越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告


市長答弁


 それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
 まず、地球温暖化防止に向けた取り組みについてのお尋ねでございますが。初めに、北海道洞爺湖サミット開催時にライトダウンを行うことについてお答えをします。2006年度の日本の温室効果ガス排出量は、基準と比べ6.4%増加となっており、目標達成には現状から12%以上も排出量を減らさなければならない状況にあり、各種の環境施策の推進が必要となっております。
 本年7月には、北海道の洞爺湖で地球温暖化防止をテーマにした先進主要国首脳会議が開催されます。このサミットにおいては、すべての主要排出国が参加し、温室効果ガスの排出量の削減目標や実効性ある温暖化対策にどう取り組むべきかなどが議論されることとなっております。地球温暖化防止に向けた世論は一層の高まりを見せております。そこで、八都県市では、サミットの初日である7月7日の七夕の日に、一斉消灯やキャンドルナイトなどによる「地球温暖化防止一斉行動(エコウェーブ)」を予定しております。さらに、埼玉県では、「エコウェーブSAITAMA2008」と題し、市町村、企業、市民、団体等が連携して県内各地で一斉消灯によるアピールを行い、地球温暖化防止に向けた大きな県民ムーブメントを起こしていく予定と伺っております。市もこの取り組みに八都県市と協調して参加することとし、市の庁舎や一部公共施設で一斉消灯を実施するとともに、広報紙や市のホームページにより市民、事業者への周知を呼びかけたいと考えております。今後とも自主的な地球温暖化対策に取り組むことのできる社会の構築を進め、あらゆる機会をとらえて環境施策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、地球環境にやさしい越谷市率先実行計画についてのお尋ねにお答えをいたします。本年4月から先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書の第一約束期間がいよいよ始まりました。京都議定書において日本は2008年から5年間で温室効果ガスの排出量を1990年に比べ6%削減すると定め、国内でもさまざまな取り組みを実施しております。このため市といたしましても、地方自治体の責務として地球温暖化防止のための積極的な取り組みが求められております。
 本市では、平成13年度から地球環境にやさしい越谷市率先実行計画により、役所の事務、事業により排出される二酸化炭素等の温室効果ガスの削減に取り組んでまいりました。その結果、平成17年度までの5年間で、燃料、コピー用紙、水道水などの使用量を削減し、平成11年度の施設ベースで温室効果ガスの排出量を6.5%削減いたしました。現在平成17年度を基準とし、平成24年度までに温室効果ガスを2%以上削減する第2次計画を策定し、冷房温度の28度設定、暖房温度の18度設定、夏の期間におけるクールビズの推進、昼休み、時間外の自動消灯、古紙、ペットボトル等の分別収集の徹底、公用車の効率的な運用など、省エネルギー、省資源に全庁的に取り組んでおります。平成18年度では、基準年度に比べ温室効果ガスは基準年の施設ベースで2.8%の削減となっております。また、平成19年度の実績値については、現在集約中でございますが、それまでの取り組みを継続的に実施するとともに、太陽光発電、屋上緑化、LEDなどの省エネ型の街路灯の導入、温室効果ガスの排出量の少ないエネルギーの導入などを取り組んでまいりました。しかし、エネルギーの増減要因としては、新規施設の増加、夏の猛暑や冬の寒波などで電気使用量の増加、設備改修による重油や灯油の使用料の減少などがどの程度影響があるか懸念されるところでございます。公表については、越谷市環境審議会を経て平成20年8月上旬に予定しておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 また、具体的な取り組みといたしましては、平成19年度から20年度に市立病院で熱源機器改修工事を実施しております。この工事は、現在重油を燃料費として使用しているボイラーと冷温水発生機を温室効果ガス排出量の少ない都市ガスへ転換するものでございます。この改修工事に伴う効果として、平成19年度の使用量に基づき重油を都市ガスに転換した場合、温室効果ガスの排出量として約30%削減が見込まれております。また、燃料コストも年間約1,770万円削減されると算定され、改修費用が約4年間で回収されることになります。今後につきましてもほかの公共施設の更新に際しては、コスト削減を視野に入れ、温室効果ガスの排出量の少ないエネルギーの導入を積極的に推進し、率先実行計画の取り組みを実施してまいりたいと考えております。
 次に、「環境」をキーワードにした越谷のイメージアップを図ることについてのお尋ねでございますが。市と都市再生機構では、本年4月に越谷レイクタウンのまちびらきを行っております。レイクタウンはご承知のとおり、上野の不忍池の約3倍の広さの39.5ヘクタールの調節池を中央に配置し、地区面積約225.6ヘクタール、東京ディズニーランド約4個分の面積の全国でも例のない新しいまちとしてオープンしております。この越谷レイクタウンは、全国初のモデル的なまちづくりとして、広大な水辺の周囲に遊歩道や湖畔林が設置され、市民の皆様の憩いの場として、水と触れ合える遊び場、スポーツ・レクリエーションが楽しめるオープンスペースなどが順次整備されてまいります。その周囲には湖畔林と調和する閑静な住宅地や水辺を眺望する集合住宅、水辺に沿った遊歩道やカヌー遊びなど、水を生かしたライフスタイルが提案されており、住民の方々に長く愛される快適なまちづくりを進めております。
 また、都市再生機構では、太陽光発電や太陽熱利用など自然エネルギーの利用やエネルギーの使用を極力抑えた高効率の設備を採用するなど、環境に前向きに取り組む大規模商業施設や集合住宅の建設を進めております。さらに、ソフト面では「水」をテーマとした環境教育の推進等、市民、事業者、市がそれぞれの立場で自分たちのよりよい環境を守る取り組みを支援するなど、持続可能で日本を代表するようなエコタウンを目指し、まち全体の環境を意識したまちづくりを推進しており、市のイメージアップに大きく貢献するものと考えております。
 また、全市的にも温室効果ガスの排出を極力抑えたまちづくりを進めており、市の庁舎の電力については、全国の自治体では初めとなるグリーン電力証書による風力発電を導入しており、市内の事業者の中にも同様な電力を導入する事業者も出てくる等の波及効果も出てきております。
 昨年は、東京都等の自治体とともにグリーンエネルギー購入フォーラムを立ち上げ、全国の自治体や企業にグリーンエネルギーの導入促進を発信してまいりました。さらに、国の天然記念物のシラコバトや県内希少野生植物であるキタミソウの保護や、代々にわたり受け継がれてきた樹林地や河川等の自然環境の保全に、市民や市民団体とともに協働で取り組み、人と動植物が共生できる安らぎのあるまちを守っていきたいと考えております。これらの環境施策を通じて、他市と差別化した「環境」をキーワードとした越谷のイメージアップを図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 

 
 
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