越谷市議会議員 きくち貴光
 
 

■議会報告

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●平成22年6月定例議会


○行政調査報告


 おはようございます。議長のご指名によりまして、行政調査を行いました石川下公議員、樫村紀元議員、中村讓二議員、原田秀一議員、白川秀嗣議員、藤森正信議員、松島孝夫議員、武藤智議員を代表いたしまして、私からその概要をご報告申し上げます。
 調査は、去る5月11日、12日の2日間にわたり、企画部長の随行を求め、「行財政改革の取り組み」「事業仕分けの取り組み」についての2項目を調査事項とし、岐阜県岐阜市、三重県亀山市への行政調査を実施いたしました。
 まず、岐阜市において「行財政改革の取り組み」について調査を行いました。岐阜市では、古くから行政改革を最重要課題と位置づけ取り組んでおり、平成15年度から21年度にかけて実施された第4次、第5次行政改革大綱においては、市営バスの民間譲渡や保育所の民営化、指定管理者制度の導入、給与制度や補助金の見直しなどにより、約342億円の財政効果があったとのことです。また、職員定数の削減にも取り組み、昭和56年度のピーク時の4,999人から1,100人以上の削減を行ったとのことでした。これらの取り組みをもとに、平成22年度から26年度を目標年次とする岐阜市行財政改革大綱2010を策定し、さらなる改革を進めていくとのことです。
 大綱2010は選択と集中で持続可能な行財政システムの構築を図ることを基本目標としており、その取り組みのため、1、行政サービスの選択と集中、2、健全な財政運営の推進、3、市民の参画と協働の推進、4、職員の能力開発と人事管理の4つを重点改革項目としております。
 この大綱に掲げた行財政改革を着実に推進することを目的とした実施計画として、岐阜市行財政改革プランがあります。平成21年度は、この改革プランに基づき、全事務事業、公の施設について内部で事業仕分けを実施し、92件について今後5年以内に何らかの見直しをするとされています。また、改革推進により、財政効果として単年度で16億3,000万円以上、5年間で54億6,000万円以上を数値指標としているとのことです。
 このほか、財政規律を確保をするための財政指標として、財源留保資金の確保は財政調整基金と前年度繰越金の合計額について80億円を超える額を維持するとしており、さらに実質公債費比率は9%未満の水準に保つとのことでした。
 このように広範多岐にわたり行財政改革を具体的な数値目標を設定した上で進めておりますが、現市長が民間企業出身ということもあり、大綱の中でも特に民間の手法を多く取り入れていることに力点を置いているという印象を受けました。
 次に、亀山市において事業仕分けの取り組みについての調査を行いました。亀山市では、平成18年3月に行財政改革大綱を策定し、12月には実施計画を大幅に見直して行政改革を進めました。その行財政改革大綱及び実施計画では、行政と市民との関係の変革を視点として事務事業について行政の責任範囲や実施形態などを見きわめ、さらに市民参画と協働による市民サービスの提供をするため、施策や事業を客観的に評価、検証できる外部評価制度を創設し、市の事務事業の要・不要、実施主体のあり方について検討を行うことにしておりました。また、職員の削減が進む中、必要十分なサービスの提供を維持するためには市の事業を適正に縮減し、コミュニティへの権限移譲と民間化を推進する必要があるとしております。これらを背景として、平成19年度、20年度の2カ年にわたり事業仕分けが実施されました。その特色としては、一般的に行われている民間シンクタンク「構想日本」の協力のもとに行われたのではなく、滋賀大学との共同研究の形で進められたことが挙げられます。
 なお、事業仕分けは1年間があきましたが、今年度も実施予定となっており、その際には滋賀大学のほか「構想日本」も外部委員として加わるとのことでした。
 実施状況としては、平成19年度は全事業のうち83事業を決定し、2日間に分けて事業仕分けを実施しました。また、20年度は約80事業を抽出し、さらに36事業に絞り込み、選定して実施しております。いずれも判定結果をそのまま採用するわけではなくて、担当室が持ち帰り検討し、市の方針を決定した上で次年度以降の予算に反映させる仕組みとなっているとのことです。
 事業実施による効果として、平成21年度までの予算削減予定累計額は3,373万6,000円となっておりますが、予算の削減だけではなく、意見によりサービスの向上を図った事業も複数あり、これらについてはサービスの向上とあわせて予算が拡大したとのことです。
 このほか、事業仕分けの事前準備や実施当日における議論の過程から、職員自身が事務事業の意義や取り組む姿勢についてみずから気づき、今後の見直しに活用していくという意識改革の面があるとともに、傍聴に来た市民や参加している市民委員が職員の本音を聞いて事業の本質を知ることができ、行政の責任範囲や実施形態などを見きわめる好機を創出できると考えているとのことでした。
 以上が今回の行政調査の概要でありますが、全体を通しまして各市の貴重なお話を伺うことができました。今後は、このことを議会及び市政の中で生かしていきたいと考えております。
 以上で報告を終わります。

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