越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

●平成22年9月定例議会

Q1-①.質問


 議長の許可をいただきましたので、さきに通告してあります7項目、十数点について順次質問をいたします。
 まず、1項目めといたしまして、公共建築物の維持管理についてお伺いします。今、全国の自治体共通の問題の一つに公共施設の維持管理が挙げられます。東京オリンピック前後の1960年代から70年代にかけて、各種施設、学校、道路、橋梁、上下水道、公共交通などさまざまなインフラの整備を進めてきましたが、それらの施設の耐用年数が来て、大規模な補修あるいはつくり直しを迫られているからです。
 しかしながら、人口の減少とそれに伴う税収の落ち込みにより、軽微な補修すらままならない自治体が少なからず存在をするのが現状です。もはや、人口が増加し、税収がふえることを前提とした社会資本整備の概念はあり得ないという認識こそが正しいというふうに考えております。民間であれば、経年劣化に伴う修繕費の将来負担額を見積もったり、あるいは建てかえも視野に入れた積み立てを行ったりしていますが、行政は単年度会計のためか、そういった概念がやや実質的に欠けているような感じをしております。
 7月の初めに、調布市へ公共建築物維持保全計画の調査に行ってきました。調布市では、学校施設やそれ以外の公共施設、正しくは道路、橋梁、上下水道などを除いた公共建築物という表現をとっていますが、数年前にまず耐震化についての調査を実施し、その工事計画をもとに、さらに耐震化以外に将来かかる維持管理費までも算出しようということでこの計画をまとめ上げました。こういった冊子ができ上がっておりまして、いただいてまいりました。
 計画では、302の施設に対して今後20年間で約340億円の補修費がかかると想定しています。当初は約800億円かかると言われたものを、財政状況を勘案し、修繕内容を見直して約340億円としたものです。参考までに、当初の見込みの中では、学校の耐震化は進めている最中でしたが、越谷と違い、今年度中に終わるということで、約340億円の中には耐震化にかかわる経費は実質的には入っていない、正しくは22年度分で約5億円入っているのですけれども、それは21年度の予算の中で前倒しで行っているということで、基本的には22年度にかかわる部分はないという話となっております。
 実は、調布市に調査に行った10日くらい後なのですけれども、新聞に小さな記事、本当に小さな記事ですが、それをそのままちょっとコピーをとってまいりまして、こんな小さな新聞記事なのですけれども、国土交通省が首都圏の自治体を対象に、将来、公共施設の維持管理に必要な費用の推計を行っているかどうかということをアンケート形式で調査をした、その結果の記事でございます。354自治体を対象にして、221自治体から回答があり、結果として行っている自治体はわずかに13%というものでした。今後、公共施設の老朽化が進み、自治体財政を圧迫する要因となる可能性があるにもかかわらずです。
 そこで、1点目に、公共建築物のライフサイクルコストについての観点から、越谷市における取り組み状況をお伺いします。残念ながら越谷市は87%の一つに入ってしまっているのかなというふうに思いますけれども、越谷でも数年前から公共建築物の調査に取り組んでいるとは聞いております。一日も早く、まずは実態を知ることが重要であると考えますので、その結果を早く知りたいものですが、現状どのように取り組んでいるのでしょうか。調査対象数、その分類、またいつごろまでに調査が完了する予定であるのかお示しください。


Q1-②.質問


 2点目に、公共施設マネジメント白書作成についてお伺いします。公共施設マネジメント白書とは、神奈川県藤沢市が2008年11月に全国で初めて作成したものです。調布市の場合では、建築物の構造上の耐用年数から、将来どの時点でどの部位に補修が必要であるか、その額が幾らくらいかという考え方で作成をしていますが、藤沢市やそれをモデルとして作成した自治体では、より踏み込んで、社会情勢の変化から将来その施設がどのように使われるか、利用動向からのコストも算出して、個々の施設の今後のあり方まで言及する形で作成しています。ホームページからダウンロードもできますので、あらましを読んでみましたけれども、極端なことを言うと、建築以来60年近くたち、老朽化が進んでいる市役所本庁舎をどうするか、国が地方に権限を移譲するように、藤沢市における権限を市役所から13ある地域に移譲を進める中で本庁舎のスリム化を図る、そうすることにより、今と同じ本庁舎が必要かどうか、そこまで踏み込んで検討を始めているそうです。
 越谷市においては、まだ前段の基礎調査は終わっていませんが、その調査結果をもとにどのように今後の公共建築物のあり方について検討するお考えでしょうか。人口の減少や税収の落ち込み、さらなる高齢化や少子化の進展などを勘案して、その施設がそこに存在し続けることが本当に妥当かどうかも含めて検討し、計画を取りまとめるべきかと思いますが、あるいは調布市のように、まずは建築物の状況と今後の補修ということでの取りまとめでもよいとは思いますけれども、いずれにしても、そういった計画を策定することについてのお考えをお伺いします。


Q1-③.質問


 3点目に、公共施設等整備基金についてお伺いします。これは、昭和63年3月に条例第9号として制定されました。そこで基金を設立、積み増しを行い、都合3つの施設建設に使われたと聞いております。ですが、直近では3,000万円のまま、積み増しもせず、使うでもなく、そのままとなっています。
 質問ですが、基金設置から現在までの動きの概要をお示しください。
 また、調布市では、同様の基金を積極的に活用し、億単位で繰り入れたり、繰り出したりしています。越谷市においても、将来かかる施設の補修費のために少しずつでも積み増しをしていくべきかと思いますが、この基金の活用方法についてそのお考えをお伺いします。


 
 
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