■議会報告

また、平成16年には、地区の創意と工夫によるそれぞれの特色を生かしたまちづくりの推進を図るため、地区まちづくり助成金を創設いたしました。この助成金は、これまでのコミュニティづくり助成金、地区まちづくり推進事業助成金、レクリエーション大会委託料、地区体育奨励交付金、成人式委託料として地区ごとに支出しておりました5つの助成金、委託料を統合したものでございます。地区まちづくり助成金は、事業提案制度を取り入れております。提案事業は、第3次総合振興計画に位置づけられた地区別将来像を具現化するため策定された地区まちづくり推進計画に基づく事業でございます。各地区コミュニティ推進協議会では、よりよいまちづくりに向け、創意と工夫を重ねた事業を実施することにより、協働によるまちづくりの一翼を担う組織となってまいりました。
NPO・ボランティア団体などの市民活動団体への支援策といたしましては、平成13年9月に、市民活動団体室を中央市民会館4階に開設しております。当初の団体室登録団体数は35団体でございましたが、現在は71団体に登録をしていただいております。また、平成18年2月には、市民活動団体が連携することにより幅広い活動を実施していこうと、市民活動団体室利用団体による「市民活動つなげる会・越谷」が発足しております。そして、平成19年度は、市民活動団体の活動を紹介し、多くの方の参加を促すため、市は市民活動フェスタを市民活動つなげる会・越谷と共催にて開催いたしました。平成20年度には、越谷市社会福祉協議会と越谷市ボランティア連絡会により実施されてまいりましたボランティアフェスティバルこしがやと市民活動フェスタを統合した協働フェスタを開催いたしました。この事業により、市民活動団体の連携が深まったばかりではなく、団体の活動が多くの市民の方に理解していただけたと考えております。
さらに、以前から快適で活力ある魅力的なふるさとづくりを行う市民活動に対して、しらこばと基金による助成を実施しております。平成20年12月には、越谷市を愛し応援しようとする個人または団体からの寄附金の受け入れとすべての市民活動を助成の対象とするため、越谷しらこばと基金条例を改正したところでございます。
また、越谷市自治基本条例が9月1日に施行されました。この条例には、市民参加と協働によるまちづくりの基本的な考え方や進め方が規定されております。これからの協働のまちづくりでは、この条例に基づき事業が展開されていくものと考えております。
以上のように、3期12年間、協働のまちづくりという理念を掲げ、市政を運営してまいりました。当初は事業の実施に当たり「協働」の考えが市民と行政の間でかみ合わず、市民の方から、市民への業務押しつけや行政の責任放棄だという声もございました。しかし、現在では、自治会、コミュニティ推進協議会、そしてNPO・市民活動団体が、行政とともに「だれもが安心し、楽しく生活していけるまち」、「住みよい自治のまち」を目指して活動しております。このことは、協働によるまちづくりの意識が市職員のみならず市民の皆様にも浸透してきた結果だと考えております。協働のまちづくりの理念が越谷市に根づき始めております。これからこの理念が市民や職員にますます広がり、深まることにより、これからの輝かしい越谷市の未来を築いていくものと考えております。
次に、協働のまちづくりを進めるに当たっての団体のさらなる育成についてのお尋ねでございますが。ご案内のとおり、市内には各自治会を初め、地区コミュニティ推進協議会等の地区コミュニティ組織やNPO法人などの市民活動団体がございます。この市民活動団体等は、協働の担い手として地域の課題解決等に取り組んでおります。例えば、地域コミュニティ組織の自治会や地区コミュニティ推進協議会は、地区の独自性を生かした地区フェスティバルや地域の安全・安心を図るための防犯活動や防災訓練などを実施しております。地域活動団体の活動により、従来行政だけの取り組みでは解決に時間を要するような地域の課題を、住民みずからの視点で解決の糸口を見出したり、また柔軟な発想で地域に合った事業を展開し、地域力の向上や地域コミュニティーの醸成に寄与していただいております。
市民活動団体が行政と協働して実施している事業は、埼玉県が行ったNPO・ボランティアとの協働事業等調査によりますと、平成20年度に、本市で家庭教育学級や自治基本条例制定支援事業など42事業、事業費として1億9,542万2,000円の実績がございます。事業委託や事業共催、事業協力など、形態はさまざまでございますが、このことにより、市民活動団体には、活動資金を確保することや実績として次の事業の足がかりとなっていると伺っております。また、行政としては、きめ細やかな市民サービスを提供することと市民ニーズの把握の一端にもなっており、この協働事業によりお互いの特性が生かされ、より効果的な成果が得られております。
しかしながら、市民活動団体等が抱える課題も挙げられております。まず、市民活動拠点施設の充実や資金確保、またさまざまな市民活動団体の経営能力の向上や団体相互の連携、そして市民活動団体の周知を図ることなどがございます。これら課題に対して、行政は、市民活動拠点施設として各大型地区センターにはボランティア活動室を設置し、多くの地域コミュニティ組織の団体に活用していただいております。また、平成13年9月に市民活動団体室を開設し、市民活動団体の活動を担ってまいりました。しかしながら、当初35団体の市民活動室利用登録数は現在71団体にふえたことや、市民活動団体の活動内容の向上や活動範囲の広がりにより、活動しやすい市民活動拠点が求められております。このことについては、今後市民活動団体の皆様のご意見もお聞きしながら、検討してまいりたいと考えております。
また、しらこばと基金助成金の活用を推進するためのPR活動を実施し、団体の活動の幅を広げる活動資金の充実に努めてまいります。さらに、埼玉県や東部地域振興センターと連携を図りつつ、団体運営の支援や講演会や協働フェスタを開催することで、市民活動団体への周知等に努めてまいります。
これらのことを着実に実施し、市民活動団体と行政は、共通の目的を有する領域においては、お互いの特性を生かせるような適切なパートナーとして積極的な協調、連携を進めることが協働のまちづくりを担っていただく市民活動団体の育成と考え、推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
教育長答弁
それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
まず、避難所の運営についてのお尋ねでございますが。災害によって自宅が倒壊、焼失した住民のために、当面の生活の場として小・中学校が避難所となり、災害により多くの市民の方々が避難してくることが予想されます。避難所運営にかかわる学校職員の役割につきましては、授業を行っている平日に大災害が発生した場合、学校は、まず児童・生徒の人命と安全確保を第一とし、迅速かつ的確な対応に努めてまいります。学校職員の職務は、すべての児童・生徒を家庭に確実に引き渡すことであります。その後、避難所の運営に当たっては、各学校職員は越谷市地域防災計画に基づき、越谷市災害対策本部と連携し、可能な限り各避難所ごとの運営副責任者として市の運営責任者と協力し、避難してきた市民の誘導や避難所の運営等に協力していかなければなりませんので、このことにつきましては、各学校に校長会を通じてさらなる周知を図ってまいります。
次に、体育館の安全性についてのお尋ねでございますが。ご案内のとおり、平成16年の新潟県中越地震の体育館の被害状況は、天井材を張っている体育館では、天井材の落下、アルミサッシやガラスの破損、照明器具のカバー材の落下等により、避難所として使用できなかったことなどが報告されております。本市における体育館につきましては、現在耐震補強工事とあわせて、老朽化に伴う施設設備等の改修工事を実施し、安全性を確保しております。お尋ねの体育館の天井仕上げ材及び照明器具などの安全性の確保につきましては、この改修工事による対応はもとより、日常点検及び建築基準法に基づく施設定期点検においても、目視による取りつけ状態の点検、調査を行っております。その際、不良箇所が確認され、緊急対応を要する場合などには、適切な措置を講じております。また、照明器具の球切れに伴う交換時にタワー足場を組む際は、天井仕上げ材や照明器具の取りつけ状況、天井ブレースのボルト締めつけ状況などについても点検しております。さらに、体育館のアルミサッシやガラスの安全性の確保につきましては、ご指摘のとおり破損するおそれがあることから、飛散防止フィルムを張るなどが有効と思われますが、今後の検討課題とさせていただきます。
いずれにしましても、体育館は、災害時における市民の避難場所としてその安全性の確保は重要であると考えており、引き続き施設設備の改修工事、日常点検及び定期点検等を通じてその対策に努めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
|