越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

 しかしながら、市民活動団体等が抱える課題も挙げられております。まず、市民活動拠点施設の充実や資金確保、またさまざまな市民活動団体の経営能力の向上や団体相互の連携、そして市民活動団体の周知を図ることなどがございます。これらの課題に対し、行政は市民活動拠点施設として大型地区センターには団体活動室等を設置し、多くの地域コミュニティ組織の団体に活用していただいております。また、平成13年9月に市民活動団体室を開設し、市民活動団体の活動を担ってまいりました。しかしながら、当初35団体の市民活動団体室利用登録数は現在73団体にふえたことや、市民活動団体の活動内容の向上や活動範囲の広がりにより、活動しやすい市民活動拠点が求められております。活動拠点につきましては、市民活動団体の皆様のご意見もお聞きしながら検討してまいります。
 また、しらこばと基金助成金の活用を推進するためのPR活動を実施し、団体の活動の幅を広げる活動資金の確保の支援をしてまいります。さらに、市民への市民活動やNPO法人の認識と関心を広げるために協働フェスタや協働のまちづくり講演会を開催し、市民活動団体の周知を図ることや、埼玉県や東部地域振興センターと連携を図りつつ、団体運営や人材育成支援についても努めてまいります。
 いずれにいたしましても、公共の担い手となる地域活動団体やNPO法人を初めとする民間団体の育成について、引き続き調査研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、「行政サービスの民間事業者提案制度」等についてのお尋ねでございますが。業務の外部委託化等につきましては、行政改革や民間との協働の一環として、これまでも本市では多岐にわたる事務事業において進めてまいりました。公共の担い手のあり方として、私は民間で行うほうが効率的かつ効果的なものについてはできるだけ民間に担っていただき、行政は行政でなければ行うことの難しいサービスに、その力を振り向けていくべきであると基本的に考えております。このような観点から、ご指摘のような民間事業者提案制度につきましては、外部委託化等の範囲をさらに広げていく方策の一つであろうと受けとめております。しかしながら、行政サービスにおいて求められるのは、その担い手がだれであり、まずは市民、利用者の安全、安心の確保や安定性、公平性等であり、個々のサービスの性質や内容に応じ、行政としての責任を適切に果たしていくことが前提となります。そして、このことを堅持していくためには、それぞれのサービスを受けられる市民の皆さんのことを常に第一に考え、行政と民間の適切な役割分担のあり方をしっかりと見きわめる必要があると考えております。
 なお、仮にお尋ねのような提案制度により幅広く民間から提案をいただく場合にも、その内容や提案者等についてさまざまな角度から慎重に審査し、判断する必要がございます。また、これに伴う提案者側や市側の費用、時間、労力等が制度を実施した場合の効果に見合うかどうかが、制度を導入するか否かを判断する重要なポイントになると考えております。現在同様の提案制度を実施している自治体においては、それぞれの経過や事情の中で取り組まれているものと思いますが、現時点ではまだ試行錯誤を重ねている状況のようにも見受けられます。したがいまして、他の自治体における今後の取り組みの推移や成果等を注目しつつ、調査研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、親学・子育て相談事業についてでございますが。まず、「親力」向上に向けた子育て相談については、核家族化等の進展により子育てに不安や負担感を抱える保護者が増加する傾向にあります。こうした状況の中で、地域における子育て支援が重要であると考え、子育ての負担感軽減や子育て家庭の孤立化防止を目的として、本市では親子同士の交流や相談及び子育て情報の提供の場となる子育てサロン事業を実施しております。このサロンは、新越谷駅ビルヴァリエ内や、越谷市住まいの情報館、さらには児童館コスモス、ヒマワリなどで実施しておりますが、今後とも地域の公共施設などを活用し、より多くの方々がご利用できるよう拡充を図ってまいりたいと考えております。
 また、一次保育や子育て相談、子育て講座や子育てサークルの支援などの機能を有する地域子育て支援センターにつきましても、増林保育所内ほか6カ所に開設しておりますが、今後公立保育所の建てかえ時や民間保育園の整備などに合わせて、子育て支援拠点の拡充を図ってまいりたいと考えております。
 次に、行政各部における連携についてでございますが。本市における子育て相談につきましては、現在家庭児童相談室、各児童館の子ども家庭相談室、さらに教育センター内の青少年相談室等におきまして、豊富な知識、経験を有する専門員を配置し、電話あるいは面談により子育ての相談を行っております。これらの相談室間では、各相談員同士の事例検討会の場を設けて情報共有を図っております。なお、地域子育て支援センターや保育ステーション等におきましては、保育士による相談を受け付けております。今後につきましても、より相談者の立場に立った効果的な相談業務の運営が図れるよう、関係機関の連携強化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、民間団体の事業に対する支援についてでございますが。民間団体により実施されるさまざまな子育て関連の事業に対する後援等につきましては、越谷市における後援等の基準及び手続に関する要綱により、後援依頼に基づいて後援等を行っているところでございます。後援等を行う事業の周知につきましても、相談等の窓口において、相談者等の要望に応じて適宜情報提供しております。また、市や教育委員会の後援のない事業につきましては、主催者や事業内容について推奨できるものか否かの判断が難しい場合もございます。したがいまして、今後も必要と思われる情報につきましては、配布されているポスターやチラシ等を活用し、市民の皆様へさまざまな機会を通じてご案内し、情報提供をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、郷土意識の醸成への現状の取り組みについてのお尋ねでございますが。地区のコミュニティ推進協議会では、地域の文化、伝統を継承する取り組みを行っております。具体的な例としましては、桜井、新方の両地区では、わらを束ねてたいまつとする地域の伝統行事、虫追いを地域の子供たちが大人とともに体験することにより、伝統行事の継承と世代間交流の推進を図っております。また、出羽地区では地域に昔ながらに伝わる生活習慣などを調査研究し、出羽地区の歴史的な財産として多くの人たちが伝え、継承していく「出羽の今昔ものがたり作成事業」を実施するなど、それぞれの事業を通じて地域への愛着心をはぐくんでおります。
 次に、「越谷いろはかるた」等の活用についてのお尋ねでございますが。越谷いろはかるたは、市内の市民活動団体が自主製作したものでございます。このかるたは、市民団体と市が共催で実施いたしました「ふれあい合校」という講座において、越谷の文化、歴史、芸能、産業等を学び、郷土に誇りを感じていただきたいとの思いから始まったものとお聞きいたしております。郷土意識を高め、世代間交流も図れるものとして、かるたを媒体に子供から高齢者まで楽しみながら郷土に愛着する心をはぐくんでいただくための事業でございます。
 いずれにいたしましても、地域の文化や伝統を継承する取り組みや越谷いろはかるたにつきましては、地域コミュニティ団体や市民活動団体などと連携し、世代間交流を図りながら郷土意識の醸成につなげてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 

 
 
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