越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

 次に、大相模調節池についてのお尋ねでございますが。順次お答えをいたします。まず、導水路の工事状況についてのお尋ねでございますが。大相模調節池は、一級河川元荒川の調節池で、越谷レイクタウン特定土地区画整理事業地内に位置し、当区画整理事業の施行者であります都市再生機構が一級河川元荒川の管理者である埼玉県の施行同意を得て、総合治水対策特定河川事業として整備を進めております。現在はJR武蔵野線北側部分がおおむね完成いたしております。ご案内のとおり導水路につきましては、元荒川の洪水を安全に調節池に流入させる施設でございます。その概要は、元荒川と東埼玉道路の側道が交差する上流右岸付近から、その側道の地下約10メートルに埋設される延長約860メートル、管径5,600ミリメートルの管渠となっております。施工は、周辺環境への影響が最も少ないシールド工法が採用されており、地上での施工は発進立て坑及び到達立て坑のみとなっております。工事状況につきましては、事業主体の埼玉県によりますと、平成18年度に着手した元荒川右岸側の発進立て坑の工事も平成19年度にはおおむね完了し、引き続きレイクタウン側の到達立て坑の工事に着手しております。こうした工事等の進捗を見ながら、次の工程であるシールド工事に着手し、大相模調節池全体の完成と整合を図りながら、完成を目指していくと伺っております。
 また、調節池に一時的に貯留した水を中川に排水する排水路及び排水機場につきましても、平成18年度末には排水路がおおむね完成し、本年度から排水機場の一部工事に着手する予定と伺っております。今後とも導排水路を含めた大相模調節池の早期完成に向け、事業主体である埼玉県及び都市再生機構に対し、積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。
 次に、環境対策についての取り組みに対する市のかかわり合い方についてのお尋ねでございますが。当調節池は、大雨時等における洪水調整機能のみならず、平常時には水の深さが1メートルから1.5メートルに保たれ、周囲にはレイクサイドウォークやビオトープゾーンなどが配置され、都市部における貴重な憩いと潤いの空間として、市民の皆様に水辺に親しんでいただけるよう親水性に配慮した整備が進められております。また、当調節池の水質につきましては、導水路、排水路及び調節池がすべて完成した時点では、元荒川と中川の特徴である潮の満ち引きによる水位変化を利用して、元荒川から中川への流れをつくることで水質を保持する計画となっております。現在は工事中のため調節池の水は、基本的には越谷レイクタウン地区及び流通業務団地に降った雨水が雨水幹線等を通じて流入したものでございます。両地区とも公共下水道が完備しておりますので、雑排水の流入は少ないものと考えております。
 しかしながら、ことし4月に行われました越谷レイクタウンオープニングフェスタ時等においては、ユスリ蚊等の発生が確認されており、都市再生機構ではユスリ蚊の幼虫の天敵である在来種の小魚の放流、幼虫のえさとなる有機物の除去、誘ガ灯の設置などによりユスリ蚊の発生防止や駆除に努めております。また、水質改善対策といたしましては、試験的に木炭を用いた微生物の繁殖による水質浄化、噴水による曝気、水中ポンプによる水の循環等、さまざまな対策を講じていると伺っております。市といたしましても、水質やユスリ蚊等の対策について、現地の状況を確認しつつ、都市再生機構に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、越谷レイクタウンの管理体制についてのお尋ねでございますが。当調節池の管理方法等につきましては、これまで埼玉県、都市再生機構及び当市の3者におきまして協議を重ねております。協議においては、基本的には河川区域編入までは都市再生機構が管理を行い、その後は埼玉県が管理者となり、当市は公園的利用を伴う部分を河川管理者から占用許可を得て管理することとしておりますが、今後利用ルール等を含めさらに協議を進めてまいります。
 なお、現在は都市再生機構の管理のもと、当調節池の暫定的な利用が開始されており、水上ステージや桟橋、芝生広場等がご利用いただけます。カヌーやヨットなどについても事前に都市再生機構に登録をしていただくことで利用が可能でございます。また、水辺利用や水質等に関する市民からの問い合わせにつきましては、現在の管理状況や利用方法等を説明の上、都市再生機構に報告をいたしております。河川区域編入後の管理につきましては、暫定利用期間中の利用者の方々のご意見や使い勝手、利用状況等を把握しながら、水辺利用や水質の問題等に関する窓口のあり方を含め、検討を加えてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、越谷レイクタウンの象徴であります大相模調節池が単なる治水機能を有する施設にとどまることなく、市民の皆様に末永く愛される憩いと潤いの空間となりますよう、埼玉県、都市再生機構と協議を重ねてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 私のほうからは以上でございます。

 

 
 
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