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■議会報告

教育長答弁
それでは、ただいまの菊地議員さんのご質問に順次お答えをいたします。
まず、中核市移行に向けた教職員の研修体制にかかわる研修業務の移譲内容についてのお尋ねでございますが。中核市移行に伴い、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして、県費負担教職員が受ける研修の企画、運営、予算などに係る事務が埼玉県教育委員会から越谷市教育委員会に移譲されることが予定されております。県から移譲される約130講座の研修には、初任者研修や10年経験者研修など教職員としての基礎・基本を磨くための年次経験者研修、各教科スペシャリスト養成研修会や各種主任研修会など、今日的な課題を解決するための専門研修等がございます。教育委員会では、これらの研修を新たに実施するとともに、現在市独自で実施している2・3年次、臨時的任用教員研修等も継続して実施してまいります。
なお、県から移譲される研修の中で、特に専門性の高い研修や対象者が限定される研修は、効率性等を考え、県に委託することも検討しております。教育委員会といたしましては、中核市移行に向けて埼玉県と必要な手続を進めるため調整してまいります。
次に、ハード面の整備についてのお尋ねでございますが。中核市に移行した場合、研修数及び研修対象者の増加に伴い、教育センター以外の研修会場の確保も必要となります。現状では教育センターの拡充は、敷地面積及び建物の構造上難しいこと、新施設建設は財政的にも厳しいことから、教育委員会といたしましては、既存施設の活用を考えております。具体的には、教育センターを中心として市内の小中学校や公共施設の利用を考えております。そのために研修内容を明確にしていく中で、今後必要な予算の調整、各種研修等の会場確保、空調設備や備品等の整備に取り組んでまいります。
次に、ソフト面の整備についてのお尋ねでございますが。研修方法については、体験型、問題解決型研修やモデル授業を活用した研修など、児童生徒の指導にすぐに生かせる実践的研修の展開を目指してまいります。教育委員会といたしましては、さまざまな教育課題に対応できる豊かな人間性と確かな指導力を持った教職員の育成を目指し、専門的知識、技能の習得や不登校児童生徒への支援及び特別支援教育の研修等に重点を置いて進めてまいります。
なお、各種研修会の指導者については、指導主事、越谷市教育指導員を初め市内全小中学校の管理職にも依頼することを考えております。さらに、文教大学との連携事業で講師を依頼するとともに、教育委員会主催の各種研修会、研究委嘱を通して越谷市の教員の中から指導者の育成、確保にも努めていきたいと考えております。いずれにいたしましても、平成27年4月の中核市移行まで、あと1年9カ月ではございますが、中核市移行に伴う事務が円滑に遂行できるようしっかりと取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、学校施設の老朽化対策についてのお尋ねでございますが。まず、学校施設の現状についてでございますが、本市における学校施設は、急激な児童生徒の増加に対応するため、昭和40年代から50年代にかけて建設されたものが多くあります。築年数が30年以上経過している校舎は、小中学校合わせて40校86棟、床面積は約19万1,000平方メートルとなります。また、屋内運動場は、小中学校合わせて33校33棟、床面積は約2万8,000平方メートルとなります。これらの校舎等については、既に耐震補強工事を完了しており、安全が確保されております。
次に、これまでの更新内容についてでございますが、昭和30年代から40年代にかけて建築した建物のうち建てかえを行った校舎については11棟、屋内運動場については9棟ございます。建てかえ時期の年数などの基準は設けておりませんが、これらの建てかえ時の平均的な使用年数は校舎で約30年、屋内運動場では約28年となっております。最近の建てかえの実例といたしまして、中央中学校では平成14年に43年間使用した校舎を建てかえております。また、蒲生小学校では平成22年に47年間使用した屋内運動場を建てかえております。そのほかに出羽小学校では平成9年に、北中学校では平成元年にそれぞれ校舎等を建てかえております。
なお、これまでにコンクリートの中性化対策や劣化に強い塗装をするなどの長寿命化改修を行った実績はございません。
次に、今後の方針についてでございますが。文部科学省では、有識者による学校施設のあり方に関する調査研究協力者会議において調査、研究を行い、平成25年3月に「学校施設の老朽化対策について」と題する報告書をまとめました。この報告書では国、地方の厳しい財政状況のもと、限られた予算で、できる限り多くの施設の安全性を確保し、機能向上を図るためには、改築より工事費が安価で、産業廃棄物や二酸化炭素の排出量が少ない長寿命化改修への転換を図ることが必要であると提言しています。また、平成25年度から新たに長寿命改良事業が文部科学省に創設されました。この事業は、長寿命化改良に要する経費の一部に国庫補助を行うもので、このことによりコンクリートの中性化対策や鉄筋の腐食対策、さらには劣化に強い塗装など長寿命化を図るために必要な工事を促進するものでございます。本市におきましては、現在公共施設マネジメント白書策定検討委員会において、市が保有する公共施設の実態調査を行うとともに、今後の公共施設の新設や改修に関する基本的な方向性について検討を行っております。教育委員会といたしましては、白書の内容を踏まえて、今後の方向性について検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
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