労働量の規模や研修の会場規模を明確にする中で検討してまいります。
 また、文化財にかかわる事務の一部移譲にかかわる予算措置につきましては、埋蔵文化財の保護を目的に実施する試掘調査につきまして、現在事業予算に対し国や県から補助が受けられることになっておりますが、中核市移行に伴い県の補助が一部削除されることになります。
 いずれにいたしましても、平成27年4月の中核市移行まであと2年余りでございますが、中核市移行に伴う事務が円滑に遂行できるようしっかりと取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、高齢者の幸福度を高めるための取り組みについてのお尋ねでございますが。敬老会について、敬老絵画展について及び「子どもたちからのレター」事業に関しましては、関連がございますので一括してお答えいたします。
 子供たちが高齢者の方々と交流することを通して生活の知恵やすぐれたわざ、生き方を学んでいくことは、高齢者への尊敬、思いやりの気持ちを深める、豊かな人間性をはぐくむ上で大きな意義があると認識をしております。教育委員会では福祉教育資料を作成し、その活用を通して高齢者への福祉についても理解を深め、豊かに生きていこうとする態度や社会福祉に関する問題を解決する実践力の育成を目指しております。
 また、市内小中学校におきましては、すべての学校で高齢者と触れ合い、高齢者に対する敬愛の念を深める活動を教育課程に位置づけ、道徳や総合的な学習の時間を初め、さまざまな教育活動に取り組んでおります。具体的には、高齢者擬似体験や高齢者福祉施設の訪問等、高齢者の理解、支援に向けての学習に取り組んでおります。また、学校公開日や学校行事に地域の高齢者の方々を招待し、子供たちの活動や校内に掲示されている作品を見ていただく機会を設けるとともに、授業の中で昔の遊びや地域の伝統的な踊り等の指導や下校時の見守り活動など、地域の高齢者の皆様にはさまざまな場面において教育活動の支援者として協力いただいております。
 このような教育活動に対する高齢者の皆様の支援に対しましては、子供たちがお礼の手紙を書いたり高齢者の方と会食したりするなど、感謝の意を伝える機会も大切にしております。また、こうした活動を地域の敬老会と連携して行っている学校もございます。このように学校教育のさまざまな場面で日常的に高齢者と触れ合い、きずなを深める活動は、子供たちの高齢者に対する尊敬と感謝の気持ちを深めることにつながっていると学校では実感し、また高齢者の方々にも大変好評であるという声を多く聞いております。
 いずれにしましても、現在それぞれの学校で実施しているさまざまな活動の充実を図るとともに、ご提案の内容につきましては今後関係各課と連携し、検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


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