越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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 次に、地域通貨についてのお尋ねでございますが。まず導入についてお答えいたします。地域通貨は、特定された地域内やコミュニティにおいて流通している社会的価値やコミュニティ独自の価値を交換、流通させることを目的とする通貨で、一般的に市民等の手でつくり、限定された地域で使用されることから、地域の活性化等に資するものとされております。具体的には、ボランティア活動等の対価として地域通貨が発行され、商店街での買い物ができるなど多様な形態があり、埼玉県内の一例として戸田市における戸田オールという地域通貨があることはご案内のとおりでございます。この通貨は、戸田市コミュニティ推進課が所管する地域通貨戸田オール運営委員会が運営し、ボランティア活動やイベント参加等の対価として発行され、商店街で使うことができる仕組みとなっているようでございます。このような仕組みから、ボランティア活動等の促進や商店街の活性化等に寄与するものと期待されております。
 本市では、現在地域通貨の発行と同様の効果が期待できる取り組みとしまして、空き店舗を拠点とした埼玉県の地域支え合い仕組み推進事業の活用について検討しているところでございます。この事業は、日常生活に支援を必要とする高齢者等に対し、元気な高齢者のボランティアがサービスを提供し、その対価として商店街で使用できる商品券を受け取る仕組みとなっております。高齢者の日常生活の安心確保、元気な高齢者の介護予防、商店街の活性化という3つの効果を期待するものでございますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、「アースデーマネー」との連動についてお答えいたします。アースデーマネーは、東京都渋谷区における特定非営利活動法人アースデーマネー・アソシエーションが主体となり発行しているものです。地球環境や社会に貢献するプロジェクト等のNPO活動にボランティアとして参加、または寄附をした人がアースデーマネーを取得し、加盟店のお店を初めイベントなどでの割引やプレゼントなどの得点が受けられる仕組みで、その流通範囲は渋谷区を中心に東京都近郊の埼玉県、千葉県、山梨県など広域的な広がりがあるようでございます。いずれにいたしましても、本市としましては現在空き店舗を拠点とした埼玉県の地域支え合いの仕組み推進事業の活用について検討しているところでございますので、地域通貨の導入、さらにはアースデーマネーとの連動の方向性につきましては、今後調査、研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、歩行者の安全確保対策についてのお尋ねでございますが。まずせんげん台駅東口入り口の交差点の今後の見通しにつきまして、当該交差点は一般国道4号と都市計画道路八潮越谷線が交差する交差点で、国道を横断するには南側は横断歩道と信号があり、北側は国が管理している歩道橋があります。この歩道橋につきましては、昨年度末に開催された越谷市道路交通環境安全推進連絡会議において、歩道橋を管理する大宮国道事務所から、設置してから39年経過しているため、老朽化が見られることや、利用状況について調査を行った報告がありました。結果といたしましては、15時間で2,592人の横断者があったにもかかわらず、歩道橋を利用した人は約4%に当たる112人だったという報告を受け、今後の対応について意見が交わされ、地域の方々の意向を確認する必要があるとのことから、ことし6月から8月にかけてアンケート調査を実施いたしました。アンケートの実施方法や結果につきましては、関連する4自治会、児童館コスモス及び桜井地区センターにて1,947枚配布し、1,171枚の回答があり、回収率60.1%でした。歩道橋の利用状況といたしましては、「利用する」が2.2%、「利用しない」が83.8%、「時々利用する」が14%でした。また、歩道橋の必要性につきましても、「必要である」が12%、「不必要である」が58.2%、「どちらとも言えない」が29.8%で、利用しない方が多いことや、不必要であるとの意見が多く寄せられました。今後は、利用実態調査等を踏まえ、地域の皆様のご意見等十分精査、検討し、歩道橋の管理者である国を初め警察と連携を図り、歩道橋にかわる安全対策も視野に入れ、さらなる調整を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、県立越谷北高校周辺の道路についてのお尋ねでございますが。越谷市の歩行者への安全対策の一つとして、歩道の整備がございます。越谷市の歩道整備延長は平成21年度末現在で約229キロメートルとなっており、埼玉県内のさいたま市を除く39市中1位となっております。これは、都市計画道路等により歩道設置を進めたことや、既存道路に接した水路のふたかけや、暗渠化を行い、歩道としての整備を積極的に進めたことによるものでございます。しかしながら、すべての道路沿いに水路がないため、歩道の連続性が損なわれている箇所もございます。このような箇所については、周辺土地利用等を考慮して、必要に応じて用地買収を行い、歩道の利便性を確保するように努めております。
 県立越谷北高校周辺道路につきましては、水路の暗渠化や開発により歩道の整備を実施し、歩行者の安全を確保しております。また、水路敷がなく、歩道の設置が難しい部分については、既に周辺が住宅地となっており、さらなる用地の確保は困難な状況であります。そのため、現況の道路幅員の中で路側帯にグリーンベルト等の路面標示を行い、歩行者の安全確保を図っております。引き続き日ごろからのパトロール等により、路面標示の劣化や歩道の段差などが確認された際には、随時補修を行い、歩行者の安全を確保してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、公契約条例制定の取り組みのスタンスについてのお尋ねでございますが。公契約条例は、地方公共団体が発注する公共工事等に従事する労働者の賃金や労働条件が適正に確保されることにより、その業務の質の確保を図ることを目的とするものでございまして、昨年度千葉県野田市が全国で初めて条例を制定し、本年度の入札から適用しております。労働者の賃金を初めとする労働条件につきましては、基本的には雇用主と労働者、いわゆる労使間の交渉に基づき決定されるものであると考えております。本市といたしましては、これらを適正なものとするために、労働基準法、最低賃金法、さらには昨年7月に施行された公共サービス基本法等の関係法令の遵守、徹底が重要であると考えております。
 本市の発注工事は、農林水産省及び国土交通省が公共工事の工事費積算に用いるための公共工事設計労務単価に基づく埼玉県の単価表等により積算しておりますが、これを遵守してもらうため建設工事等の入札参加者に配布しております。入札参加者の遵守事項において、元請業者はこの点に十分留意し、労働者への適正な賃金の支払い等に努めるよう、指導、徹底を図っております。さらに、契約金額の中で人件費の占める割合の高い業務委託等につきましては、積算内訳のうち労働者の賃金に関する内訳書の提出を求め、最低賃金を下回っていないことの確認も行っております。条例制定への取り組みのスタンスにつきましては、労働者の労働条件の向上を図るには基本的には国全体の政策として実施することにより、実質的な効果が得られるものと考えております。したがいまして、今後の国の動向、さらには8月に野田市が条例を適用した工事請負契約を締結したところでございますので、引き続きその効果や課題、各方面への影響等を見きわめてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 
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