■議会報告

Q3-①.質問
最後に、市内小中学生の受動喫煙についてお伺いいたします。ちょうど路上喫煙防止の条例が本定例会において上程されておりますが、提案理由として「喫煙マナー及び環境美化意識の向上を図り、市民等の安全で快適な生活環境の確保に資するため」とありました。この中の喫煙マナーの向上を取り上げると、これは吸わない人への配慮ということも含まれるかと思います。そして、それは健康面でも配慮するということであろうかと思います。健康面での話をすると、自分で能動的に吸う人よりも、その煙を受動的に吸わされてしまう人のほうがより害が出やすいとの話もよく耳にします。そういった能動的に吸うのではなく受動的に吸わされてしまう受動喫煙というものが子供たちにどのような影響を及ぼしているのか。熊谷市では実際に検診を実施したそうでございます。
新聞報道などからの概要を少しお話ししますと、熊谷市では小学校4年生のときに生活習慣病検診を行っているそうです。その検診の際に熊谷の医師会が2002年から希望者に対して受動喫煙検診も行ってきたそうですが、これをことし熊谷市が引き継いだそうでございます。
過去行ってきた検診内容ですが、小学校4年生の希望者に対して、生活習慣病検診にあわせて尿中のコチニンの測定を行い、陽性の児童の両親に対して喫煙指導も行ってきたというものです。コチニンというのは、ニコチンが体内に入りますと変化して、その変化した後の名前がコチニンとうのだそうです。
2002年から昨年までの5年間で約1,000人の検診を実施したそうですが、ある年の数字、具体的にこれが何年の数字だったのかちょっと不明なのですけれども、実際に医師会で中心的に検診されてきました井埜医師の名前でインターネット上に公開されておりましたので披露しますと、その年は261名が検診し、その結果、尿中コチニンが陽性を示したのは両親ともに喫煙をしている児童では57%、母親が喫煙している児童では47%、父親が喫煙している児童では29%であったそうです。逆からこの数字を見ますと、父親が喫煙している場合は29%が陽性、母親が喫煙している場合には47%が陽性、そして両親ともに喫煙している場合では57%が陽性であったということが言えます。母親が喫煙するということは、父親が喫煙するよりもより子供たちに影響を及ぼすという事実が判明しました。さらにつけ加えると、先日の新聞報道では、父親だけが喫煙している児童と母親だけが喫煙している児童とでは、母親が喫煙している児童はそうでない児童よりもコチニンの量が4倍以上も多く検出されているのだそうです。ですので、陽性を示す割合もさることながら、その程度もより強く影響が出るということがわかります。
さらに、もともとが生活習慣病検診とあわせて行ってきたものでもありますが、肥満や高血圧などの傾向がある児童はコチニンの数値が高いということも判明したそうです。
ちなみに、前年度コチニンの値が高かった児童23名をその年に再検診したところ、半数は陰性を示したそうです。これはどういうことかというと、その後の追跡のアンケートを行ったそうなのですが、子供から尿中コチニンが検出されたことで両親の11%は禁煙をした、また43%は本数が減ったと回答しているそうです。それとは別の質問で、69%は吸い方が変わったということだそうです。それは、例えば子供の前では吸わなくなったとか車内では吸わなくなった、家の中では換気扇の下で吸うようになった、そういった回答が得られまして、保護者の意識の変化に一定の成果が確認できたと、そのように井埜医師はインターネット上に書かれておられました。
こういったことを踏まえて、ことしは熊谷市として市内の小学校4年生約1,900人の中から希望者に対して医師会の協力のもとに約250万円の予算を計上して検診を10月末から11月初めにかけて実施したそうでございます。また、今回の検診では保護者を対象に喫煙に関するアンケートも実施し、家庭内での喫煙本数や喫煙場所も尋ねたそうです。詳しい結果などはまだ取りまとまっていないようですが、いずれにしましても受動喫煙がどれだけ子供たちに影響を及ぼすかが過去の取り組みからも理解することができるかと思います。
この受動喫煙というものがどのようなものであるのかは熊谷市における事例で皆さんもおわかりになったかと思いますが、そこで越谷市の子供たちがどのようになっているのか、市内の小中学生の受動喫煙について3点質問をさせていただきます。
まず1点目ですが、市内小中学校における健康診断についてお伺いいたします。現在行われている健康診断の項目、費用、また健康診断の実施の仕方などについてどのようになっているのかお答えをいただきたいと思います。
Q3-②.質問
2点目ですが、市内小中学生の受動喫煙の実態の調査についてお伺いいたします。越谷市では、熊谷市のような形での受動喫煙の実態について検診などは特に行ってはいないようですが、例えば健康診断の際に問診を行うだとか、喫煙に関する意識調査であるだとか、何か行っていることがございましたらお答えいただきたいと思います。
Q3-③.質問
最後、3点目ですが、市の今後の取り組みについてお伺いいたします。この受動喫煙検診は通常の尿検査とは異なるようで、費用もかかるようではございますが、子供たちが安全で快適な生活を送ることができる環境づくりの1つの方策として検討する価値があろうかと思います。この件につきまして、今問題を提起させていただきましたばかりですので、すぐ具体的に何か行動を起こすというのは難しいとは思いますが、今後の取り組みの方向についてどのようにお考えであるのかお伺いしたいと思います。
以上、全部で3件、10点ほどになりますが、市長と、それから教育長からのご答弁をよろしくお願いいたします。
|