越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

 

●平成19年12月定例議会

Q1-①.質問


 議長の許可をいただきましたので、さきに通告しております3件について順次質問をさせていただきます。
 まず初めに、北越谷以北の鉄道高架事業についてでございます。鉄道高架事業については、過去先輩議員からも質問があり、また踏切対策や大袋駅西口改札口の開設の問題など、関連する質問も幾つか出ておりますが、私なりの視点で何点か質問をさせていただきます。
 東武伊勢崎線の高架複々線事業は、北越谷駅までの区間が平成13年3月に完成いたしました。これは着工から34年かけて行ってきた北千住駅から始まる高架複々線化工事の最後の部分であり、北千住駅からの路線延長は18.9キロメートル、連続複々線区間としては私鉄最長となっております。ただし、竹ノ塚駅付近で一部地上を走っております関係から連続高架区間として私鉄最長というわけではございませんが、その竹ノ塚駅付近も現在、平成17年3月に発生した痛ましい踏切事故の再発防止のために高架とすべく、現在協議が進んでいると聞いております。
 さて、北千住駅から続いた高架複々線区間が北越谷駅で終わり、それから先、線路は大袋駅へと向かう途中で地上へとおり、幾つかの踏切を通りながら2面2線の対向式ホームを有する地上駅舎である大袋駅と、それから2面4線の島式ホームを有する橋上駅舎であるせんげん台駅を通り、せんげん台駅北側の新方川を渡って春日部市へと進みます。この間、伊勢崎線が越谷市内の地上を走る区間はおおよそ3キロメートルほどあろうかと思います。この区間を高架にすれば踏切問題や大袋駅西口改札口の開設の問題、また駅のバリアフリー化の問題などが同時に解消でき、すばらしいことであると思います。
 平成18年3月作成の越谷市都市計画マスタープランの大袋地区や桜井地区の構想の中にも東武伊勢崎線の高架化と東西道路の計画の検討がうたわれ、「踏切事故の解消、道路交通の円滑化と市街地の一体化のために東武伊勢崎線の高架化の検討を進める」とあります。ただし、この区間は大袋駅の南側で国道4号線が上を走り、せんげん台駅南側にも陸橋があるなど、高架工事を行うには障害があるのも事実です。JR武蔵野線の上を越える新越谷駅のように、より高いところを走る構造としてつくるということとしますと、事業費もかなりかかるかと思います。そういった特殊な要因もありますが、仮に鉄道高架事業を行った場合、おおよそ幾らぐらいかかるものなのか試算をしてみようと思いまして、他の地域を調査いたしました。調査したのは全部で7つの区間で、このうち近隣の2つの市には直接訪問し、他の5区市については電話で問い合わせをいたしました。
 接訪問したのは春日部市とさいたま市です。春日部市ですが、ここは現在東武伊勢崎線と野田線の接続駅である春日部駅周辺の高架事業を計画しております。それから、さいたま市ですが、ここは現在JR京浜東北線、宇都宮線の浦和駅周辺の高架事業を実施中ですが、この2市からは資料もいただきながら、担当の方よりご説明をいただきました。
 また、それ以外電話で問い合わせいたしました5区市について順次概要をお話ししますと、まず足立区ですが、ここは東武伊勢崎線の竹ノ塚駅周辺の高架事業を計画中でございます。それから野田市、ここは東武野田線の野田市駅周辺の高架事業を計画しております。群馬県伊勢崎市、ここは東武伊勢崎線、JR両毛線が接続する伊勢崎駅周辺の高架事業を現在実施中です。同じく群馬県太田市ですが、ここは東武伊勢崎線、桐生線、小泉線の太田駅周辺の高架事業をことし完成させました。それと栃木県栃木市、ここは東武日光線、JR両毛線が接続する栃木駅周辺の高架事業を平成16年に完成させました。ちなみに、2007年9月発行の東武鉄道の「安全への取り組み」という東武鉄道の各駅で配布されております冊子がございますが、この中の「安全性向上のために」というページの中に現在計画中の立体交差化事業として竹ノ塚駅周辺、春日部駅周辺、伊勢崎市内、野田市内の4区間がそのまま挙げられております。
 実際にそれぞれの区間における高架事業が幾らであるのか申し述べさせていただきますと、計画中の春日部駅周辺では、伊勢崎線、野田線合わせて約3.8キロメートルを高架にするというものですが、事業費は約680億円となっております。これは駅周辺の市街地整備も含めた数字で、試算時期も少し古いこともあり、鉄道高架にするという部分での数字が不明ですが、今後埼玉県の都市計画が決定した後に改めて正確に試算するとのことでした。
 さいたま市の浦和駅周辺の場合ですが、こちらの工事内容は、京浜東北線、宇都宮線を約1キロメートルにわたり高架化するというもので、複々線を高架にするということになりますが、一部用地買収を含めて事業費は355億5,000万円であるとのことです。
 竹ノ塚駅周辺の高架については、駅周辺約1.5キロメートルを東京メトロの検車区への回送線を含めて複々線を上に上げる工事となりますが、こちらは概算で約500億円であるとのことです。
 野田市駅周辺の高架については、単線の野田線を高架にするという計画ですが、延長約2.9キロメートルの事業費は約290億円と見積もっているとのことです。
 伊勢崎駅周辺の高架については、現在実施中ですが、伊勢崎駅を中心に東西方向にJR両毛線が走り、南側から東武伊勢崎線が乗り入れるという構図で、線路はいずれも単線ですが、東武鉄道とJRとで約4.5キロメートルの工事で、事業費は約260億円であるとのことです。
 完成済みの区間が2区間ありますが、そのうち太田駅周辺の高架については、駅から伊勢崎線が南北に、また桐生線、小泉線が分岐し、4方向にそれぞれ単線で線路が延びる構造で建設し、延長約6.4キロメートルの事業費は289億円であったとのことです。

 

 
 
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