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■議会報告

教育長答弁
それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
まず、放射線教育への取り組みに関するお尋ねでございますが。平成20年3月に小中学校の学習指導要領が改訂され、人間は火力、水力、原子力などからエネルギーを得ていること、持続可能な社会をつくることの重要性の認識など、社会科や理科において原子力やエネルギーに関する指導の充実が求められております。
原子力の中の放射線については、現在小学校では学習していませんが、中学校では3年生理科第1分野の「科学技術と人間」の「エネルギー」の項目の中で「エネルギー資源の利用や科学技術の発展と人間生活とのかかわりについて認識を深め、自然環境の保全と科学技術の利用のあり方について科学的に考察し、適切に判断する態度を養う」と示されています。
具体的な内容として、原子力発電ではウランなどの核燃料からエネルギーを取り出していること、核燃料は放射線を出していること、放射線は自然界にも存在すること、放射線は透過性を持ち、医療や製造業などで利用されていることについて学習しています。こうした学習の補助資料として、平成23年11月に文部科学省より放射線に関する副読本及び教師用の解説書が学校に1冊ずつ配付されました。この副読本では、放射線の基礎知識から放射線による人体への影響、事故が起きたときの心構え、暮らしや産業での放射線の利用などについて解説しています。
教育委員会では、副読本の電子データを学校系ネットワークを利用して全校に配信し、教員の放射線に関する理解を深め、今後の学習の充実に生かしていくことを通知いたしました。
なお、平成24年度当初には、文部科学省より市内すべての児童生徒及び教員に副読本が配付される予定となっております。あわせて各学校での学習の充実を図るため、教育委員会が学習指導要領に準拠した内容の補助教材を作成し、12月下旬までに全校に配信する予定です。さらに、放射線に関する内容について教員を対象とした平成24年度の理科実験実技研修会の中で取り扱う予定でございます。このほか、平成24年2月に越谷市科学技術体験センターにおいて、小学生から大人を対象とした放射線教室の開催も準備しております。
いずれにいたしましても、教育委員会といたしましては、今後とも将来を担う児童生徒がその発達段階に応じて放射線の基礎知識を身につけ、エネルギーの効率的利用や環境保全に配慮した生活や責任ある行動をとることができるよう取り組んでまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
次に、県立特別支援学校負担金についてのお尋ねに順次お答えをいたします。負担金の納入先である県立特別支援学校教育振興会は、県立特別支援学校における教育を充実促進するために援助、協力を行う目的で、各県立特別支援学校が任意団体として運営している組織でございます。振興会の会員は、各県立特別支援学校に在籍する児童生徒が在住する市町村、会の趣旨に賛同する個人または団体等により構成されております。本市は正会員として会費を負担しており、本市から各県立特別支援学校に在籍している児童生徒の人数に単価を乗じた金額を各教育振興会からの請求に基づき、負担金として支出しております。
平成23年度の負担金は、一例を挙げれば埼玉県立越谷特別支援学校を支援する会が単価3,000円で45名の児童生徒の在籍により13万5,000円、埼玉県立越谷西特別支援学校を支援する会が単価3,000円で219名の児童生徒の在籍により、65万7,000円の負担となっております。合計では、県内7つの県立特別支援学校の振興会に対し、児童生徒270名分、合計81万1,500円の支出となっております。
各教育振興会において各市町等から集められた会費は、学校行事の補助、屋外放送設備の修繕、備品の購入、教員研修の講師謝礼、県高等学校等校長会、教頭会の負担金等に支出されております。負担金の単価は各教育振興会会則において定められておりますが、一部の市町においては財政難等を理由に請求金額より単価を減額して支出または支出自体を行わなかった市町があったと聞いております。
このような状況を踏まえ、埼玉県議会平成21年6月定例会において、振興会会費を市町村に負担させることの是非について、また市町ごとの負担の不公平性について一般質問が行われました。これに対し、県教育長からは県立特別支援学校の教育内容の充実については、県が責任を持って行う必要があること、また県として今後とも教育内容の充実に必要な予算の確保に努めるとともに、会のあり方について見直しを行うこと等の答弁がありました。
このような状況を受け、平成23年4月27日付で埼玉県教育委員会教育長から「特別支援学校教育振興会の今後のあり方について」の通知がありました。その内容として、平成23年度末をもって教育振興会を廃止し、新たな団体を組織する場合においては支出の対象についても改めて見直しを行い、本来県費で対応すべき支出については県費で支払いを行うこととすること、今回の見直しにより、各特別支援学校における教育活動に支障が生じないよう、県教育委員会として必要な予算措置に努めていくこと等が示されました。本市においては、特別支援学校負担金は教育振興会組織の会員として支出してきたものであり、今回の県教育委員会の決定により、平成23年度をもって組織が廃止となることから、平成24年度当初予算には当該費用の計上の予定はございません。
次に、来年度以降の見通しとして、廃止される各教育振興会にかわる組織について、各県立特別支援学校から通知等があるか、また支出の必要のなくなった負担金の金額をどのように活用するかとのお尋ねでございますが。新たな組織づくりにつきましては、越谷市西特別支援学校事務局から、支援する会の総会資料とともに、新しい会の発足を模索している段階である旨が記された通知があったほか、各県立特別支援学校からの動きはございません。また、負担していた金額の今後の活用につきましては、平成24年度当初予算編成の中で協議してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
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