越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

 次に、防災教育についてのご質問にお答えをいたします。ご案内のとおり、我が国は、その位置、地形、気象等の自然条件から、台風、洪水、地震等の災害は発生しやすい国土となっております。そのため、平素より災害時の被害軽減に対する備えを充実、強化することや災害時に迅速かつ適切な防災活動を行い、被災後の円滑な復旧・復興を可能にするための取り組みをしていくことが重要でございます。このことを踏まえると、児童生徒に「みずからの命はみずから守る」という自助と「自分たちの地域は自分たちで守る」という共助の態度や能力を養い、実践的な防災対応能力の基礎を培う防災教育は、大変重要なことと認識しております。そこで、教育委員会では、教育行政重点施策の中に「防災教育の推進」を掲げるとともに、越谷教育ドリームプランにおいても防災教育の推進を位置づけております。
 まず、授業での取り組み状況についてのお尋ねでございますが。小・中学校では、社会科、理科、技術家庭科、保健体育科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等を通じて、日本の国土の特徴や自然災害、命の大切さ、健康で安全な生活態度の育成等について学習しております。一例を挙げますと、小・中学校の体育科や保健体育科の保健分野において、自然災害に備えて応急手当ての意義と手順、着衣水泳等を学習しております。また、社会科では、阪神・淡路大震災等の実例を挙げながら、小学校においては「暮らしを守る」、中学校においては「自然災害とその対策について」学習しております。そして、防災教育の中核は、特別活動の学級活動と学校行事になりますが、災害に遭遇した場合の自助と共助の2つの視点から、防災教育が実施されております。
 教育委員会といたしましては、埼玉県危機管理防災部で作成した中学生向け「危機管理、防災に関する教材」を各中学校に配付し、その活用の促進を図っております。この教材は、東京都への通勤通学者が多い埼玉県にあって、災害時にほぼ確実に地域にいる中学生に着目して作成されております。さらに、文部科学省が作成した中学生向けDVD防災教育教材「災害から命を守るために」を各中学校に送付いたしました。市内校長会において、この教材の趣旨説明をし、自助、共助の防災教育が各学校において推進されるよう努めてまいりました。今後も今教材が活用されるよう、学校の支援を充実させていきたいと考えております。
 次に、避難訓練についてのお尋ねでございますが。本市では、すべての小・中学校で危機管理マニュアルを作成し、大地震が発生した場合においても対応できるようにしております。その上で、すべての小・中学校で避難訓練を実施しております。消防署と連携して、具体的な避難方法について指導を受けた学校や、消火器の使い方や煙体験などの実践的な活動を実施している学校もあります。また、災害発生時を、登下校時、休み時間、授業時とさまざまな時期を想定して実施しており、各学校において工夫した避難訓練が実施されております。さらに、小学校におきましては、東海沖地震を想定した児童引き渡し訓練をすべての学校で実施しております。幼稚園を含め、小学校、中学校が一体となった引き渡し訓練など、地域ぐるみの活動をしている例もあります。各学校では、PTA活動や学校だより等を通じて問題を提起し、大地震等の災害が発生した場合どうするかを家族で話し合っていただくなど、家庭に対しても防災意識の高揚を図っております。教育委員会といたしましても、各学校が創意工夫を生かした避難訓練等を実施できるよう、今後も支援していきたいと考えております。
 次に、水難事故に対する取り組みについてのお尋ねでございますが。教育委員会といたしましては、本年度の夏季休業日までに安全教育及び生徒指導の視点から、河川水難事故の防止、局地的大雨から身を守るための防災気象情報活用の手引等、水難事故防止に関する5つの文書を各小・中学校に配付いたしました。あわせて市内校長会においても、水難事故防止についての児童生徒への啓発及び家庭との連携に関して、全体指導や学級指導を徹底するよう指示をいたしました。各学校では、1学期終業式までに事故防止等の指示を行いました。また、多くの学校で着衣水泳が実施されました。特に中学校では、消防署から指導者を招聘して実施した例が報告されております。
 次に、防災訓練の実施についてのお尋ねでございますが。先ほども述べさせていただきましたように、災害時にほぼ確実に地域にいる中学生に着目することは、共助の視点から重要なことであります。そのため、地域における防災訓練への中学生の参加は意義のあることと考えます。そこで、防災教育にあわせて、地域や郷土を愛する心の育成、自他の生命を尊重する態度の育成等、豊かな人間性を育てる視点からも、地域の訓練に地域の一員として積極的に参加できる生徒の育成に努めてまいります。教育委員会といたしましては、児童・生徒に「みずからの生命はみずからで守る」という自助と、「自分たちの地域は自分たちで守る」という共助の態度や能力を身につけられるよう、今後も防災教育の推進に一層努めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
 次に、大袋東小学校のビオトープについてのお尋ねでございますが。大袋東小学校のビオトープは、かつて地域の方々に「ならばやし」と呼ばれ、親しまれておりました。このような中で、昭和50年の屋内運動場の建設に伴い学校用地として取得し、ならばやしにつきましては、その維持・保全に努めるとともに、児童の学習及び生活の場として活用してまいりました。その後、平成4年度に、児童が自然観察の場として環境学習に活用し、生態系の保全と自然環境意識の普及啓発を図ることを目的に、ビオトープとして整備いたしました。以来自然観察の場として環境学習に活用し、児童が植物や生き物を大切にしようという気持ちが育つなど、大きな成果を上げてきております。しかし、一方で、樹木の成長とともに林が暗くなり、生き物の多様性が低くなってきていたこと、高木化により枯れ葉の飛散による近隣の良好な住環境が損なわれ、さらに過去の台風時には幹周り1.5メートルぐらいの木が倒れたなど、さまざまな課題を抱えている実情がございました。そこで、今般の屋内運動場の耐震補強工事を契機に、工事に影響のあった一部樹木の伐採とあわせ、これまでの課題に対処すべく、ビオトープの今後の活用や管理面での検討を行った上で、やむを得ず伐採、剪定したものでございます。その検討に当たっては、学校関係者と現場立ち会いのもとに2度にわたり協議を行い、伐採で日光が差し込むことによりさまざまな幼木が生き生きと成長できるよう、また伐採した切り口から生える枝の成長により余り暗くならないよう検討いたしました。さらに、伐採する高さにつきましては、今後の樹木の安全管理や近隣の住環境を損なうことのないよう配慮することなどを念頭に、おおむね6メートル程度といたしました。なお、このことについては、保護者や地域の関係者には保護者会等を通して、また児童には1学期の終業式の際に校長から事前に説明しております。今後におきましては、学校と連携、協力し、子供たちの意見等を踏まえつつ、ビオトープの整備計画を検討し、児童の学習の場として計画的に整備し、適切に維持管理してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。

 

 
 
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