■議会報告

●令和5年12月定例議会
質問(再度6回目)
この総合入院体制加算3の取得を目指すには、精神科という新たな診療科が必要だということで今ご答弁承りました。越谷市内にも、複数の精神科の診療を行われている医療機関ありますし、また越谷市立病院にメインで医師の方を派遣していただいています。順天堂の関係でも市内ございますので、なかなかそれを新たにというのは難しいのかも分かりませんが、そういった中でも、引き続いていろいろと検討は重ねていただければというふうに思います。
それでは、次に病院のスタッフという視点でお伺いしたいと思います。いろいろと施設加算取得するに当たっては、医療従事者の配置基準など人員の調整が必要なものもあるということで、その取得が進んでいないということもあるのだと思いますけれども、例えば有資格者の配置ということがその基準にあった場合に、新たに採用するということもあるでしょうし、他方で院内のスタッフが新たに資格の取得を目指すということによって施設基準を取得できるもの、そういったものもあるのではないかというふうに思っています。
そこで、院内で人材を育てるという取組について現状ではどうなっているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
市長答弁
ただいまのご質問につきましても、市立病院事務部長よりご答弁を申し上げます。
市立病院事務部長答弁
それでは、お答えいたします。
医療従事者、特に医師の専従ですとか専任の配置が求められている施設基準を取得するためには、現在在籍している医師は、既にほかの施設基準の専従ですとか専任ということで従事していることなどもありまして、新たに医師の確保が必要となってまいります。また、医師の入替えも、これは順天堂大学の医局の都合もございまして、頻繁にあるというところもありますので、人員配置の継続性といった課題もありまして、なかなか新たな取得はできていないという状況はございます。
一方で、院内での医師以外の人材育成という部分でございますが、認定看護師等の資格取得ですとか、あるいは大学等における自己啓発等に対しまして、これは費用面などで積極的な支援を行っているところでございます。また、診療情報管理士ということの資格がございますけれども、これにつきましては看護師で1年、看護師以外でも2年勉強して取得できるという大変努力の必要な資格なのですが、これにつきましても院内で意向を伺いまして、例えば看護師の場合もございますし、あるいは医療業務員がぜひそういう資格を取りたいというような希望があれば、これはその資格取得のための費用を病院のほうで負担しまして取得、内部での人材の育成ということにも努めてございます。以上です。
質問(再度7回目)
それでは次、同じようなスタッフの関係ですけれども、病院の収益は診療報酬がどう設定されるかで大きく左右されるわけなのですけれども、これは2年に1度行われて、次回の改定の話が出始めています。民間の医療機関ですと、アンテナを張って機敏に対応できるようにしているところもあるというふうに聞いていますが、現在の市立病院の中期経営計画のスパンは3年で、診療報酬の改定が2年というふうになってくると、なかなか機敏にということが、状況のずれ、タイムラグというのが発生するということがあるのではないかなというふうに思っています。
そこで、即応性のある体制をつくっていくという観点で、石原俊彦先生の「自治体病院経営の基礎」というところでは、そういった経営的なところの視点の人材をしっかりと確保し、育成をしていくということの必要性が述べられています。とはいえ、市の人事ローテーションで病院のほうに、事務部のところに行くとなると、数年ごとに入れ替えていただくことになりますから、なかなか現在の体制では育成という点が難しいのかなというふうにも考えています。
そこで、いろんな資格ありますけれども、例えば病院経営管理士、医療経営士、技術的な面での診療情報管理士等の資格を有する人材を外部から得る、あるいは人事ローテーションの外において、今ほども資格の取得の話ありましたけれども、資格取得を目指させるというようなことも含めて、新たな組織体制を考えていらっしゃるようですので、その辺りについて、その点も含めてお伺いできればと思います。
市長答弁
ただいまのご質問につきましても、市立病院事務部長よりご答弁を申し上げます。
市立病院事務部長答弁
それでは、お答えいたします。
ただいまご指摘ございましたとおり、これまでの当院の課題としまして、事務職員が一定年数経過しますと市長部局等に異動してしまうということで、知識や経験を院内で引き継ぐのが難しいということ、または医師や看護師などと対等に渡り合えるような人材がなかなか育たないというような課題がございました。
病院の経営を持続的に発展していくためには、専門的な知識を有し経験を積んだスペシャリスト、そういう職員の配置が必要不可欠であるというふうに考えております。これは、市長部局、人事部門との調整も必要になりますが、新たに令和6年度事務部職員の増員ですとか、体制の強化を今お願いしているところでございますけれども、新たにそういった人材を確保するためには、募集を病院独自でかけて、一定数そういうような業務に特化した専門の職員を採用することについても、これは検討していきたいというふうに考えております。これによりまして、所定の資格取得者を確保できると。それから、人事異動などにおいても一定の配慮をしていただくようなことを、これは十分人事サイドとも調整をさせていただきたいというふうに考えてございます。以上です。
質問(再度8回目)
ありがとうございます。中期経営計画を見ますと、5疾病のうち、特にがんについて力を入れているということが読み取れます。がんということについてですけれども、ここに経営資源を注力して、より質の高い治療を施しつつ収益確保を行っていくということがオーソドックスな手法であるというふうに感じますので、ここをより強くできるようなスタッフの確保、スタッフの育成ということをぜひお願いしたいと思います。
それでは、4点目の老朽化が進む病院の今後についてに移ります。中期経営計画では、建て替えに向けた機能、規模の検討として、急性期医療体制の強化を行いつつ、HCU等の高度急性期病床の導入や建て替えに向けた基本構想の検討を行いますとなっています。そういった検討は行う、あるいは判断をするのは判断をするとして、何を置いても気になるのは手持ちの現金、これが少ないのではないかというふうに感じています。実際に、先日のセミナーに参加をしたほかの議員さんの公立病院の手持ちの現金と比較しても、ちょっと越谷の市立病院は少ないのではないかというふうに感じましたので、この手持ち現金が少ないということについてどのように考えていらっしゃるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
市長答弁
ただいまのご質問につきましても、市立病院事務部長よりご答弁を申し上げます。
市立病院事務部長答弁
お答えいたします。
現在の当院の経理につきまして、確かに現金が非常に不足しているという状況がございます。現金を増やすことにつきましては、医業収益を増加させる以外には方法がありませんので、病院の経営改善を徹底的に行うということで収益の増加、それから現金の増加には、これは極力傾注してまいりたいという所存でございます。以上です。
質問(再度9回目)
手持ち現金が少ないので、それはぜひ手厚くしていただければと思います。
仮に建て替えをするならば、規模にもよりますけれども、差し当たって数百億円の費用がかかります。その際には、まずは手持ちの資金として、100床であれば10億円、100床ずつでいくと、300床では30億、500床では50億ぐらいは手持ちになければならないというふうに思っています。残りは起債するとしても、そういった財政面での課題はあるわけなのですが、先ほどのご答弁では、病院の在り方を検討する中で建て替えについては判断すると、そういったご答弁ありましたので、その点について再度お伺いしたいと思いますけれども、その判断というのがいつのタイミングとなるのか。現時点で、中期経営計画で言えば来年度までですし、また第5次総合振興計画前期基本計画に既にうたわれていて、これは2030年度までなのですけれども、これを後期の中で位置づけていくのか、その辺の判断のめどということについてお伺いをしたいと思います。
市長答弁
ただいまのご質問につきましても、市立病院事務部長よりご答弁を申し上げます。
市立病院事務部長答弁
お答えいたします。
病院の建て替えを含む今後の在り方についてですけれども、これはなかなか病院独自で決定できるものではないというふうに考えております。本市を取り巻く地域医療圏の中で、また人口減少が増加する中で、越谷市立病院が今後どのような役割を果たすべきなのか、それから市民の皆さん、それから越谷市医師会などの意向を伺う必要もあるというふうに考えてございます。
そのため、具体的なスケジュールをここでお示しするのは難しいのでございますが、病院の建て替えについては、いずれにしても喫緊の課題であるというふうに認識してございます。以上です。
質問(再度10回目)
現時点では示せないということなのですけれども、いずれかのタイミングでは判断をしなければならないと思います。
先ほど東部医療圏における地域医療構想での急性期の話ありましたけれども、平成29年6月議会で実際の病床について質問させていただきました。そのときには、特に周産期の部分で高度急性期の病床を充実させていきたいのだと、例えば第四期、それは第四期中期経営計画の話なのですけれども、今時間がずれて第六期に来ています。老朽化というのは、繰り返しになりますけれども、時間がたてばたつほど進んでいって、その老朽化に対する対応ということをどこかで判断しなければならないというときは、確実に近づいていくわけです。その確実に近づいていく中で、どう判断をしていくのかということになります。
先ほども、第5次総合振興計画ちょっと触れさせていただきましたけれども、例えば後期基本計画を策定する、後期基本計画は2026年度からスタートするのですが、仮に後期基本計画の中で位置づけるのだとすると、2025年度には恐らく議会側にその素案が示されて、文字どおり病院の現在の中期経営計画の2024年度の終わりまでには、何らかの判断をしなければならない。仮に第5次越谷市総合振興計画の後期基本計画に現状以上の記述をしようと思えば、少なくとも2024年度中には判断をしなければならない。ただ、その判断をするのを先送りにしようということであれば、今度越谷市の様々な取組、ここにもありますけれども、財政的な部分でほかの、特に大型の案件に様々な影響が生じるのではないかということを強く懸念しています。極端なこと言うと、市立病院の在り方が決まらないと、ほかの大型の案件は全部止まってしまうということにもなりかねませんので、いずれかのタイミングで判断ということ、どちらにしても判断はしなければなりませんから、ぜひ早いタイミングで判断をしていただくということを強く求めまして、時間が差し迫っていますので、次の3項目めの文化芸術歴史のまちづくりについて再度お伺いしたいと思います。
教育長からのご答弁で、いろいろと条例、あるいは計画の策定についてはという話でしたが、現在の取組の中で、基本的な考え方、方向性は私と共有しているということを承知しましたので、まずはその中でいろんな取組を進めていただければというふうに思います。
その上で、3点目というところでの部分、市長にお伺いしたいと思います。まちの魅力づくりということについてですが、昨年あるセミナーに参加をいたしました。徳島県の神山町という町の方なのですけれども、越谷の大沢小にもありますが、青い目の人形というものをふるさとに帰させようという取組から始まって、今ではその町は外国人の芸術家の方を受け入れる、そんな取組をされているそうです。そこの経緯ははしょりますけれども、越谷には何にもないというような方も中にはいらっしゃいますが、実際には私が育った市の北部で言っても獅子舞がありますし、あるいは獅子舞に関して言いますと無形文化財、東日本大震災によって90ぐらい今損なわれているのだという話も聞きましたので、ぜひ下間久里の獅子舞が今後も続くように、教育委員会としてもご尽力いただければと思います。
あるいは大道遺跡というもの、あるいは増林中妻遺跡、そういったものも発掘されていますし、宮内庁の鴨場ですと、私が以前提案しましたように、もともと駅のところに貴賓室があって、東京から多数の皇族の方、政府の要人の方、外国の賓客を受け入れていた。臨時列車を出していたということもあります。そういったものは、よそのまちにもあるかも分かりませんけれども、それはそれとして、こういった文化や芸術、歴史を大切にして、越谷に固有の唯一無二のアイデンティティーを形成していく、そして越谷の魅力創出、まちづくり進めていくということが必要ではないかというふうに思っています。
世間では、埼玉県についていろいろとやゆされる方もいらっしゃいますけれども、その埼玉の中の越谷でどう進めていくのか、その辺りについて市長のお考えを最後お伺いしたいと思います。
市長答弁
ただいまのご質問にお答えをいたします。
今、菊地議員さんから越谷の伝統文化等についてご紹介もいただきましたけれども、本市固有の文化、芸術、歴史というのは、市民の皆様の心の豊かさ、郷土愛の醸成といったことに大きく寄与しているものと考えております。さらには、市外の方々に対する本市の魅力発信という観点からも、貴重な地域資源であるというふうに認識をしております。そのため、引き続き本市の文化、芸術、歴史について積極的にPRするとともに、市民の皆様が参加する機会、さらには接する機会等の充実に努めていきたいと、このように考えております。以上です。
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